東北・北海道ツーリング

その9 奥尻の海産物を味わう


08月23日 123km 北海道 江差町→北海道 奥尻町
 ふと目が覚めて時間を確認するとまだ2時。さすがにまだ起きるには早すぎる。再び眠りについて次に目が覚めると4時15分だった。これでもまだ早いんだがもう8時間は寝ているので睡眠時間は十分だろう。
 テントを撤収してからフェリー乗り場へ。まだ時間が早いせいか乗船券の販売はまだ始まっていないようだ。コンセントを見つけて電池の充電をしながら残っていた堅パンで朝食をとる。乗船が始まったところでフェリー「アヴローラおくしり」に乗船。(6時半)さすがにシーズンを過ぎているせいか乗客は少なくて部屋はがらがら状態である。
 テレビをつけるとどのチャンネルも甲子園で北海道の苫小牧高校が優勝したニュースばかり。昨日の北海道のライダーが熱心にラジオを聞いていたのは決勝戦だったのか。オリンピックの開催中にもかかわらずどのチャンネルにしても甲子園ネタばっかりだもんなあ。さすが地元が初めて優勝しただけあるなあ。やっと天気予報が始まったのでチェックしてみると、明日からの天気は悪くなるみたいで26日くらいまでは雨になるようだ。(T^T) 今日のうちに奥尻を回っていた方が良さそうだなあ。しかし、明日から帰るまではずっと雨か・・・。(T^T)
 7時に出航となり、江差の町並みが離れていく。ふと目が覚めるとすでに9時前。そろそろ到着の時間だ。甲板に出てみると奥尻はすでに目の前に迫っており、サムーンという津波をイメージした大壁画が見えてきた。(9時15分)
 まずはフェリーを下りてすぐに所にあったガソリンスタンドで給油。(259km/11.6L)とりあえずこれでこの島で給油することはないだろう。残金が乏しくなってきていたので郵便局の場所を聞いて、まずは奥尻の町中に行ってお金をおろす。心細かった軍資金もやっと暖かくなった。とりあえず観光しながら島を一周回ってみようとまずは最北端にある稲穂岬へ向かう。
 海岸線にはなんかかなり高い堤防が目に付く。やはり1993年の津波の影響だろうか?(?_?) 宮津弁天宮という建物を横目にさらに北上していき、大きなコーナーを曲がろうとするとそこに稲穂岬という案内を発見。「なんだここがもう最北端なのか。」と行ったような印象だ。(^_^;; (9時半・12km)
 岬には整備された駐車場があり、観光バスが一台止まっている。灯台は道の反対側の山の方にあり、海側には土産屋が一軒とあとは展望台やちょっと建物があるだけだ。
 まずはお土産物屋「さくらばな」へ入ってみる。奥尻の海産物や土産物などがいろいろ売っていて食事もすることが出来るようだ。せっかく奥尻まで来ているんだからウニ丼でも食べようかと思ったんだが、値段は
1500円。結構な値段がするなあ。とりあえず観光へ。
 遊歩道の脇は広場になっていて、ここがあべちゃんが先日泊まったキャンプ場のようだ。さすがにシーズンを過ぎているせいか、それとももう出発してしまったのか、テントを張っている人はいない。きれいに整備されていて、水場やシャワーも完備されており、無料にしては十分な感じだ。(北海道の無料キャンプ場は内地の有料キャンプ場の設備があるところが結構多い)
 岬の先端は賽の河原と呼ばれているところで海岸線には積み上げられた石の小山で一杯になっている。海難事故で亡くなった人たちの慰霊の場のようだが、津波の被災時に亡くなった人の供養塔や卒塔婆とかも建っている。霊場と言うことになっているが、そんな感じはあまり受けない。写真を撮っていると団体客がやってきて一気に騒がしくなってきたのでそうそうに先ほどの土産屋に戻ることにした。
 悩んだ末、やはりここでウニ丼を食べていくことにして早速注文。待っている間に壁の案内を見ていると、「ウニ丼
1800円」と書かれていた。あれ?どうやら奥尻でのウニ漁は終了してどっか別の所から持ち込んでいるみたいだ。まあしょうがないか・・・。(T^T) しばらくしてウニ丼が運ばれてきたが、載っているのは100gとあまり多くはない。さっそく食べてみると・・・うまい!味の方は十分に満足行くものである。(^o^) ウニ丼を食べるのも久しぶりだからなあ・・・。おなかも満足したところで出発。(10時)ほんとはこのまま島の外周を走っていきたいんだが、このまま走っていくとダートを走らないといけなくなってしまう。地図を見ると5kmくらいあるようなのでやめておいた方が無難だろう。
 山の方の道路もきれいに舗装されているので走るには全く問題はない。しばらく走っていると「球島山」という案内板が出ていたので寄っていくことにする。(10時15分・24km)
 駐車場から山頂までは階段が整備されているが、そんなに距離はなさそうだ。階段を上っていくと、階段の脇にはなんと
アジサイが咲いていた。ちょっと枯れ始めているとはいえ、もう8月だぞ・・・。さすが北海道!
 階段を上りきると一気に展望が開ける。おお〜〜〜!いい眺め!(^o^) 奥尻で3番目の山と書いてあったが、これで十分と言った感じだ。空には薄雲がかかっているのがちょっと残念だがまあしょうがない。
 山を下っていくと、反対側の海岸線が見えてきた。眼下に海が広がり、眺めはいいんだが空には薄雲がかかっているので景色が映えないのが残念なところ。(T^T) 天気が良かったら海の色も綺麗なんだろうけどねえ。
 山の上から一気に海岸の高さまで降りてくるとやっと民家が見えてきた。この辺りが神威脇と思うのでそろそろ温泉があるはずなんだが・・・見あたらない。おかしいなあ・・・。(?_?) 地図を確認してみると近くにある民宿は温泉より南になっている。やはり行きすぎてしまったようだ。しかし案内とか出ていなかったよなあ・・・とUターンして戻っていると「神威脇温泉」とでかでか看板のかかった建物を発見。しかし看板はでかいんだが、この角度だったら南から来ないと見えんやん!(11時・43km)
 建物はかなり広い感じだが、お客はいないみたい。お風呂は一階と二階にそれぞれあるが、一階はあまり広くなくて眺めも良くないので二階へ。やはりこっちにも他にお客はいない。完全に貸し切り状態だ。お風呂は熱いがなんとか入れるレベル。夕日の時間がいいとガイドに書いてあったとおり、窓からは港と海を見下ろすことが出来るが、こんな時間なのでもちろん夕日など期待できようもない。女湯の方には誰か入っているみたいなんだが、女性の声だけでなく男性の声も聞こえるのは気のせいか?(?_?) 十分に暖まってから脱衣所でしばらくくつろいで外へ。(11時半)
 少し南下したところにある北追岬公園を覗いてから海岸線を南下。道路脇の堤防はなんか継ぎ足して高さが2mくらいあるので海があまりよく見えない。この辺りは奇岩で有名らしいが、まあ良くある感じのところであまり興味を引くものではない。と思って走っているとなにやらちょっと変わった形の岩が見えてきた。なぜかこの岩だけ説明板まで立っている。モッ立岩?なんだこれは?」と説明版を見て大笑い。(^_^;; なんとも遠回しな言い方で書いてあるなあ・・・。
 海岸線を南下してから青苗地区へ。この辺りは津波でかなりの被害を受けたところと聞いているが、見た感じあまり津波の影響は見あたらない。ただほとんどの家が新しいような感じなので建て直したものなんだろう。案内板に従って町中の道を走って行き、目的の奥尻島津波館に到着する。(12時・66km)
 中にはいるとまず係員から館内の案内を受ける。壁には津波が襲った直後やその後の復興の写真、小学生や中学生の書いた詩や作文が展示されている。翌朝の惨状はかなり酷いもので、戦時中の空襲の跡の焼け野原のような感じだ。作文や詩は地震と津波の恐ろしさが直接的に表現されている。うーむ・・・。(-_-) このあと奥尻島の誕生から復興までを再現したジオラマを見てから上映ビデオを見て外に出る。(13時)
 明日の宿屋待ち合わせのことがあるのでおおむらさんに連絡を取る。ホテルの予約はやってくれているようで、帰宅は19時くらいになるらしい。チェックインは15時くらいからなら出来るようなんだが、店員が出かけているみたいでその時間は誰もいないようだ。どういうビジネスホテルだ?
フロントに鍵を置いておくので勝手に入っていいらしいが・・・。(^_^;;
 近くの高台にビデオでも紹介されていたオブジェ「時空翔」というものがあるようなので見学へ。何を表しているのかはよく判断できないが、インパクトはある。
 まだそんなにおなかが減っているわけではないので夕食までは我慢できそうなんだが、せっかくなので何か食べていきたい感じ。途中で「潮騒」というお店があったのでここに寄っていくことにする。メニューを見ると海産物系の料理が多いんだが、何にするか・・・。あべちゃんの話だとウニとイカ以外は奥尻産じゃないと言っていたし、ウニ丼は食べたからなあ。と、活きイカ定食(900円)というものが目にとまりこれを注文する。
 しばらくして運ばれてきたが、なんかむちゃくちゃイカの量が多いぞ。(@_@) 皿にてんこ盛りにイカの切り身がのっている。味の方も甘くて十分においしい。おなかも満足してから出発。(13時45分)
 海岸線にはかなりの高さの堤防が整備されていて、津波の恐ろしさを物語っている。海岸線を北上していくと「うにまる公園」という案内板を発見して山の方へ登っていく。途中に大きな駐車場はあるんだが、うにまるモニュメントは見あたらない。(?_?) 佐藤義則野球展示室(無料なんだがあまり興味が湧かなかったので寄っていかなかった)を通り過ぎてさらに登っていくが、なんかどんどん寂しくなってきた。「おかしいなあ?ほんとにまだ上なのかなあ?」と、とりあえずバイクを走らせていると
行き止まりになってしまった。なぜ?引き返すしかないので来た道を下っていくと先ほどの広い駐車場の下の方にモニュメントを発見。さっきは山の陰で見えなかったようだ。(14時15分)どおりでこんなに広い駐車場があるわけだ。
 このうにまるというのは奥尻を代表する海産物であるムラサキウニをイメージしたシンボルで土産物屋でもこのマスコットグッズが一杯売っているんだが・・・この形はなんとも・・・。(^_^;; 夜はライトアップされるらしいのでそっちの方が眺めがいいんだろう。また夜にやってこよう。
 ここから少し北上すると奥尻のシンボル的な名勝と言われている鍋釣岩が見えてきた。といってもここにも観光客の姿は見あたらない。海岸から20mくらい沖に門の形をした岩があるんだが、あまり興味がそそられるわけではない。ここも夜にライトアップされるようなのでまたやってくることにしよう。
 とりあえずこれで観光するところは一通り見た感じだ。しかし一周するのに5時間くらいかかってしまったなあ・・・。まだ時間は早いんだが、いったん今日の宿・旅の宿・大須田へ。(14時半・87km)
 さっそくチェックインをして部屋に案内して貰う。建物は綺麗に掃除がされておりなかなかいい雰囲気である。一通り説明を受けてから荷物を部屋に運び込んで一段落。カメラのメモリーをバックアップしてから必要な荷物だけを持って出発。(15時15分)
 宮津弁天社を見てからさらに北上して稲穂岬を回って西海岸へ進んでいく。この辺りの海岸にも高い堤防が作られていてあまり眺めが良くない。徐々に山の方に進んでいき、ついにダートが始まった。ダートと言ってもフラットなので問題はないレベルだ。1.3kmでダートは終わり一安心。これくらいだったら全く問題なかったなあ。出発してカーブを曲がると・・・
またダートになっているやん!だまされた!!(T^T) 今度は先ほどよりも砂利が深くてちょっと危ない。2.2km走って今度こそ終了だろう。残りこのくらいと言うことは、来年にはすべて舗装されているかもしれないなあ。
 このまま南に向かっていくとまた一周する羽目になるので分岐点から東方向へ。この途中で先ほども寄った球鳥山へ。(16時)しばらくくつろいでいると観光客がやってきたので出発し、山を下って宿に戻る。(16時15分・103km)
 夕食は18時からと言っていたんだが、なかなか呼びにやってこない。「なんか時間がかかっているのかなあ?」と待っていると30分ほどして「そろそろ食事はどうですか?」とやってきた。食堂に行ってみるとすでに他の泊まり客は食事を取っているではないか。どうやら勝手に行っていれば良かったようだ。(^_^;;
 ビールを飲みたいんだが、このあとライトアップを見に行くつもりなので控えておいた方がいいだろう。夕食は奥尻で捕れた食材で作ったもので海産物が中心。カレイの揚げ物、ウニ、あわび、ほや、昆布布(昆布の根)、イカ、ホッキ貝、さしみ(たこ、エビ、マグロ)に鍋などと盛りだくさんだ。(^o^) 昼食もしっかり食べていたんだが、食も進みご飯もお代わりしておひつ2杯分食べてしまった。(^_^;; おなかも満足したところで夜のライトアップを見に出発。(19時45分)
 日が落ちてかなり暗くなってきたが、海の方はかなり明るい。イカ釣り漁船が出ているらしく、等間隔に明るいライトが照らされている。鍋釣岩、うにまるのモニュメントを見ていくが、思った程たいしたことはなかった。観光客も全くいなかったしね。(20時45分・123km)部屋に戻ってから今日も早めに就寝。(21時15分)
 01 今日の宿泊地 後ろに見えるのは江戸時代の帆船・海陽丸
 02 奥尻に向かうフェリー・アヴローラおくしり
 03 いざ奥尻へ
 04 奥尻港にあるサムーンという壁画
 05 賽の河原に立つ卒塔婆
 06 朝飯のウニ丼 味はなかなかでした
 07 球島山の山頂にて 後ろに見えるのが奥尻港辺り
 08 温泉で一息・・・ 貸し切りです
 09 時空翔の前で なんか変な形・・・
 10 昼食に食べたイカ刺し定食 いかがてんこ盛り(^o^)
 11 うにまるのモニュメント なんだこれは?
 12 鍋釣岩をバックに
 13 海岸の堤防 さすがに津波に懲りたのかかなりの高さ
 14 今日の夕食 豪華である(^o^)
 15 ライトアップされたうにまるのモニュメント