趣味講座・鉄道 Part-U

機関誌 Vol.10 70〜75ページ

<王将男>


ペンネーム DF200-901

 お久しぶりです、機関誌Vol.7以来の”趣味講座・鉄道”になります。
 今回はY水氏からの提案がありましたので、”大阪地下鉄事情”と”交通科学博物館レポート”と”加悦鉄道レポート”の三点をお送りします。

趣味講座・鉄道 Part-U ”大阪地下鉄事情”

 大阪の地下鉄は「大阪市交通局」が昭和8年5月から営業を開始しています。
 現在の路線数は7路線(図1参照)までになり、鶴見緑地線の京橋〜心斎橋の区間だけが工事中です。
 その他予定されている路線は、鶴見緑地線の心斎橋〜大正までの区間が特許を申請中であり、21世紀に向けては、鶴見緑地線の鶴町および門真市までの延長、千日前線の弥刀当面延伸や、森小路大和川線(上新庄〜湯里六丁目間)および敷津長吉線(住之江公園〜喜連瓜破間)の新設が予定されていたり、大阪港トランスポートシステム(大阪港〜中埠頭間)を当初予定していた新交通システムを地下鉄に切り替える事を検討している。


 ● 営業路線 7路線 105.8km
   御堂筋線  (1,435mm・第三軌条直流750V) 江坂〜なかもず間      24.5km
   谷町線   (1,435mm・第三軌条直流750V) 大日〜八尾南間       24.5km
   四つ橋線  (1,435mm・第三軌条直流750V) 西梅田〜住之江公園間    24.5km
   中央線   (1,435mm・第三軌条直流750V) 大阪港〜長田間       24.5km
   千日前線  (1,435mm・第三軌条直流750V) 野田阪神〜南巽間      24.5km
   堺筋線   (1,435mm・第三軌条直流750V) 天神橋筋六丁目〜天下茶屋間 24.5km
   鶴見緑地線 (1,435mm・第三軌条直流750V) 京橋〜鶴見緑地間      24.5km

 ● 駅数  85駅

 ● 車両数 7形式1041両


◎ 御堂筋線

 10系




 20系



御堂筋線のみに使用されている車両で、車体はアルミ製の6M3Tの9両編成を組み、主電動機出力はそれまで主力の30系の120KWから130KWに上がっている。現在、中百舌鳥検車場に9両編成26本234両が在籍していて、北大阪急行千里中央まで乗り入れている。

車体はアルミ車体をオールステンレス車体に変更し、21系と呼称される御堂筋線の車体には赤ラインが入っている。この20系はVVVFインバータにより主電力出力140KWを制御する。現在、中百舌鳥検車場に9両編成11本99両が在籍している。

◎ 谷町線

 20系





 30系



昭和59年12月から登場したアルミ車体と、オールステンれる車体に変更した22系と呼称される2タイプが存在する。初期のタイプは第三軌条方式としては日本初のVVVFインバータ制御を導入している。22系には紫ラインが入っていて、ニュータイプ20系の登場は谷町線が最初でした。どちらも3M3Tの6両編成を組み、6両編成20本120両が大日検車場八尾車区に在籍していて、将来は8両化も検討されている。

昭和43年に万博輸送に備えて御堂筋線に投入された車両で、谷町線の30系には20系に受け継がれている紫ラインが入っている。4M2Tの6両編成を組んでいて、アルミ車体とセミステンレス車体の編成が存在する。主電動機の4基制御と8基制御の共用可能な主制御装置・全電気指令式空気ブレーキ・高周波連続誘導式ATCが採用されているのが特徴で、大日検車場八尾検車区に110両が配置されている。北大阪急行7000・8000系として投入した2両編成6本もこの30系に編入されている。

◎ 四つ橋線

 20系



 30系



谷町線のニュータイプ20系とともに最初に導入され、車体に青ラインが入り、23系と呼称される。3M2Tの5両編成を組み、5両編成13本65両が緑木検車場に在籍している。

谷町線と同様に、20系に受け継がれている青ラインが入っている。4M1Tの5両編成を組んでいて、この四つ橋線ではステンレス車体に統一され、48両が緑機車検場に在籍している。

◎ 中央線

 20系



 30系



谷町線と同様に、アルミ車体と24系と呼称されるステンレス車体に緑ラインの2タイプが存在する。現在、3M3Tの6両編成9本54両と3本18両が森之宮検車場に在籍して、近鉄東大阪線生駒まで乗り入れている。

中央線の30系は、ステンレス車体に統一された四つ橋線に対して、全編成がアルミ車体に統一されていて、20系と同じく緑のラインが入っている。森之宮車検場に37両が在籍して、4M2Tの6両編成で活躍している。

◎ 千日前線

 20系



 30系



千日前線では車内信号方式が採用されているために運転室の機器類が他線の20系とは相違点がある。ピンクラインの20系は25系とも呼称され、20系の最短編成となる2M2Tの4両編成で活躍し、森之宮車検場今里検車区に6本24両が在籍している。

四つ橋線と同様にアルミ車体編成に統一されていて、オールMの4両編成を君で36両が在籍している。

◎ 堺筋線

 60系



 66系



堺筋線は阪急千里・京都線を相互入れする関係で、架空線1500V集電方式となっている。当初の5両編成から4M2Tの6両編成に増強されて、現在72両が東吹田検車場に在籍し、半球北千里・河原町まで乗り入れている。

平成2年に投入されたVVVFインバータ制御式車両で、車体は茶帯のステンレス製で、60系とは異なり4M4Tの8両編成を組み、現在8本64両が東吹田検車場に在籍している。

◎ 鶴見緑地線

 70系



リニアモータ方式の車両を採用しているが、磁気浮上式ではなく、扁平な形状をした三相リニア誘導方式のモーターを搭載する。15m級の小型車両はアルミ製で、集電方式は架空線1500Vで、制御方式はVVVFインバータ方式を採用し、オールMの4両編成を組んでいる。

参考資料で「鉄道ファン」1994年1月号を使用していますので、今現在と異なる場合があります。
下記に大阪地下鉄の路線案内を載せておきます。





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