カンボジア ノーザンエクスペディション

その4 カンボジアの生活を体感


12月28日 コンポンチャム(Kompong Cham)→クラティエ(Kratie)
130km(ダート125km)
 目が覚めたので時間を確認するとまだ5時。もう一度眠りにはいるが、次に目が覚めるとまだ6時だった。ツーリングに出るとなんか起きるのが早いなあ・・・。あまり深く眠れていないのだろうか?そろそろ夜明けが近いのか空が明るくなってきているのでもう寝るのはやめて写真を撮りに行こう。(6時15分)窓から写真が撮れれば一番いいんだが、ここからだと電線とかがじゃまになってしまうのでしょうがない。
 昨日ボートに乗った辺りの川縁まで行って写真撮影。こんな朝早いんだが、すでに川に漁に出ている船が数隻。残念ながら地平線には雲がかかっているので本当の日の出は見えないが、まあいいや。これはこれでいい感じだし・・・。ふとホテルの方を見ると佐々木さんの泊まっている部屋の窓が開いている。どうやらあそこから写真を撮っているようだ。やはり考える事は一緒だな。
 写真も撮って満足したところで部屋に戻るとホテルの従業員がドアをノックしている。
もしかしてこれがモーニングコールか?そういえば部屋には電話がなかったような気がするなあ。かんさんはすでに起きていたようで出発準備をしていた。自分も荷物の整理をして服を着替える。アンダーウェアはすでに乾いているのでいいんだが、ジャケットやモトパンがかなり汚いのでちょっと着るのに抵抗があるが仕方がない。(T^T) 準備が完了したところでバイクの所へ。(7時)
 荷物のパッキングをしていると他のメンバーもやってきた。なんか自分のバイクのエンジンがかからないようでナットがあちこちさわっている。どうやらかぶり気味になっていたらしく、プラグが真っ黒になっていたようだ。ちょっとアイドリングを下げた方がいいのかもしれないが、しばらく走っているとアイドリングが高くなるんだよなあ・・・。(T^T)
 準備が出来たのでいざ出発!と思ったら今度はうしおださんのバイクのエンジンが止まってしまった。(T^T) 何回かセルを回しているとバッテリーまであがってしまう。「これはみんなで押さないといけないかなあ」と思っているとなんかナットがうしおださんのバイクの横に自分のバイクを寄せてきた。
うしおださんに代わってシャントゥンがバイク乗り、どうするんだと思ったらナットが足を伸ばしてバイクを押していく。うーむ、なんか恐い。(^_^;; うまくエンジンがかかったようで、あらためて出発となる。(7時15分)
 まずは朝食をとるため、町中へと入っていく。大きな通りに入るが、「なんかおかしいなあ?」と思ったら
完全に逆走しているではないか。(幅5mくらいの中央分離帯で分けられているのに反対車線に入っている)目的の店が見つかったのか、そのまま中央分離帯の横にバイクを止めるようだ。うーむ、路肩ではなく道の真ん中に止めるとは・・・。道路を渡って近くの食堂・HAO ANレストランへ。中に入っていくとさすがに目立つのかみんなこっちを見ているが、もう気にしないでおこう。(^_^;;
 佐々木さんが、「みんなお腹は大丈夫?」と聞いてきたのでどうしたのかと思ったらどうやら下痢になってしまったらしい。(T^T) 自分を含めて他の人は問題ないようなんだが、何が原因だろう?自分はヌードルwithビーフ、他のメンバーも各々麺類を頼んだが、佐々木さんは紅茶だけですませるようだ。あとは持ってきているエネルゲンとかで栄養をとるつもりらしい。シャントゥンはしきりに何か食べるように勧めているんだが、こんな時には食べてもダメだろう・・・。もちろんなにか栄養はとらないとまずいんだろうけどね。
 しばらくして佐々木さんの注文した紅茶が運ばれてきたが・・・なんだあれ?
小さな皿の上にお湯とお茶の葉がたっぷり入ったコップが逆さまに乗っている。もちろんコップを持ち上げたらお湯がこぼれるのは間違いないだろう。どうやって飲むのかとシャントゥン達に聞くと、そのまま飲むように言われ、コップを少し開けながら強引に皿をすするように飲む佐々木さん。ほんとにこうやって飲むのか?(?_?) さすがにこれだと埒あかないので強引にひっくり返していた。ネタ的には面白いんだけど、ホントに飲みたい場合ははっきり言って鬱陶しいだけだろうなあ。(^_^;;
 運ばれてきたヌードルは今まで食べたものと代わり映えはしないが、まあまずいわけではないのでいいや。一緒に運ばれてきた揚げパンとその付け合わせの肉スープはおいしい。
 ヌードルを食べ終わって自分とかんさんも紅茶を注文。しばらくすると同じような皿の上にコップの乗った紅茶が運ばれてきた。かんさんはさっそく皿をすするように飲み始めるが、それを見た店員がなにやらいいながらやって来た。もう一つのコップを用意して皿とコップの隙間からハッパが出ないようにうまくお茶を注いでいく。どうやら最初に運ばれてきたのは急須代わりのようだ。なるほどね。本当の飲み方はどっちなのかは知らないが、これでも納得である。佐々木さんもいったん元の形に戻してから別のコップに注いで貰っていた。お腹も満足したところでバイクの所に戻る。
 ミネラルウォーターにポカリの粉を入れているとアミンとナットがなにやら袋を運んできた。どうやら今日の昼食用の弁当らしい。え?これって自分で運ぶの?(@_@) うーむ、どうやってパッキングしよう。鞄の中に入れると汁がこぼれてきそうだし、ひもで止めようとすると弁当が崩壊してしまいそうだ。悩んでいるとナットがやってきて弁当を運んでくれるみたいだ。よかったよかった。しかし、昼食が弁当なら最初に言ってくれていればいいのになあ。みんなの準備が出来たところで出発。(8時15分)
 ここから少し走ったところのガソリンスタンドで給油してから本格的なツーリングのスタート。橋を渡って川の東側に行くと思ったんだが、このまま川の西側を走っていくらしい。「この先道はつながっているのか?」というような所を進んでいくと、ちょっと道が広くなって小さな集落が見えてきた。ここでシャントゥンがルートの確認をしてから先に進む。
 周りには畑が広がっており、昨日と同じく高床式の家がちらほら見える。しかし、昨日と違って道がでこぼこになっていてちょっと走りにくいところがちらほら。雨期の時に走った車が轍を作ったんだろうか?座っているとおしりが痛いのでスタンディングで走っていく方が楽だ。この先で走行写真の撮影会をしてから(12km)更に先へ。ここから更に10kmほど走ったところの道路脇の小さなお店で休憩。(9時15分・22km)
 バイクを道路脇に止めて休憩しようとすると、佐々木さんが「だれか後ろからやってくる馬車と併走してくれない」と言ってきた。どうやら途中で追い抜いた馬車と一緒に走っている写真を撮りたいようだ。うしおださんが「自分が行きます」と準備を始めるが、
こんな時に限ってエンジンがかからない。(T^T) そうこうしているうちにみるみる馬車が迫ってきてうしおださんが馬車の隣に着いた時にはすでに通り過ぎる寸前となってしまい、うまく撮れなかったようだ。(T^T) 馬車に乗っていた人も何事かと思ったのか近くで止まっていたので佐々木さんとアミンが交渉へ。どうやらお願いが通じたようで、いったん戻ってくれるようだ。バイクはもう一台あった方がいいというので自分も一緒に走る事にした。馬車のペースにあわせて一緒に併走して撮影は無事に終了。撮影した写真を見せて貰ったが、なかなかいい雰囲気だ。(^o^)
 写真撮影も無事に完了して休憩に入る。この店も女性が一人でやっているところで、ジュースを売っている。なにやら変な機械があると思ったらこれはサトウキビを絞るものみたいだ。ハンドルを回してサトウキビをローラーで挟んで汁を搾り出すと管を通って横の貯蔵スペースにたまるようになっている。一緒にライムも搾って味を付けているようだ。シャントゥンやナットはハンドルを回すのを手伝っている。自分たちはその様子を撮影。これはレポート的にも抑えておきたい写真だ。
 もちろんこのサトウキビジュースを出してくれたんだが・・・飲み物はともかく一緒に入っている氷がちょっと恐い。(T^T) 大丈夫かなあ?氷は間違いなく普通の水を凍らせたものだろうしねえ。とりあえずちょっと味見をしてみると、ライムが入っているせいかそれほどべたべたした甘さはない。水分の補給はしたいところだが、それはポカリスウェットで行う事にして、こっちは味わう程度だけにしておいた方が無難だろう。他の人も氷が気になったようでほとんど手を付けていない。佐々木さんに至ってはこれ以上お腹の調子を悪化させるわけにもいかないので手も付けていない。(^_^;;
 近くの店でなにやらカラフルな色のジュースを売っているので何かと思ったらこれはガソリンだった。ジュースのペットボトルは単なる入れ物で使っているだけみたい。
 ここで30分程休憩してから出発し、その先の山の上に登っていく。ここはバイクで入ってもいいのかというような境内を進んでいき、メコン川が眼下に見える高台の上にバイクを止める。(10時・24km)
 この寺は6〜8世紀頃に建てられたお寺で、その時代、カンボジアは二つの国に別れていたようだ。シャントゥンの説明を受けながら遺跡の中を練り歩く。昨日見たお寺のように古い遺跡と新しい建物が混在しているのが何とも変な感じだ。この途中にあった四角い岩のところでなにやら説明を始めた。「ここはヒンズー教で『リンガー』が祀られていた」と説明を受けるが、リンガーってなに?(?_?) 他のメンバーに聞いて「男性器」ということが分かる。確かに昔から力などの象徴として祀られることはあるよなあ。(エジプトでもそうだったしね)カンボジアのヒンズーの寺のほとんどにはあったものらしい。
 少し休憩をしていくようなので境内にあるお店へ向かう。うしおださん曰く、
「シャントゥンたちが休憩する場所はいつも若い女性がいるところだ。」たしかにそういわれてみればそんな感じがするなあ。店員をみて店を決めているのかな?ここでも何件も店がある中、休憩場所に選んだのは若い女性がいる店だった。(^_^;; この解析結果は正しいようだ。
 みんなが休憩している間に一人で境内をうろつく。眼下にはメコン川が広がっていてなかなかいい感じだ。先ほどバイクを止めたところからメコン川の川岸まで降りる参道があったのでちょっと降りてみることにする。階段の両脇にはナーガの像があるんだが、日本で竜の胴体が塀の上にずっと続いているようにここではナーガの蛇の胴体が塀の上に続いている。なんか下の方がかなりがたがたになっているんだが、これは地震でも起きたのか?それともメコン川の増水によって壊れてしまったのか?しかしそのままほったらかしというのはどうなんだろう。降りる時はそんなに問題なかったんだが、登りはかなりハードだ。(T^T) へろへろになりながらバイクの所に戻るとちょうどみんなもやってきてすぐに出発となる。(10時半)
 ここから山の反対側に続く道を下って川沿いの道に戻り更に北上。少し走ったところでなかなかいい感じの橋を発見。これはいいなあと橋を渡ったところでバイクを止めて後続のバイクの写真を撮ろうと思ったんだが、カメラの準備が間に合わなかった。佐々木さんもバイクを止めて写真を撮るようなのであとからやって来たムニンとナットにいったん戻ってからもう一度渡ってきて貰う事にする。うーむ、いかにもこっちの橋と言った感じでなかなかいい感じ。(^o^) この先にも同じような橋があるとは思うけど、撮れる時に撮っておかないとね。
 このあたりから道路が砂地になってきて走りにくくなってきた。気を抜くとタイヤをとられてしまいそう。ところどころワラが敷かれているんだが、これはスタック防止?(?_?) たしかにワラが敷かれているところは走りやすいんだが、そのワラも粉々になってもとの砂地に戻っているところもある。これまた30分くらい走ったところで休憩。(11時・33km)なんか休憩回数が多いなあ・・・。(^_^;;
 店先には竹の筒みたいなものが並べられており、ここに座っているおばさんがナタで竹の皮をむいている。シャントゥンがその竹の筒を指して「これは何か分かりますか?」と聞いてきた。うーむ、なんだろう?直径は3cm位で長さが50cmくらいの筒で、上下はなんか焦げたような跡が付いている。「たばこ?」とか「たいまつ?」とか色々な意見が出たが、正解には至らない。と、おもむろに筒の先端に詰められた蓋みたいなものをはずして皮をむき始めると、中からご飯のようなものが出てきた。これはクロランという食べ物でココナッツ、豆、ご飯を竹に入れて焼いた物で携帯弁当のような感じらしい。早速一口食べてみると赤飯のような味でなかなかおいしい。竹の中に食材を詰めてからそのまま火にかけて焼いた後、皮をぎりぎりまで薄くむいたものがこれのようだ。ぎりぎりまで皮をむいているので残りの皮は手で簡単にむくことが出来る。大きさも細い物から太い物まであり、大きなものは直径5cmくらいある。
 小さな町を抜けて走っていくと、徐々に道幅が狭くなってきた。ワダチも深くなって、道路が半分落ち込んでいるような所もある。(T^T) こんな所でバランスを崩したら洒落にならないぞ・・・と慎重に道を選びながら進んでいく。ツーレポのネタにこの辺りを走っている写真が欲しいところだが・・・。しかしこんな道路だとどう考えても車は通れないよなあ、どうするんだろう?
 細い道を注意しながら進んでいくと、なんか急に大きな道に合流。道路脇にバイクを止めていたので自分も止めて話しを聞くと、昨年通った時は今走ってきたような道路がずっと続いていたらしいんだが、新しい道が出来てしまっているようだ。うーむ、ちょっと残念。あともうしばらく走ったところのゴム園で昼食となるらしい。
 森の中に伸びる新しい道を走っていくと、途中から森も開けてかなりフラットな広い道に出る。さすがに道もいいのでペースが速くなってきた。しばらく走っていくと、ゴム農園の中に入ってきたようで、木の下の方に樹液の受け皿の付いた木が見えてきた。これがゴムの木のようだ。その先から脇道に入り、ちょっと広くなったところで休憩。(11時45分・47km)ここで昼食を食べていくようである。
 そのすぐ近くで子供がゴムの回収をしていたので見学。長い棒の先に彫刻刀のような物が付いており、それを使って木の幹に傷を付けている。そこからひもを通して下の袋まで樹液を誘導していた。ゴムというイメージがあったので樹液もかなり堅いのかと思っていたんだが、そうでもないみたいだ。木の幹には順番に彫刻刀で削られていっているようで、下の方から綺麗に彫刻刀の溝の跡が残っていた。しかし天然ゴムっていうのは今でも需要があるのかなあ?最近はほとんど石油からのゴムになっているよう思うんだが・・・。
 ナットから朝預けた弁当を貰ってからみんな思い思いに座って昼食となる。弁当はご飯に鳥の焼いたもの。味はまあ普通といった感じでお腹も満足。佐々木さんは相変わらずお腹の調子が悪いみたいで、少しだけ食べて先ほどの子供にあげたようだ。まあ、食べたら全て出てしまいそうだしね。
 ご飯も食べてからしばらくここで休憩。なにやらムニンとナットが携帯のメールを身ながら大笑いしている。
話を聞くとメールを送った女性(昨日知り合った人かな?)から「I Have a boyfriend」というメールを受け取ったらしい。(^_^;; ようはふられたということなんだが、地元にちゃんと彼女がいるんだろう?なんか話のネタがかなり下ネタになってきたのは慣れてきたせいだろうか?かんさんは走り足りないのか、ゴム園の中を走りに行ってしまった。結局ここでも1時間程休憩して出発。(12時45分)
 道路脇の森林は一部黒く焼けてしまっているが、これは焼き畑なのだろうか?それとも単に山火事?焼き畑にしてはなんか変な感じなんだが・・・。その先で坂を下りていくと、眼下に地平線まで続く森林が広がっていた。おお〜〜いい感じ!日本ではこんな景色は中々無いぞ。ここからまたでこぼこの道になってきた。まあ、こける事はないんだが、気を抜くと危ない。しばらくするとその先の小学校の前でみんなが止まっていた。(13時15分・56km)もう休憩を取るのか?
 ちょうど休憩時間なのかかなりの生徒が校庭に出ており、柵の向こうから変わった格好の異邦人を珍しそうに見ている。まあ、それはそうだろうなあ・・・。(^_^;; しかししばらくすると先生からの呼び出しがかかり、みんな一気に教室に戻っていった。他にも学校に行っていない子供達が遠巻きにこっちを見ている。かんさんは子供達を呼んで持ってきていたボールペンのプレゼント。「さっきの生徒に渡したら良かったかなあ?」って絶対量が足りないぞ・・・。
 ここからしばらく同じような風景だったんだが、道が徐々に川の方に近づいていく。川岸に出ると眺めがいいんだが、すぐ横は崖になっていてちょっと恐い。(T^T) しかも所々砂地になっているので、ここでタイヤをとられたらメコン川に転落だ。こけるにしても左の方にこけるようにしないと・・・。(^_^;; 
「うわっ!道がないぞ!」と思ったら左の方に道が延びていた。こわいこわい、このまままっすぐ進んでいたら川へまっしぐらの崖になっている。(^_^;; 夜はとてもではないがこわくて通れないぞ。「崖の下からバイクが走っている写真とかが撮れればいいんだけどなあ・・・」と思ってバイクを止めるが、カメラの準備が出来る前に後ろに追いつかれてしまう。うーむ、残念。
 途中、写真を撮れないかとか考えながら走っていたせいか、前のグループに完全に置いていかれてしまった。佐々木さん、自分、ムニン、ナットと佐々木さんを先頭に走っていくが、どんどん道が狭くなってくる。「この道であっているのか?」と不安になるが、佐々木さんがどんどん進んでいくし、ムニン達も素直についてくるので大丈夫なのかな?(?_?)
 更に道は狭くなり、なんか民家の庭先の方につながっている。
ここって道路なのか?それとも民家の庭なのか?民家の間に伸びる細い道を抜けようとすると牛に道をふさがれそうになるし・・・。(T^T) その先でやっと大きな通りに出る。こんな道に入るような分かれ道とか途中にあったかなあ?まあ、無事に道路に復帰できたから良しとしよう。
 道路を左に曲がり、その先でムニンが地元の人に聞いてみると、どうやらまだバイクはやって来ていないらしい。自分たちが別の道を走っている途中で止まっているのかな?ムニンが来た道を引き返していくと、すぐにみんなが戻ってきた。どうやら先ほど通りに出たところで右に曲がっていたらしい。ということは、自分たちが通ってきた道であっていたのか?そこから少し走ってからまたもや休憩となる。(14時15分・68km)この店も
女性がやっているところで、やはりうしおださんの解析は正しいようだ。(^_^;;
 ここでも同じようにサトウキビのジュースが出てきたが、みんな覚悟を決めて飲んでいるようだ。自分も飲む事にしたが、さすがに氷はまずいだろうと思い、氷の浸かっているぎりぎりの辺りでやめておく。うしおださんは全部飲みきってしまったようだ。明日誰か頻繁にトイレに行く羽目になるかもしれない。(^_^;;
 しばらくすると友人という女の子がもう一人やって来て、
親父の心をわしづかみと言う状況。学生時代の同級生で現在21歳らしい。18歳くらいと思ったんだが、なんかかなり若く見えるなあ・・・。(英語はしゃべれないようなのでもちろん通訳してもらっている)なんやかんやいいながらここでも30分程休憩してしまった。(14時45分)なんか今日は走っている時間よりも休憩している時間の方が長い。しかしみんな「ここの休憩は十分満足いく内容だ」とかなり満足顔である。(^_^;;
 しばらくは順調に走っていたんだが、なにやら急に人混みが。どうも橋が流されたのか壊れたのか無くなってしまっているようなので、工事用の迂回ルートへと進む。道路に戻るとここからは両脇に家があるという見慣れてきた風景になる。30分ほどするとシャントゥンが道路の真ん中にバイクを止めて道路脇に自分たちを誘導している。どうやら休憩のようだ。(15時半・96km)バイクを止めた所の建物は床屋みたいで中では髪を切っているお客さんが一人。店の前にこんなにバイクを止めても大丈夫なのか?(?_?)
 徐々に人が増えてきてしばらくすると30人くらいに周りを囲まれている状態。やはり観光客が珍しいのだろうか?中には金髪の子供がいるんだが、これはヨーロッパの血が混じっているのかな?近くに赤ん坊を抱いた子供がいたので近づいてみると・・・泣かれてしまった。(T^T) もう近づかないよ・・・。そろそろ水の在庫が少なくなってきたので近くのお店で購入。一本1000リエルだ。「そろそろ出発かなあ?」と思ったが、シャントゥンがなにやら演説を始めてしまったので予想以上に長い休憩となった。(かんさんの情報によると木の乱伐をしないように外国から補助金が出ているのだが、フン・センが独占して村に回さないので、しかたなく伐採を続けざるを得ないというような話だったらしい)(16時15分)
 いつもは後ろの方を走っていたんだが、ここからはシャントゥン、うえのさんに続いて三番手を走っていく。砂煙がひどいので車間を開けていると前の二人の姿は見えなくなってしまった。民家はとぎれることなく続いており(ほんとにずっと民家があるので不思議な感じ)、道路には鶏やガチョウ、犬や豚などが自分の行く手を妨害する。ガチョウは歩く速度が遅いのでかなり恐い。(T^T) ふと気が付くと、前も後ろもバイクが全く見えなくなってしまい、「ホントに道はあっているんだろうか?じつは途中に分かれ道があったとか・・・」と不安になる。でも分かれ道は絶対なかったよなあ・・・と走っていると前方で二人を発見。よかったよかった、道はあっていたようだ。(^o^)(16時30分)ここからもう少し行ったところで対岸に渡る船に乗るらしい。川を渡るとすぐに町なので、日が暮れる前にホテルに到着は出来そうだ。
 なかなか後続がやってこないので「どうしたんだろう?」と思っていると5分くらいでみんながやってきた。どうやらかんさんのバイクのワイヤーが切れてしまったようだ。「うーむ、ワイヤーを交換していたら日が暮れてしまいそうだなあ?」と思ったんだが、ナットは
3分で交換するから時間を計ってくれ」といって修理にかかる。ワイヤーは片側にしか留め金がなく、クラッチレバーの方からワイヤーを通して反対側をボルトで留めて出来上がり。はやい!よかったよかった、これなら日暮れに間に合いそうだ。
 同じような道を走っていると、途中で鶏が右後方から体当たりしてきた。後ろから来られるとさすがによけられないぞ。そのまま跳ね返って行ったが、はたしてどうなったんだろうか?途中から辺りは畑が広がってきて、水牛の姿がちらほら。南の方は普通の牛ばっかりだったんだが、こっちは水牛が一般的なのかな?
 前のバイクが脇道に入っていったので自分もそれに続いて脇道へ。その入口には看板が立っていたんだが、もちろん読めるわけがない。おそらく「船着き場」とでも書かれているんだろう。ちょうど死角になっているので、気が付かないでまっすぐ行ったらまずいと思って佐々木さんが曲がってくるのを待ってから川岸へと降りていく。ムニンとナットは恐らく大丈夫だろう。
 川岸に降りるとすでに船(幅3m、長さ10mくらい)は
岸から30mくらい離れていた。(T^T) 「まじで?また戻ってくるのを待たないといけないのか?」と思ったが、どうやら呼び戻しているらしい。いやー、よかったよかった。(^o^) しかし戻ってくるとか日本じゃ考えられないねえ。(17時・119km)
 船は戻ってきてくれるようなのでほっとしたんだが、何故か佐々木さん達が降りてこない。(?_?) おかしいなあ・・・。まさかムニンとナットはあのまままっすぐ行ってしまったのか?シャントゥンは何事か船頭に話しをしてから引き返していった。それはいいけど、俺たちはどうすればいいんだ?(-_-) とりあえずバイクを船に乗せて4人が戻ってくるのを待つしかない。バイクは頭から突っ込んだんだが、降りるときのことを考えてバイクを回転させている。最初から行ってくれればバックで積んでいたのにねえ。
 お客が自分たちだけだったらいいんだが、他にもお客がいるのでなんか居心地が悪い。かんさんは船を下りて川縁で待っているし、うえのさんはなんか普通の乗客のようにいすに座ってくつろいでいる。うしおださんは所在なさげに船のへりに座っている。「なんかちょっと居心地悪いねえ」とかんさんに話しかけると「気にしなくていいんじゃない?」と特に気にしていないようだ。(^_^;; する事もないので坂を登って上に行ったりきたり。結局15分くらいしてやっと4人が戻ってきた。
 戻って来るなり笑いながらなにやら言い合っている。何があったんだろう?バイクは頭から突っ込んでいたので狭いところで強引にバイクを回して正面に向ける。さらにもう一台バイクがやってきたので船は一杯状態。準備が出来たところで岸を離れて出発。結局30分以上も待たせてしまう事になってしまった。
 話を聞くと、
やはりムニンとナットの二人が看板や佐々木さんに気が付かずにそのまま通り過ぎてしまったようだ。佐々木さんが追いかけてなんとかナットには気が付いて貰ったが、ムニンは気が付かないままかなりの距離を走ったようだ。クラクションをあおっているとでも思ったんだろうか?(?_?) 「現地の人なんだから看板くらい気が付けよなあ」とは思うが、まあとりあえず無事にやってきたから良しとしよう。
 15分くらい船にゆられている間に日は暮れてしまって暗くなってきた。もう少し早かったら対岸からのいい眺めが見れたかもしれないんだけど、まあ仕方がないか。ちなみに船代は全員でバイクも含めて18000リエルだったらしい。バイク一台50円くらいなのか・・・。
 さすがに日は落ちてしまったが、まだ明るいのでヘッドライトはなくても大丈夫。町の方に向かっていくとダートから舗装路へ。やはり舗装路は土埃がたたなくていいねえ。5kmくらい走ってから今日の宿泊地・HENG HENG(ラッキーラッキーという意味らしい) HOTELUに到着。(17時45分・124km)
 今日はうえのさんと同室なんだが、部屋のタイプが二つあるようだ。部屋は1階と2階になるようなんだが、どっちがいいのかも分からないので勝った方が2階の部屋に行く事にしよう。自分とかんさんがじゃんけんして勝った自分たちが2階の部屋へ。部屋は今までと同じような感じなんだが、天井に扇風機まで付いている。(1階の部屋はちょっとランクが低かったようだ)近くのベランダからの眺めもなかなかいい。日が沈む前に来ていたらここからの眺めも良かったかもしれないなあ。ホテルの目の前には屋台みたいな店が軒を並べており、かなり人が賑わっていた。
 まずは風呂に入ってさっぱりしてから洗濯。今日はアンダーウェアだけではなくモトパンも洗う事にした。エアコンを効かせておけば乾くだろう。ほんとはジャケットも洗いたいんだが、さすがにこれはちょっと難しそうなのであきらめる。荷物の整理も完了してやっと一段落。部屋でくつろいでから19時にバイクの所へ。迎えにやってきているのはムニンだけである。夕食はここから
1.5kmくらいのところなのでメットはいらないという事だったのでメットは持ってきていない。すでに辺りは真っ暗・・・。
 ムニンに先導されて走っていくが、なかなか到着しない。そう思っていると
途中からダートになるし・・・。(T^T) なんだよ、これならメットかぶってきた方が良かったやんけ。これで車が来たら最悪だなあ・・・と思っていたら対向から車がやってきてしまった。かなりのスピードを出しているせいか砂埃がすごい・・・。(T^T) コンタクトをはずして眼鏡にしてきて良かった。(ちなみに佐々木さんはコンタクトのうえ、サンダルという格好でかなりつらかったらしい(T^T))
 結局3kmくらい走ったところでお店に到着。バイクは店の中まで入れていいようなんだが、ホントにいいのか?なんでバイクをこんな所まで入れてもいいのかと思ったら、このお店はシャントゥンの妹が経営しているお店だった。どおりで・・・。(^_^;; 夜は営業を行っていないのかお客は自分たちだけである。というか、町の人間はここまで夕食にやってこないだろうなあ。早速奥のテーブルについて夕食となる。
 まずはビールで乾杯となるが、ビールのコップに氷を入れるのはやめてくれ。こっちでは普通のスタイルらしいんだが、ナットも氷を入れるのはキライらしい。自分たちの場合は氷を入れると言う行為よりもその氷自体が気になるんだけどね。(^_^;; このお店は肉の料理がメインらしく、豚のスペアリブ、魚の煮付け、スープなどが運ばれてきた。
 なにやらちょっと着飾った女性とおじさんがいるなあと思ったら、妹が知り合いの歌手(?)を呼んでいたらしい。テレビなどではなく、結婚式などで歌っている人ということだが詳細は不明。さっそくおじさんの弾く楽器に合わせて女性が歌い出すが、もちろん歌の内容なんて分からない。ムニンの解説を聞くと、母に勧められた人とは結婚したくないけど結婚しなくてはならないというものや、マッカラァ(一月と言う意味で、それが転じて成功という意味)という歌ということなんだが、こんな曲を結婚式で歌うのか?
 楽器を見せて貰うと、二本の弦の間に弓をいれてバイオリンみたいに弾くものなんだが、音階が難しい。しかも弦の間に弓を入れているので常に音が出てしまうんだよなあ・・・。このあと数曲披露して貰ってから一緒に写真を撮って演奏は終了。
 このあと焼き肉(最初は肉の刺身=ユッケかと思った)やトムヤンクンなどが運ばれてくるが、なんか眠い・・・。と、ちょっと眠っていた。(-_-zzz いかん、いかん、どうも疲れが出てきているようだ。明日の予定を聞いてから夕食は終了。なんかあまり食事が進まなかったなあ。体調が悪くなってきているのかもしれない。
 この店の隣が妹の家らしいので中を拝見させて貰う。結構由緒のある家なのか、周りの家に比べると、どう考えても数ランク上の造りになっている。入口の前が8畳くらいの広さのタイル張りになっているんだが、どうやらここから靴を脱いではいるようだ。そこから建物の中にはいると12畳くらいのロビーになっていた。中には大きなキティーちゃんのぬいぐるみが置いているが、なんかちょっと違う。どうやらバッタもののようだ。(^_^;; ムニンとナット(ナットはタンデムで乗っていく)に先導して貰ってホテルへ。(21時・130km)
 いったんこれまでの飲み代やチップの精算をしようという事になり、2階のベランダに集合。3回分の飲み代とチップなんだが、全部で13ドルとかなり安い。なんだまだそんなものだったのか。
 まだ半分も行程が終わっていないのに帰る時の話しなどになってしまうのは、なんだかなあ・・・。(^_^;; しかし今回のツアーはやはり今まで行った海外ツーリングと違う楽しさがある。これは他のメンバーも同じ意見みたいである。自分も今まで行ったのは広大な自然を体感しに行っていたような感じなんだが、今回は人とのふれあいを体験しに来たような感じだ。22時に消灯となったのでここで解散。
 部屋に戻ると扇風機があったせいか洗濯物はあらかた乾いていた。これだったらジャケットでも乾いていたかもしれないなあ。少し話しをしてから就寝。(22時半)
 01 カンボジアの日の出 ホテルの前の川岸から撮影
 02 ホテルの前にて
 03 出発準備完了
 04 お茶をすする佐々木さん こんな飲み方であっているの?
 05 ダートを走行中
 06 牛車と併走(提供:佐々木さん)
 07 お店の女性と手伝うシャントゥン
 08 山の上からメコン川を望む
 09 参道の階段 かなり大変です
 10 橋を渡るムニンとナット
 11 たばこ?たいまつ? 正解は弁当でした
 12 ポカリスウェットはおいしいなあ・・・(提供:佐々木さん)
 13 幹からしみ出してくる天然ゴム
 14 ゴムの採集風景
 15 山を下っていく(提供:佐々木さん)
 16 ボールペンのプレゼント
 17 こんな所から落ちたら最悪だ
 18 一気に駆け抜ける(提供:佐々木さん)
 19 お店の女性二人
 20 床屋の前で休憩中
 21 やっと出発だ
 22 後続が追いついてきた 菅さんはクラッチワイヤーきれ
 23 大急ぎで修理するナット
 24 もうすでに渡し船は行ってしまった
 25 やっと4人がやって来て出発
 26 川で泳ぐ子供達
 27 上陸!(提供:佐々木さん)
 28 夕食風景
 29 演奏に合わせて熱唱
 30 二人と記念撮影
 31 妹さんの家の入り口でくつろぎモード