カンボジア ノーザンエクスペディション

その3 ついにカンボジアの大地を走行


12月27日 プノンペン(Phnom Penm)→コンポンチャム(Kompong Cham)
117km(ダート59km)
 4時頃になって目が覚めるが、まだ時間は早い。なんかちょっと暑いのは気のせいだろうか?まあ、まだ耐えられるから良しとしよう。5時50分にうしおださんのアラームが鳴ったところで本格的に準備にかかる。なんでエアコンが効いていないのかと思ったら、夕べの瞬停でエアコンのスイッチが切れていたようだ。(T^T)
 モトパンとブーツを履いて、荷物を整理するが、やはり小さい方のバッグには荷物は入らないので70Lの方のバッグに入れていくしかないようだ。まあキャリアもあるようなのでなんとか乗せる事が出来るだろう。シェムリアップでの普段着、セーターなどいらないものを分けるとほとんど量が無くて、ほとんど持って行く事になってしまった。(^_^;; まあしょうがないね。準備が出来たところでフロントへ。(6時半)ちなみに今回モトパンにオフブーツを履いているのは自分だけで他はみんなライディングブーツである。(しかしその後でこの格好がその後大いに役立つ時がやってきた)
 佐々木さんの支払いが終わったところで表のトゥクトゥク(バイクの後ろに荷台が付いている乗り物)に荷物の積み込み。シャントゥンとムニンはバイクでやって来ており、もう一台トゥクトゥクがやって来ているが、5人乗るのはつらそうだ。一人はシャントゥンの後ろに乗っていくようなので今度は自分が乗っていく事にする。ちょっと恐いが、メットはかぶらなくてもいいと言う事なのでノーヘルだ。
 昨日見た王宮などの説明を受けながら町の中を進んでいく。途中の交差点はやはり信号がなく、お互いに相手の動きを見ながら離合していくんだが、やはりちょっと恐い。自分で運転していないせいだろうか?細い道へと入っていき、バイクが数台止まっているお店の前に到着。ここはシャントゥンの奥さんが営業しているレストランらしい。
 「今回乗る事になるバイクがこれか。」と並んでいるバイクを見てみると、BAJAとDegreeだけではなくXRもある。今回はBAJAでお願いしていたが、XRの方がいいかなあ?さっそくみんなバイクのチェックに入っている。タイヤなどはちゃんと交換していて程度はまあまあと言った感じか?メーターなどが最初から付いていないものもあるが、付いているのも動くかが問題である。こればっかりは走り出さないと分からないからなあ・・・。
 店に入るとまずクロマーと言われる青と白のチェックのスカーフをプレゼントされる。(この時は何に使うんだ?と思っていたんだが、このあとむちゃくちゃ役に立つ事になる)朝食はここで取るようなのでみんな適当に注文。かんさんは焼きうどん、他はみんなチャーハンを注文。チャーハンに入れるのはビーフ、ポーク、チキンのどれと聞かれる。中に入る肉を選べるのか。日本では普通入っているモノは決まっているんだけどねえ。ヒンズー教やイスラム教などの人種が色々いるせいだろうか?
 ここで今回のメカニックを担当するナットを紹介される。彼は23歳と今回のメンバーの中で一番若い。今回のスタッフはこのナットを含めて3名となっている。
 カンボジアとプノンペンの地図を広げて現在地とこれからの状況の説明を受ける。この街は東西3km、南北5kmくらいの街で人口は100万人くらい。(首都でこの人数とはかなり少ないが、全人口が1400万人くらいらしいからこんなものか)このあと町中を抜けてルートを北にとりメコン川に沿って北上。今日は120kmくらい走ったところのコンポンチャムという街で宿泊予定らしい。かんさんと佐々木さんは地図を買いたいのでどっか帰るところに寄ってほしいとお願いしていた。
 料理が運ばれてきたところで昨年のツーリング写真をパソコンで見ながら食事を取る。やはり
地雷原の所での写真は撮りたいものだ。(^o^) かんさんが注文した焼きうどんはうどんではなくそばと言った感じ。冷たい物(特に氷)はちょっとやばいだろうという事で熱いお茶を持ってきて貰う。昨年は参加者のうち一人を除いてみんなお腹を下したそうだし、途中でバイクに乗れなかった人もいたらしいからなあ・・・。(T^T) やっぱり最初から気をつけておかないとねえ。(ちなみに今回のツアーで冷たい飲み物を飲んだのは一回くらいで、みんなかなり用心していた)
 食事を済ませて一段落したところで荷物の整理。パッキングをしたいんだが、バイクが決まらないとどうしようもないのでまずはバイクの選択を行う。佐々木さんはDegreeを選ぶようなので、残りの4人でじゃんけんをして順番に選んでいく事にしよう。
 「最初はグー、じゃんけんぽん」で、なんと自分が一番。といっても、エンジンをかけていないし、見てもどれがいいのかなんて分からない。やはりメーターが欲しいので、メーターの付いている(メーターの部品ごとないものもある)XRを選択。あとは動くかが問題なんだがこれは走ってみないと分からない。他のメンバーもそれぞれバイクを選んで今回の旅の友は決定する。
 バイクが決まったところでさっそく荷物のパッキング。荷物は大きいが、スタンドも結構しっかり(重さ3kgまでと表示が出ているが・・・)しているので問題なく積む事が出来そうだ。よかったよかった。残りの荷物はシェムリアップのホテルまで車で運ぶようなんだが、送るものは着替え上下とセーターくらいでほとんど無い。セーターがなければ全部持って行ってもいいくらいである。準備をしているとなんかケーキを焼いてくれたようなのでこれも頂く。やきたてでなかなかおいしい。(^o^)
 パッキングも完了して準備はほぼ完了。せっかくなので出発前にみんなの集合写真を撮りたいとシャントゥンに話しをするとお店に来ていた観光客にまで声を掛けている。まあいいんだけどね。(^_^;; 店の前で集合写真を撮って(いつも集合写真が少ないので撮れる時に撮っておかないと)からいよいよ出発である。(8時)うしおださんのエンジンはどうもアイドリングが安定しないようで、いきなりエンジンが止まって苦労している感じ。(T^T) 自分のはとりあえずは問題がないようなんだが、果たしてどうだろう。
 町中の方に走っていくともちろんいくつも交差点があって横断しなければならなくなる。後ろに乗っている時は結構恐かったんだが、自分で運転するとそんなに恐いと感じない。交差点ではほとんどの車やバイクがかなり速度を落とすので結構順調に抜けられるものだ。裏道の方は走っている車も少ないのである面信号がない方がスムーズなのかもしれないなあ。
 少し走ったところで市場(セントラルマーケットだと思う)の近くの歩道にバイクを止める。ここでお金の換金を行うらしい。出発前の説明ではバイクから離れる時はキーとメットを持って行くように言われていたんだが、ここはナットが荷物番で残るようなのでメットは置いていってかまわないようだ。
 マーケットは中央に大きな建物があり、その周りには数多くの屋台がひしめいている。売っているのはカンボジアの民芸品、シャツやスカーフ、時計やネックレスなど多岐にわたっている。さすがに
かなり変わった格好をした団体が歩いているせいか注目を浴びまくり。まあこんなかっこうで目立つなという方が無理だろう。(^_^;; 何人かは日本語で客引きをやっているが、特に言い寄ってくるわけではない。
 先ほど言っていたようにかんさんと佐々木さんは本屋みたいな所に行ってカンボジアの地図を見ている。結構大きな一枚の地図で結構詳しく乗っているようだ。まあ、自分たちがホームステイする村が載っているかはびみょうだろうけどね。二つ買うからと言って少し負けて貰っていたようだ。
 中央の建物の入口にはガードマンが立っていて、中には貴金属などちょっと高そうな商品が並べられていた。小さくブースが切られており、硝子ケースの中には色々とアクセサリーが並んでいる。他にもゲームを売っているコーナーもあり、PS2の本体やソフトも並んでいるが、本物かは定かではない。中国製か何かだろうか?
 ここに来たのはこれらを見る為ではなく、カンボジア通貨のリエルへの換金が目的である。米ドルからリエルに換金してくれるようだが、換金レートは1ドル=4000リエル。しかし実際の買い物はほとんど米ドルで出来るらしいのでそんなに必要はないようだが・・・いくらしよう。他のみんなは20ドルくらいしているようだ。まあ、最悪最後のお土産で使えるだろうということで40ドル換金。(実際に使うのは田舎の方で買う水くらいしかないので10ドルしておけば問題無い感じだ)
 来た道を戻って入口の所まで行くと白いバイクが止まっていた。これって白バイか?さすがにみんなライダーなのでバイクには興味があるようだ。バイクはインド産のようなのでよく分からない。せっかくなので乗っていいかと(ジェスチャーで)聞いてみるといいよと言う風に返事されたのでバイクにまたがって写真を撮ってもらう。と、なんか後ろからいきなり頭に何かかぶせられてきたと思ったらシャントゥンがポリスのヘルメットをかぶせてきたようだ。ちょっとびっくりしたが、いい写真が撮れたと満足してからバイクの所に戻って出発。(8時半)
 ここから近くのガソリンスタンドに行って給油。表示を見るとリッター0.77ドルとなっている。日本円で80円と考えるとそんなに変わらないのでこっちではかなりの高級品と言う事かなあ?このせいで車より燃費のいいバイクが多いのかもしれない。給油をしているとなにやらお金を恵んで下さいという風にみんなに近寄っている老人が一人。自分の所にもやってくるが、どういう人なのかよく分からなかったし、細かいお金もないので何もあげない。かんさんはいくらか渡していたようだ。そのあとも他の人の所に行って、一周したのかまた自分の所にやってくる。誰に声をかけたのか覚えていないのか?(-_-X 給油を完了したところで出発。(8時45分)いよいよ本格的なツーリングのスタートだ。
 郊外に出て交差点がなくなったのはいいんだが、車が猛スピードで追い抜いていくのがちょっと恐い。(T^T) (バイクは自転車扱いなので端っこを走らないといけない)抜く時にクラクションを鳴らしていくのがこっちのスタイルのようなんだが、時々いるクラクションを鳴らさない車は気が付いた時にはいきなり左にいるのでビビってしまう。こっちには免許がないせいかバイクを運転している
中学生くらいの子供や、バイクで運ばれる豚(生きたまま逆さに縛られて運ばれている)や鶏(これも生きたまま縛られているものやバイクの荷台に渡された板に足を縛られてつるされているもの)などなかなか走っていて面白い。(^_^;;
 その先で川に蓮の花、その向こうに寺院という風景が見えてきた。「うっわー、写真を撮りたいなあ」と思ったが、なんか止まり損ねてそのまま通り過ぎていく。出発前に聞いたところによると、途中で写真を撮りたいところがあれば止まってもいいと言う事なんだが、なかなか最初に止まるのはちょっと抵抗がある。(^_^;; 付近に建っている家は町中から変わって高床式のものが増えてきた。そのまま1時間程ひた走り、学校の前にある小さな出店の所で休憩。(9時45分・38km)やはり他の人も途中に走っていたバイクに目がいっていたようで、お互いにこんなのがいたよねえという話しになる。
 お店には女性(20歳くらい?)が売り子をやっており、ジュースや椰子の実を売っている。椰子の実を注文すると近くの台の上でナタを振り上げ飲み口を切り取って持ってきた。味は薄いアップルジュースと言った感じだ。ただ、量がかなり多いので一人で一つ飲むのはちょっとつらい。3つくらい切ってくれたんだが、結局半分くらいは残ってしまったんではないだろうか?
 少し休憩してから川岸に行くという事で学校の中を抜けていくようだ。今の日本では間違いなく通報されそうだけどね。(^_^;; さすがにこの格好は目立つのか教室から生徒が出てきてこっちに手を振っている。うーむ、授業中ではないのかなあ?校舎が運動場の両側に建っており、各建物に4つくらいの教室があるようだ。生徒は制服を着ているが、校庭には制服を着ていない子供達の姿も見かける。この子達は学校に入る前の子供達なのかな?校庭を抜けた先には鉄条網がしてあるんだが、その隙間を抜けて川の方へ進むと、大きなメコン川が見えてきた。
 川の畔には仏塔が建っているんだが、なんかあちこちが壊れている。どうやらメコン川の増水の時に水によって破壊されているらしい。塔の周りに設置されている蛇の像(蛇神ナーガ)も半分くらいは壊れてしまっている。近くの大きな木も半分くらい根っこがむき出しになっており、次の雨期には流されてしまいそうだ。雨期のたびにこの辺りの川岸は姿を変えてしまっているんだろう。しかし増水の時に学校は大丈夫なのだろうか?

ナーガ
インドの先住民に広く崇拝され、アーリア人の宗教にも広く取り入れられた蛇神で、その信仰が東南アジアにも広がったとされている。カンボジアの神話や伝説では畏怖される存在というよりも人間に対して友好的なものである。水と雨との結びつきが強く、海、湖水、泉、井戸などの守護神とされ、7つまたは5つの頭を持つコブラの姿や、頭部の背後に仏像の光背のようにコブラの頭を持つ人間の姿で示される。ナーガは人間の世界(地上界)と別の世界(天上界)をつなぐ虹(架け橋)とも考えられていることから参道にナーガの意匠が施されていると言われている。

 一段落したところで先ほどの鉄条網を抜けて学校の中へ。佐々木さんが教室の方に歩いていったので自分も行ってみると、教室では30人くらいの子供達が授業を受けていた。机は3人がけのもので、ノートなどはないようだ。先生から何か言われるかと思ったが、とくに問題はないようで、シャントゥンが何かしら先生と話しをしている。自分たちの事でも説明しているのだろうか?
 学校を抜けてから今度は道路の反対側にあるお寺へ。境内にはほこらみたいなものがあるんだが、これは個人のお墓らしい。まあ、金持ちだけなんだろうけどね。その奥の建物の高床の下には長さ10m位のボート(カヤックみたいなもの)が3隻並んでいた。年に一回このボートのレースが行われるらしい。高床の柱には地面から2m位の位置に水の跡が付いているので雨期にはこの辺りまで水浸しになるんだろうなあ。それでこの辺りはほとんどの建物が高床式になっているんだろう。
 バイクの所に戻ってから出発準備。このあと少し走ったところからダートになるので先ほどのスカーフで口を覆うように巻くように言われる。なるほどホコリ対策なんだ。(10時15分)
 しばらく北上していくと道が二叉に分かれており、左が舗装道路、右が砂利道になっている。(42km)どうやらここからはダートの始まりとなるようだ。しかしダートと言うよりは舗装前の道路と言った感じで舗装路と同じように走る事が出来る。なんだ、こんなものか・・・と走っていたんだが、小さな橋を越えると砂利道から土の道になって土埃が舞い上がり始めた。(T^T) 「うわー、洒落にならんぞ。こんなんくっついて走れんやんか!」と前との車間を開けるが、事前に話しをしていないのでどの程度開けていいのか分からない。ほんとは前のバイクが見えないくらいで走りたいんだが、それもまずいような気がして車間は30〜50mくらい。土埃が残っているのは仕方がない。
 道幅はあまり広くないが、車もほとんど走っていないので、事前に聞いていたような危険はあまり感じない。走っているのはバイクがほとんどで、その他馬や牛車が走っていてなかなかいい雰囲気。
時々鶏とかが道路を横切っていくのがちょっと恐いんだけどね。(^_^;; その他に寝っ転がっている犬がいるんだが、道路の真ん中で完全に横たわっているので最初は死んでいるのかと思った。なんで道路の真ん中でそこまでぐったりと寝ころんでいるんだ?
 道路脇にはとぎれることなく民家がずっと続いているのがなんか変な感じ。普通は町の固まりを過ぎると民家がいったん無くなったりするんだけどねえ。1時間くらい走っていると、前を走っていたバイクが一軒の家の前に止まっていたのでバイクを止める。(11時・64km)どうやらここで休憩していくようだ。
 バイクを降りてふと自分の服を見ると・・・真っ白。うっわー、洒落にならんくらい土埃がついている。(T^T) 簡単にはたいてみるが、かなり細かいのかほとんど落ちないのであきらめるしかない。(最初のうちはかなり気にしていたが、途中からはもう気にならなくなってしまったというより気にしてもしょうがない状態になる)
 シャントゥン達は家の階段でくつろいでいてお茶を飲んでいた。ここって知り合いなのか?なんか普通にこの家の人と会話しているようなんだが・・・。(実際は全く知らない人の家だったようで、休憩場所を借りていただけのようだ)お茶は熱いお茶なのでこれなら大丈夫だろうと自分たちも頂く。
 家の周りには大きな瓶がいくつも並んでいて中には白い物体が水に浸かっている。どうやらたくあんみたいなものらしく、漬け物の臭いが辺りに充満していた。かなりの数の瓶が並んでいるところを見るとこれは販売用に作っているのだろうか?近くには漬ける前の小さな大根みたいなものも山積みになっている。
 この辺りには電気や水道は来ていないらしく、もちろんテレビなどはないようだ。もしあってもそれは発電機で起こしているらしい。30分程休憩してから出発。
 ここからも同じような風景の中をひたすら走っていく。車間は開けていいようなんだが、ときどきシャントゥンが後ろを確認する為かペースダウンするので前に追いついてしまってちょっとつらい。しばらくすると民家が多くなって町みたいになってきた。路地の中を進んで、川の畔の広場にバイクを止める。(12時・81km)どうやらここで昼食になるらしい。
 お店は観光客が来るような所(というか観光客自体がこの辺りまではやって来そうにない)ではなく、地元の人が食べに来るようなお店で、5つくらいのテーブルが並んでいる。もちろんメニューは見ても分からないのでシャントゥン達に適当に注文して貰う。
 しばらくして出てきたのは肉と野菜の炒め物、肉と卵の煮付け、野菜のスープ、豚肉のショウガ炒め、ニガウリの肉詰め(どれも本当の名前は知らない)で、味は日本人には受け入れやすい感じの物だ。ご飯を適当にお代わりしながら適当におかずをつつく。この他に小さな唐辛子があり、数名がこの唐辛子にチャレンジ。かなり辛いようだ。自分もちょっとかじってみるが・・・
うわっ!舌が火の海になってしまった。(T^T) ここでしばらく休憩を取っていくようなのでみんな適当にくつろいでいる。
 近くに小さな子供がいたので写真を撮って画像を見せてあげるとみんながみんな近寄ってきた。ペルーでもそうだったが、まだデジカメというのがあまり普及していないんだろう。さすがにこれだけのバイクが集まるのは珍しいのか、人がかなり集まってきている。ただこっちの言葉で話しているので全く何を言っているのか分からない。なんかかなり楽しそうに話しているんだけどね。やはり全く言葉が分からないのはちょっとつらいなあ・・・。しかしこんな真っ昼間になんで大人達がこんなに集まってくるんだ?(?_?)
 ここで売っている水はなんと1000リエル(約25円)。朝ホテルでうえのさんが買った水は1ドルもしたのにねえ。いくらホテルだったとはいえ値段が4倍も違うとは・・・。
 結局1時間程ここで休憩してから出発。(13時)かなりのんびり休憩した感じだが、この暑い時間に走るのもつらいだろう。ホテルまでは後30km位と言うことなので1時間くらいで到着しそうだ。ちなみにこの時携帯電話で日本と連絡を取ったうえのさんの情報によるとタイの方で津波が起きてかなりの被害が出ているようだった。(@_@) (カンボジアはマレー半島が防波堤になったお陰で全く被害が出ていないんだが、カンボジアも同じ東南アジアなので大丈夫だったのか?と思った人が結構いたようだ。しかしこの津波がこんなに多くの被害を出したものとはこの時思いもよらなかった。まあ、情報源が少なかったしね。)
 町を出ると先ほどと同じような道路脇に高床式の家が連なっている風景が続いている。途中にはナーガのオブジェのある橋や雰囲気のいい道路があって写真を撮ろうかとも思うんだが、なんか止まり損なって先へと進んでいく。「どっか止まりたいなあ・・・」と思っていると10kmくらいでダートは終わってしまった。やっぱり止まりたい時に止まるべきだったか・・・。
 舗装路を進んでいくとコンポンチャムの街中に入ってきたようで、一気に走っている車が増えてきた。さすがに自分たちは目立つようで、町ゆく人がこっちを見ている感じだ。向こうには日本の援助で建設したという橋が見えてきた。なんかえらく高いところに作られているなあ・・・。川沿いに走っていき、橋の下をくぐった先で今日の宿泊ホテル・Mekongに到着する。(14時・105km)ホテルは川の真ん前に建っているので部屋からの眺めはとても良さそうだ。(ちなみに一泊10ドルくらいだったようだ)
 このあと近くの遺跡に観光に行くようなんだが、さすがにこの時間はかなり暑いのでちょっと休憩したいところ。他のみんなも同意見のようだ。集合時間を1時間後の15時15分と決めて部屋へ。部屋割りは昨日と変えようという事だったので、かんさんと自分が一緒の部屋となる。3階の部屋に上っていくと、廊下が広くてむちゃくちゃ違和感を感じてしまう。なんでここまで広い廊下を造る必要があるんだろう?(?_?) 幅10mくらいあるぞ。まあ、狭いよりは広い方がいいんだけど、それにしても限度があるだろうに・・・。(^_^;;
 部屋の作りは昨日のホテルと同じような感じだが、お風呂には湯船がない。浴室には便器と壁にシャワーと洗面所があるだけだ。昨日佐々木さんの部屋がこんなんだったらしいが、湯船がないというのはかなり不思議な感じ。(^_^;; こっちでは普通のスタイルなんだろうか?部屋からはメコン川が一望できて中々いい雰囲気。
 さっそく交代でお風呂にはいると、今日はお湯が出てくれたのでありがたい。いくら暑いとはいえ、真水はさすがに冷たいもんなあ。続いてアンダーシャツを洗うと・・・
茶色い水が出てきた。(@_@) うっわー、洒落にならんなあ。上に着ているジャケットはメッシュなのでまともにジャケットの中までホコリが入り込んできているようだ。アンダーシャツはもともと乾きやすい材質のものなので大丈夫だと思うんだけどね。もちろんジャケットも真っ白になっているんだが、さすがにこっちは洗うと乾かないと思うのでやめておこう。
 1時間ほどしてやっと荷物の整理も済んで一段落。写真データのバックアップをしたり日記を書いたりしているとかんさんはベッドで横になっていた。眠っているのか?時間になったところでロビーに行ってみんなと合流。(15時15分)バイクで行くけどメットはなくてもいいと言っていたんだが、やはりちょっと不安なのでメットは持って行く。
 ここから見える大きな橋は日本の援助で建設されたもので今から2年くらい前(2003年)に完成したものらしい。橋の名前はスピアン・キズナ(絆橋)というようだ。橋はここで架かっているのが最後で、ここより上流には橋がない。(これより上流は舟での移動となる)この橋を渡って100kmくらい走るとベトナムに入るみたいである。地図を見るとここから北上するルートは東岸しかないので明日は橋を渡ってから北上するのかな?
 近くにある遺跡を見に行くようなんだが、メコン川で行われている漁も見に行くらしい。漁は17時頃には終わるかもしれないので先に漁の見学に行くらしい。たしかに目の前の川には多くの小舟が出ているなあ。どんな魚が捕れるんだろう?
 桟橋に掛けられた板の上を渡って川岸の建物に移動し、ここからボートに乗るんだが・・・
ちいさ!!(@_@) これに全員乗れるのか?(?_?) 自分たちは全部で8人、ボートには4列座れるようになっているので2人ずつ座れば確かに8人なんだが、かなりきちきちだ。(^_^;; バランスを崩したら転覆しそうだし、かなり船が沈んでしまって浸水してきそうで恐い。転覆だけは勘弁してよ・・・カメラが完全ダメになるし・・・。
 という不安も何のその、かなりの速度でボートは水面を走っていく。そんなにスピード出さなくていいから慎重に運転してくれ。(というかスピードを出した方が安定するのか?)丁度網の引き上げを行っている舟に近づいていってボートを横付けする。
 舟二隻で網を揚げているんだが、ここからでは中の様子が見えない。漁をしている舟に乗り移って中を覗くと、網の中には10cmくらいの魚が一杯入っていた。何という魚なんだろう?日本だったらそのまま天ぷらにして食べたいといった感じだ。
 船に移ったはいいが、戻る時に船が揺れてちょっと恐い。落ちたらHP的にはネタになるが、自分でネタを提供はしたくないぞ。(^_^;; ちなみにこっちではこれらの魚を乾燥し、ぶつ切りにして料理に使うらしい。漁は通常は一家族で行うが、場合により数家族が協力して行う事もあるようだ。一家総出で行うようで、小さな子供から2歳ぐらいの子供(漁の加勢ではなく面倒を見る人がいないから乗せているんだろう)まで乗っている。別の船でも同じような魚が捕れているが、少し大きめの魚も捕れるみたいで、バケツの中に20〜30cmくらいの魚が数匹入っていた。
 ここから一気に加速して橋の下を抜けて反対側の岸壁に停泊している船の近くへ。どうやら中国国籍の船のようだ。シャントゥンがなにやら説明しているんだが、自分は一番前、シャントゥンは後ろの方に座っているので何を言っているのか分からない。
 引き返す途中、水上に浮いている家(?)の横を抜けていく。テレビのアンテナまで立っているのでここで生活をしているのだろうか?
船の一部には草みたいなものが生えており、うしおださんは「水上栽培をしているぞ」と言っているが、はたしてあれは雑草なのか、本当に栽培しているのか・・・。(?_?) 30分くらいして転覆する事もなく無事に岸へと戻ってきた。良かった良かった。(^o^)(16時)
 ホテルに戻ってからバイクに乗って近くの遺跡見学へ。町中を抜けてワット・ノコール(シャントゥンに聞いたところアンコール・バンチャイと言っていたんだが・・・)という遺跡に到着。かなり古そうな門の遺跡の前にバイクを止めてからシャントゥンの説明を受ける。遺跡は古そうなんだが、特に入場料とかを取られるわけではないようだ。近くにある池でなにやら釣りをしている人がいるなあと思ったらどうもを釣っていたようだ。あれは食べるのか?
 カンボジアの遺跡の中で3〜8世紀の遺跡は家などに使われている石を利用して建てられたが、9世紀以降は山から切り出した砂岩で建てられたらしい。この遺跡は12世紀頃に建てられたものなので説明の通り砂岩で造られている。門の手前にはナーガの像が祀られているが、これは日本でいう狛犬のようなものなのだろうか?門はいまもその形を保っているんだが、いつ壊れてきてもおかしくない感じなので下をくぐるのはちょっと怖い。(^_^;; 門をくぐって反対側に行ってみると建物が壊れないように
木でつっかえ棒をしているし・・・。(^_^;; こんな大きな石の建物をあんな木一本で支えられるのか?
 門など昔の遺跡が残っているが、最近建てられた建物も混在していて不思議な感じだ。壁の至る所に仏像などの装飾が施されている。奥の方には現在の寺が建っていて中はかなり派手な装飾が施されている。しかし、これだけすごい遺跡なのに半分ほったらかしにされているというのが別の意味ですごい。まあ、まだ遺跡などの修復や保存までに手が回らないのかもしれないが、日本だったらこれだけの遺跡があれば完全に観光地化されているよなあ。それともこっちではこのレベルの遺跡は普通なのだろうか?(?_?) 遺跡を一回りしてから境内にあるお店で休憩。(16時45分)みんないすに座ってまったり・・・。
 せっかくなので近くの遺跡の写真などをってから戻るとみんなジュースを飲んでいたので自分も何か飲むことにする。テーブルの上にはいろいろなジュースが並べられているんだが、その中に
ドリアンのような絵の描かれたジュースを発見。「Sagiko Soursop Juice」と書かれているが、いったい何だろう?せっかくだからこれを飲んでみよう。さっそく飲んでみるが・・・なんだ全然普通の味やんけ。飲めないようなものでもそれはそれでネタになるので面白かったんだけどね。(^_^;;
 近くに椰子の木があったので何となく登ってみる。が、さすがに何も引っかけるところがないのでほとんど登れない。(T^T)うーむ、体力不足なのかなあ?あきらめて降りると、近くにいた子供はするすると登っていった。うーむ、すごい。さっき登ろうとした時に写真を撮ってもらっていれば良かったなあ。(と思っていたらしっかりと佐々木さんが撮影していた)
 「そういえば、こっちの子供にあげようと思ってボールペンを持ってきていたんだ」と思い出して鞄をあさってみるとちゃんと持ってきていた。近くにいた子供達にボールペンをプレゼント。結構喜んでくれたのか、もらったボールペンを誇らしげに胸ポケットに刺している。よかったよかった。(^o^)
 この時間になって学校が終了したのか学生達が道路にあふれかえっている。しばらく休憩してから出発となったが、先ほどボールペンを上げた子供の友達らしき子がやってきて「ボールペンをちょうだい」という風に寄ってきた。みんなにやったものと同じものはなかったので見た目綺麗なボールペンをあげる。門の前でこの子供達と一緒に記念撮影をしてから出発。(17時15分)
 ホテルに戻ると思っていたんだが、なんかルートが違う。どうやら先ほど見ていた絆橋を渡るようだ。橋の上を走っていると、急に前のバイクが路肩によって止まってしまった。どうやらここからの風景を見る為に止まったようなんだが、こんな所に止めていいのか?(^_^;; バイクとはいえ、なんかかなり迷惑な状態になっている。まあ正直なところ止まってくれたのはありがたいんだけどね。
 ちょっと雲がかかっているが、夕日に水面が赤く映し出されてなかなかいい雰囲気。先ほどまでかなり多かった漁をしている船もだいぶん少なくなってきている。やはり日暮れが終了時刻なのかな?しばらくここで写真を撮ってから戻ると思ったんだが、あとは各々でホテルに戻ってくれとの事。佐々木さんは川岸に降りて写真を撮りに行くようだ。かんさん、うえのさんは対岸に渡ってみるらしい。せっかくなので自分も対岸に行ってみよう。
 橋を渡っていると、橋の下に対岸の川岸に行けそうな道が見える。「対岸からの夕日が綺麗かもしれないなあ」と思って、橋を渡りきったところで脇道に入って橋の下のダートへと進む。一緒に走っていた他のメンバーはそのまままっすぐ走っていった。(かんさんは後ろに付いていこうと思ったらしいが、土煙がすごくて来るのをやめたらしい)辺りはひっそりとしていてちょっと恐い印象だ。残念ながら川岸に着いた時にはすでに日は地平線と雲の向こうに落ちてしまっていた。うーむ、もうちょっと早ければいい感じで写真を撮れたかもしれないんだけどなあ。まあせっかくなので写真を撮ってから来た道を戻る。
 道路に戻るとちょうどかんさん、うえのさん、ムニンが戻ってきたのでその後ろについて走っていく。前を走る3人に付いていくが、途中でかんさんとうえのさんが先ほどと違う道へ。ムニンはそのまままっすぐ走っていったが、まあ川沿いに出たらホテルに着けるからいいかと2人に付いていく。予想通り川沿いに出たら後は一本道なので問題なくホテルに到着。(17時45分・117km)
 部屋に戻ってテレビを付けると日本のアニメ・
一休さんが放送されていた。おー、こんな所でも日本のアニメが!!もちろん声は吹き替えられているが、エンディングは日本語のままである。しばらく部屋でくつろいでからホテルの玄関へ。(18時15分)夕食のレストランはここから歩いていくらしい。
 事前の情報では恐いという印象だったんだが、全くそんな感じは受けない。まあ、大勢で歩いているせいもあるんだけどね。10分くらい歩いてPhnom Proshというレストランに到着。
 店に入ると丸いテーブルに回転する台が取り付けられている。中華料理の店なのかな?とりあえずはビールだろうと言う事でタイガービールを注文。店と契約しているのか、
ビアガールのような女性がいる。(もちろん水着やぴちぴちの服を着ているわけではない(^_^;;)缶ビールの蓋を開けるとリップル(最近は見なくなったなあ)に何か書いている。どうやら当たりだったらしく、もう一本サービスとなった。ビールが当たり付きとはカンボジア侮りがたし!!(@_@) 8人中自分とうえのさんが当たるというかなりの確率だ。
 メニューは中国語でも書かれているので何となく意味は分かるんだが、いつものようにシャントゥンにお任せ。出てきたのは豚のショウガ焼き、うなぎ、さいころステーキ、そして鶏の丸焼きである。鶏は途中で走り回っていたものと同じなのか、弾力があっておいしい。こっちではブロイラーというもの自体がないのかもしれないなあ。しかし丸ごと一匹(頭までついている)がそのままの形で出てくるのはちょっと、というかかなり抵抗がある。ムニンはあまり気にしないのか慣れているのか、鶏の頭にかじりついているけどね。(@_@)
 明日の予定を聞くと、今日と同じくメコン川に沿って北上していくらしい。道は今日走ったようなダートが続いているみたいなので特に難しくはなさそうだ。距離も今日と同じく100kmくらいらしいし。お腹も満足して食事は終了。今日の食事代は昨日よりも安くて40ドルくらいだったようだ。
 食事を取っている時から隣の部屋からカラオケの歌声が聞こえてきていたんだが、ちょっと寄ってみるかという話しになる。問題は日本の歌があるかどうかである。さすがに歌がないと無理だからなあ・・・。隣の部屋に行ってみると、大きなカラオケボックスと言った感じの所で、広さは20畳くらいありそう。さっそく歌詞本を見てみるが、残念ながら訳の分からない文字しか書かれていない。さすがにこれは無理だろうということであきらめてホテルに帰る事にした。ナットはかなり歌いたかったらしいんだが、ここはあきらめて貰おう。シェムリアップやプノンペンなら日本人用のものがあるかもしれないんだけどね。
 レストランを出ると店の前には「いかにも!」と言うように女性達がたむろっている。こんな所でもいるんだなあ。ちなみに40ドルくらいらしい。ムニンとナットは・・・。まあ見なかった事にしておこう。(^_^;;
 店に行く時もそうだったんだが、ガイドブックとかに読んでいたような怖さは特に感じない。まあ田舎の方だからかもしれないが、これだったら一人でも歩けそう。10分くらい歩いてホテルに到着。(20時15分)
 部屋に戻ってからまずは荷物の整理。明日は7時頃出発なのでモーニングコールが6時半頃にかかるらしいんだが、30分くらいしかないのである程度は準備しておいた方がいいだろう。ベッドに横になってかんさんと話しをしていたんだが、またもやそのまま眠ってしまっていたようで(21時半くらいだったと思う)、ふと目が覚めると辺りは真っ暗。(?_?) 時間を確認すると3時になっていた。いかん、いかん・・・やはりかなり疲れていたのかなあ?
 01 トゥクトゥクでバイクの所に移動中
 02 今回の旅の友になるバイク
 03 今日の朝食メニュー 焼きうどんと焼きめし
 04 シャントゥンの娘さん
 05 店の前で記念撮影 近所の人たちも一緒に
 06 白バイに乗って
 07 椰子の実を切る
 08 なかなかおいしいけど量がとても多い 味はアップルジュースみたい
 09 学校訪問する異邦人と授業風景
 10 こんな道がずっと続いています
 11 たくあん?
 12 みんなまったり休憩中
 13 昼食メニューと昼食風景
 14 店のおばあちゃんと子供
 15 なんか周りに寄ってきた男性と一緒の記念撮影
 16 意味無く広いホテルの廊下
 17 漁の風景と捕れた魚
 18 遺跡
 19 みんな境内の休憩所でまったり
 20 木登りに挑戦 器用に登る子供とだらしない自分(提供:佐々木さん)
 21 遺跡の門の前で記念撮影
 22 橋の上から夕日を眺める モデルはうえのさん
 23 暮れゆく太陽と河面を漂う船(提供:佐々木さん)
 24 夕日をバックに撮影
 25 今日の夕食風景と夕食メニュー
 26 意味無く広いホテルの廊下