2001 北の国 アラスカへ その4 ひたすら続くダートコースを走り抜ける |
08月24日 182 Mile(ダート129Mile) ケニーレイク |
昨日は早く寝たおかげかこの日は7時半に起きることができた。早速薪を取りに行って火をおこして暖まる。やはり朝は冷え込むなあ・・・。(T^T) ゆみこさんはかなり早くから目が覚めていたようで、近くを散歩していたようである。この日はあまり天気がよくなくて朝から曇って空はどんより状態。(T^T) しばらく話をしていると8時過ぎにフィリップスさん達も起きてきた。 9時過ぎに朝食の準備ができたのでたき火をか囲んで食事に入る。今日のメニューはホットケーキにベーコン、フルーツであるが、ホットケーキに塗る為に出てきたピーナッツバターを見てびっくり。普通のピーナッツバターは単にピーナッツの味がするバターであるが、出てきたバターにはピーナツが形のまま(砕いてはいるが)大量に入っている。ちょっとこれにはびっくりであるが、味自体は特に普通だった。 今日は国立公園の奥までバイクで走ってまたここに戻ってくるので、テントは張ったままである。ジャックさんはここで留守番しているようなので、必要な荷物は自分で持っていかなければならない。準備も終わって10時に出発する。 キャンプ場を出発して走り出すと、ガソリンが無くなったせいかふけが悪くなったのでリザーブに変更。他のメンバーも途中でリザーブになってしまったようである。しばらく走るとこっちでは雨が降っていたのか道路が濡れていたが、カッパを着るまではないようだ。舗装の状態もいいのでかなり飛ばして走っていったが、寒かったのが辛かった。(T^T) 森林の間を延びる道から山の谷間を走る道路になってさらに進んでいく。「そろそろガソリンがやばい・・・」と心配になって来た頃に、チットナ(Chitina)という所でガソリンを給油する。(10時半・26Mile)道ばたに給油機があるだけで、「ほんとにこの機械動くのか?」というような感じの所だった。(^_^;; この付近虫が多くてちょっといやだった。ガソリンを給油してから、その先の公園へ。この公園から先がダートになっているようだ。 ダートコースに入ったが、初めのうちは半分舗装されたような道路で中央線まで書かれている。「まさかダートというのは全てこんな道で、この道がずっと続くのか?」と思ったが、それはほんとに初めの方だけだった。 少し走ったところにある橋の上でいったん休憩。ここでCopper RiverとChitina Riverという二つの川が交わっていて、川幅はかなり広くなっている。氷河が溶けてできている川なので水は濁りまくっているのは仕方のないところか。 橋を越えると山の斜面に作られた道になってあまり広くなく、曲がりくねっているので視界もよくない。しかし逆に走るのはおもしろいが・・・。途中の景色がきれいだったので写真を撮ってから後を追いかけるとその先でみんなが止まっていた。(31Mile)ここでフィリップスさんにカーブでは30mph以上は出さないように注意を受ける。 このあとは特に止まることもなく山間の道を進んでいき、大きな谷(Kusulana River)に架かる橋に到着する。橋本体は鉄でできているが、床板は木でできているのがちょっと恐かった。橋を渡ったところにバイクを止めてしばらく休憩していくようだ。(11時45分・43Mile) フィリップスさんが「いいところがある」といってなにやら橋の下の方に歩いていくのでその後に付いていく。谷の上の橋桁は鉄筋だがその両端は木造になっていた。「これが見せたかったのかな?」と思っていると、おもむろにその橋桁に登り始めた。高さ2mくらいのコンクリートに登り、さらに入り組んだ鉄筋を越えて作業者用の通路へと登っていった。自分たちも後に続いて登ったが、みんなオフブーツを履いているので足首がまともに曲げられないのでかなり大変だった。さすがにゆみこさんは一人で登ることができず、おおむらさんに手伝って貰っていた。 作業用の通路は下が丸見えでかなり恐い。当然ながら真ん中に行くほど高くなっていく・・・。高所恐怖症気味の自分にとってはかなり恐いところでまともに下を見ることはできなかった。中央部分でしばらく休憩しているときもみんなはくつろいでいたが(特にフィリップスさん)、自分はおびえている状態。反対側まで渡りきってほっと一安心。こっちの橋桁の高さも反対側と一緒でかなり高いので降りるのがまた大変だったが、何とかみんな無事に地面に降りる。 先ほどまでは完全に曇っていたが、徐々に天気もよくなってきて太陽もその姿を現し始めていた。しかしまだ曇っているところもあるのでいつ雨が降るかも分からない状態である。バイクの所に戻ってから出発する。(12時20分) しばらく走ると昔の鉄橋跡に到着し、みんながそこに止まっていた。(12時45分・55Mile)この鉄橋の下にはこれまでと違って水の澄んだきれいな川が流れている。喉も渇いたので飲んでもいいのかと思ったが、狐が持つ病原菌(エキノコックス?)が入っている危険性があるらしい。橋は木造の為、もう半分朽ち果てて今にも壊れてしまいそうになっていた。 橋の下の川の畔に移動していつものメニューで昼食。今回はサポートカーがいないので飲み物があまり無かったのがちょっと悲しいところである。お腹も満足し、しばらくくつろいでからバイクの所に戻って13時半に出発する。 山道から森林の中を走る道になり、大小様々な大きさの湖が点在していてとてもいい景色だった。山の方はなにやら雲がかかってでどんよりしていたが、道に沿ったところは晴れていい感じ。途中からまた山の斜面を走る感じになって道幅は狭くなってきた。先ほどまで天気のよかった空も曇り始めてなんかいやな感じ。途中で道路脇に止まって休憩をとる。(14時15分・84Mile)ここから眼下に黄色に紅葉した木々を見渡すことができた。なんかこういう景色を見るときは曇っているなあ・・・。(T^T) 日本では赤や黄色に紅葉するもんだが、こっちの方は赤くなる木はないらしく、紅葉と言えば黄色になるらしい。紅葉という言葉はこっちで言えばおかしいのかな?(^_^;; ここで15分ほど休憩して出発。 山岳部を越えて森林地帯を走っていき、マッカーシー(McCarthy)に到着するが、ここはそのまま通り過ぎる。ここで普通はバイクなどは入ったらいけないと思われる小さな橋をバイクで通り抜けていった。この橋を越えた辺りから雨が降り始めて徐々に激しくなってきた。もう少しでケニコット(Kennicott)に到着するみたいだったのでカッパを出すより走った方がいいとそのまま走っていく。町中を走り抜け、やっと街の一番奥、遊歩道の入り口に到着した。(ノ^^)ノ(15時・91Mile) この町は昔銅山でにぎわっていたが、もう閉山してしまって久しい。国定公園に指定された後でも当時からの集落は指定をはずされ現在でも住んでいる人がいるという珍しい場所である。鉱山がにぎわっていた当時の大きな木造建築も残っているが、半分は崩れかけている状態。しかしその規模はかなり大きく結構圧倒されてしまう。ここから15分くらい歩いたところにルート氷河(Root Glacier)があると言うことで行ってみることにした。 昔の工場跡はほとんど朽ち落ちていて中は立ち入り禁止になっていてさすがに中に入れなかった。まあ、入っても何もないだろうけど・・・。結構観光客はいるみたいで、途中ですれ違う人多数。ここまでの道路にあった鉄道はもう撤去されていたが、この付近には当時の物がまだ残されていた。建物を通り過ぎて歩いていくと、その先に現在も人が住んでいるみたいな家が数件建っていた。そのうちの一軒は売りに出されているみたいで、69,500ドルという札がかかっている。しかし買う人はいるんだろうか? 遊歩道の左手には小さな山がいくつも見えていた。もと鉱山なので掘り出した土を積み上げたぼた山みたいなものかなあと思っていたが、フィリップスさんが言うには氷河らしい。みんなで「どう見てもぼた山だよなあ・・・」と言うと「氷河、氷河氷河・・・・。何度でも言うよ、氷河。」と言って譲らない。遊歩道からそれて高台に登って見てみると、確かにこの前見たように土の間に白い物が見えていて氷河であることが確認出来る。しかしこの景色を見て何人がこれを氷河と答えることができるだろうか?(^_^;; 途中まではかなり広い遊歩道だったが、川を越えた辺りから道が狭くなってきた。何回か休憩しながら歩いていくがやはり15分ではとても着かない距離である。所々遊歩道にまだあまり日がたっていないと思われる熊の糞が落ちているのは恐かった。(@_@) 林の中のルートを抜けたところでいったん休憩をとる。(15時45分) 「あと15分くらい」というフィリップスさんの言葉に「ということはあと1時間近くかかるのかなあ?」という冗談がでるくらいだったのでまだ大丈夫だろう。とはいえさすがに疲れてきているため、もうここで引き返そうかという意見も出ていたが、せっかくここまできたから氷河まで行ってみることになった。小さな氷河の丘を越え、やっと見晴らしのいいところに到着した。(16時)みんな思い思いの場所に座り込んでしばらく休憩。 ピックで氷河の壁を登っている人達がいたが、ツアーか何かなのか、あまりうまくなくて何度もロープに宙づりになっている。このあと、氷河の丘の上の方に登ってみたが、登るのはいいが、降りるのは結構恐い。(T^T) 30分くらい休憩してから来た道を引き返す。 戻る途中、青空がでてきて氷河に日が差してきた。なんで自分たちがいるときには晴れないかな・・・。(T^T) その先でリスが現れた。この後ひたすら歩いて、やっとバイクの所に到着した。(17時半) さすがにかなり疲れていてしゃれにならないが、もう歩くことはないので大丈夫だろう。こっちは晴れているが、これから進む方角はどんより雲で雨が降りそうな感じ。カッパを着ていこうかと思ったが、まあ大丈夫だろうと思ってそのまま出発することにした。 出発して少し走っていくと急に雨が激しく降り出してしまった。(T^T) これはしゃれにならないとバイクを止めてカッパを着込む。(自分のジャケットは全く防水性能がないので雨が降るとすぐにポケットの中の物が塗れてしまうのである)最初から着ていれば良かったと少し後悔するが、後悔しても仕方がない。さすがにカッパを着ていると時間がかかってしまい、ゆみこさんが途中で引き返してきた。途中に分かれ道があったので間違ったらまずいと思って引き返してくれたようである。何とかカッパを着込んでから出発し、みんなを追いかける。よくあることだが、カッパを着ると雨は止んでしまった。まあ、またどっかで降る可能性は高いので脱ぐ気は起きなかったが・・・。先ほど通った小さな橋を渡ってみんなと合流。 しばらく走るとまたもや雨が降ってきた。さすがに今度は激しかったせいで、フィリップスさんはバイクを止めてカッパを着込むことにしたようだ。つかさんはゴアのジャケットとズボンをはいている為着る必要はないようであるが、他のメンバーはみんなカッパを着ることにしたようだ。出発してしばらく走るとまたもや雨は止んでしまったが、道路が濡れてしまっている為、カッパを着たまま走った方がいいようである。 途中から天気もよくなってきて、いい景色になってきた。しばらく走っていると途中でリスが目の前を通りすぎていったが、さすがに写真を撮ることはできない。しばらく進んでいくとまたもや雨が降ってきた。これが最後の雨になったが、ほんとによく分からない天気である。 結局カッパを着込んだとき以外は休憩をとることも無く、一気に走っていった。橋を越える頃から太陽がその姿を現してくれたのはうれしいが、まぶしくてしゃれにならない・・・。(T^T) まともにルートが見えなくてかなり苦労することになった。なんとかダートを走り抜けてやっと舗装道路に出る。(155Mile) 舗装道路を少し走ってから近くのお店でビールを購入していく。(20時・156Mile)行きと同じくここも虫が多くてしゃれにならない・・・。雨もあがったのでここでカッパを脱いで出発したが、寒くて辛かった。山間を抜けるとまたもや太陽の光で前が見えない状態に陥る。何とかひたすら走って、やっとキャンプ場に到着した。(20時半・182Mile)こっちの地面は全く濡れていなかったのでジャックさんに聞いてみたところ、全く雨は降らなかったようである。 さすがにダートを走ってきただけあって全身誇りっぽくてしゃれにならない。さすがにこのままくつろぐのもいやだったのですぐにシャワーへと向かった。しかし残念ながら誰かが入っているみたいで入れなかった。21時過ぎにやっと中から人が出てきてシャワールームを使うことができた。 10時からの食事となったが、さすがにみんなお腹が減っていたせいか、出来上がったビーフストロガノフとサラダは完全になくなる。この後は、たき火を囲んでみんなで話をする。 23時頃にはフィリップスさん達はテントに撤退していったので、残った4人で話をしていた。天気は完全に回復し、空が晴れ渡ってきて満天の星空が広がっていた。さすがにオーロラは見えないが、天の川や人工衛星がよく見える。北極星もかなり高い位置に現れており、北斗七星とカシオペアがきれいに見えるのも北緯が高いせいだろう。しかし人工衛星がこんなに一杯見えたのは初めてだ・・・。しばらく空を眺めて、0時半頃にみんな眠りに入った。 この日もオーロラが見えないかもう少しがんばってみることにした。前回と違って薪はたくさんあるので寒さの方はまだ耐えられる状態である。しかし空に見えるのは星空だけでオーロラは現れない。結局1時半までがんばってからテントに撤退する。 |
01 ケニーレイクのキャンプ場で朝食 02 橋桁に登るゆみこさんと補助のおおむらさん(提供:つかさん) 03 作業用の端の所で(提供:つかさん) 04 橋の上で記念撮影 05 昔の鉄橋の下で昼食 06 林道の途中で 天気はかなりよい 07 氷河の上に登る(小さく黒いのが自分) 08 天気がよくなってきた氷河 09 途中で現れた野生のリス 10 今日の夕食 ビーフストロガノフ |