2000/07 モンゴルへ

その3 ツーリストゲルに泊まる


07月24日(3日目)   移動距離 184 Mile   エルデンダラー→ハンボクトゥ
 6時半頃に起床して出発準備をする。あまり天気は良くなくて曇っている・・・。(T^T) 7時頃に朝食となったが、テーブルは半分壊れてしまったため、シートで食事をとることになった。メニューはパンにハム、目玉焼き、飲み物にオレンジジュースと紅茶である。みんなで座って朝食となった。朝食終了後、荷物の整理をしてからテントを撤収、サポートカーについて道路に戻る。
 ひたすら草原しか視界に入ってこない。丘を越えるとその先には広大な平原が広がっていた。はっきり言ってむちゃくちゃきれいだったが、写真では再現できなかった。(T^T) さらに走っていくと遊牧民のゲルが見えてきた。ちょうど1時間ほどたっていたせいか、ここでみんな休憩していた。(22マイル)ここは井戸が湧いているところで、多くの家畜が井戸の周りに集まっていた。山羊や馬、らくだ、牛などが井戸に群がって水を飲んでいた。自分もバイクを止めて休息をとる。井戸の所にも子供達はいたが、言葉が通じないので会話が成り立たない・・・。(^^;; やはり少しでもしゃべれるといいんだろうなあ。
 井戸水は思った以上にきれいで全く濁っていない。深さは5m位でそこから水をくんでは家畜に水をやっていた。もう一つ人間用の井戸があったが、飲まない方がいいようである。現地の人は大丈夫だが、自分たちはおそらく腹をこわすだろう・・・。Tさんがくんだ水を頭からかけてくれて頭をさっぱりさせる。昨日お風呂がなかったのでとても気持ちがいいもんである。空気が乾燥しているせいか乾くのが早く、2.3分でもう乾いてしまった。ここで15分くらい休憩をとってから出発する。
 草原の中を走っていくと徐々に草の数が少なくなってきて広野という感じになる。先ほどの休憩の時にこの先は道が無くなると言っていた意味がやっと分かった。どこを走っても道(タイヤの跡)と草原部分にほとんど差がない。このあとはひたすら広野という感じの大地が続き、何度か分かれ道があったが、みんなサポートカーを待たずにどんどん先に進んでいっていた。これが後でとんでもない目にあってしまうことになるのだが・・・。(^^;;
 さらに走っていくと途中から平行して道路(タイヤの後)が10数本走っているところになった。さすがにこういう道になると車の方がペースが速い。自分のペースが遅いこともあるが、途中でサポートカーに追い抜かれてしまう。何度か丘を越えて走っていくと平行に走っていた道がどんどんと離れていくではないか。うーむ、罠だなあ・・・。(^^;; サポートカーは一番右の道を走っていたが、自分は一番左の道を走っている。もうサポートカーは見えないがたぶんそのまま一番右を走っていったんだろうと思って道を横切って一番右の道に入って進んでいく。
 しばらく走っていくとその先にサポートカーが2台止まっているのを見つけた。が、
バイクの姿が一台も見えない。(*_*) バイクは先に行っているんだろうかと思ったが、左の方から一台のバイクがサポートカーに向かっているのが見えた。このバイクはKanさんで砂煙が違うところからあがっているのを見つけて道を間違えたことに気が付いたらしい。サポートカーの所に着いて話を聞いてみると、NTさんとえいこさんが別のルートをそのまま走っていったとのこと。このままでは二人が迷子になってしまうため、Sさんのサポートカーが二人を探しに行くことになった。
 サポートカーについて走っていくが、砂埃がひどくて近づいて走ることができない。途中でどうも道を間違えたのか、道ではないところを走っていくことが結構あった。途中で地元の人らしい人に道を聞いていたし・・・。途中に寒波にやられたときのものか、牛の死骸の固まりがあった。このあとは道を無視して草原の中を走っていったり、道に迷いながらなんとか11時半にマンダラオボ(93マイル)に到着した。
 町に着いてみるとなぜか迷子になった二人の方が先に着いていた。(?_?) どうやら自分たちも迷子になったせいかかなり遠回りしてしまったらしく、走った距離は自分たちの方が長かった。ちなみに彼らはそのまま進んでいき、1時間たったところで休憩をとっていたためサポートカーが追いついたらしい。サポートカーが追いついてきたので手を振っていたら、「よかった。ここで止まっていてくれて」と言われて初めて間違ったことに気が付いたそうである。(^^;;
 サポートカーを先頭に町を横切って町の反対側へ。そこから少し走ると、辺りは沼が干上がったのか、変な地形をしているところになった。(103マイル)あちこちこぶ状に土が盛り上がっていて、そのこぶの上の部分にだけ草が生えている。道路以外の所はかなりぬかるんでいて走りにくい・・・。写真を撮るために道路脇に入ったためどろどろになってしまった。ふと見ると遠くにらくだの群を見つける。あれも家畜なんだろうか?
 サポートカーを追い抜いてさらに走っていくと、かなり起伏の激しい地形で道路も砂状になっていて走りにくいがおもしろいところになった。しばらくこんな地形の中を走っていくと高台の所でみんなが止まっていた。(115マイル)この先に分かれ道があったため止まっているようである。さすがにあの道は車にとってはつらいため、しばらくここで待つことになった。
 サポートカーがやってきたところで出発し、Kanさんの後について走っていく。しばらく走ると完全な山道みたいになって道幅も狭くなってきた。その先でKanさんが止まっていたのでどうしたのかと思ったら、ガソリンがリザーブに切り替わったようである。サポートカーを待つといっていたので先に進むことにした。道には瓦礫がかなりあってまともにつっこむとタイヤがパンクしてしまいそうである。数km走ると一気に開けた草原に出た。
 もう12時を回ってお腹もすいてきたのでそろそろ昼食を取りたいところである。前方はかなり雲に覆われて今にも雨が降りそうな感じ・・・。道の脇にあった高台に行ってみんなを待っていたが(121マイル)、そのまま通り過ぎていってしまった・・・。仕方ないので後を追いかけて走っていき、その先の分かれ道でサポートカーを待つことにした。(124マイル)
 サポートカーが追いついてきたところで昼食をとろうと言うことになった。近くの丘に移動しようかいうときになってなんと雨が降ってきた。小降りとはいえ、雨の中での食事はさすがにつらい・・・。(T^T) この先に冬に使用する設備があるということでそちらに移動することにした。場所はここからすぐのところ言っていたが、今までの経緯から30分以上はかかるだろう・・・。(^^;; しかし実際に走っていくと15分くらいで目的地に到着した。(129マイル)
 ここは家畜を囲う柵や建物などがあるが、雨をしのげるという物はないではないか。まあ、雨はほとんどやんでいたが・・・。やっとまともに休憩できるので、ブーツとかを脱ぎたかったが、一度脱いでしまうと本当にだれてしまいそうなのでこれは断念。Tさんが昼食を作るまで、近くの山に写真を取りに行く。この辺りの石は石が組合わさったような感じになっていておもしろい。寒暖の差が激しいため岩にひびが入り、後は風雪に洗われてこのようになったんだろうか?付近は一面広野みたいな感じである。
 食事ができたみたいだったので、みんなの所に戻って飯を食べようとしたが、また雨が降ってきた。雨を避けるため車の間にシートを張って屋根を作ることになったが、サポートカーの一台の調子が悪くなってエンジンがかからない。何とかセルを回して車を移動することはできたが、この後大丈夫なんだろうか?車の間にブルーシートを張って屋根が完成。と思ったら雨はやむし・・・。所詮こんなもんである・・・。ってことでやっと昼食になる。
 昼食にまずはパンとカップラーメンが出てきた。カップラーメンはあまりおいしいという感じではないが、まずいというもんでもない。しかしやっぱり日本の物の方がおいしい。さすがに今日の昼食はこれで終わりかと思ってパンを食べていたら、メインの肉が串に刺さって出てきた。モンゴルなので羊の肉かと思ったが、牛肉のようである。スープで煮込んだもので、とてもおいしかったが、肉がかたい・・・。お代わりをすると今度に肉は軟らかかった。どうも煮込みすぎていたようである。とりあえずお腹も一杯になって満足満足。
 食後、調子の悪い車の修理をしている間、近くの山に登ってみることにした。山の上に石が積まれていたが、何故か玉座の形に石が積まれていた。これはどういう意味なんだろう?ここからの景色はとてもよかったが、もっと晴れていたらなあ・・・。うーん、残念。ここからの展望をしばらく楽しんでから山を下りてみんなの所に戻る。結局サポートカーは部品がないとちゃんと直らないらしく、とりあえずはこのまま走っていくことになった。休憩してだれてしまった体にむち打って出発する。
 山を越えて草原になると途中でサポートカーが草原の中を走って行きだした。その後を付いていくが、ほとんど砂みたいな感じでタイヤをとられて走りにくい、走りにくい。ゲルの横を通り過ぎてそのまま砂丘の麓まで走る。前のグループはこの砂丘に登っていたと言っていたので、Kanさんがチャレンジ。最初は半分くらいでタイヤがスタックしてしまって動かなくなってしまった。NTさんもチャレンジしていたが、やはり途中で止まってしまう。自分もチャレンジしたが、半分くらいで止まってしまった。なんとか砂から掘り出して降りることはできたが、結構大変だった。
 このあと、Kanさんが一気に頂上を目指して登った!!と思った瞬間、頂上でジャンプ、
見えなくなってしまった。???(*_*)「今向こう側に落っこちなかった?」と思っていると砂丘の向こうからKanさんが姿を現した。どうやら無事のようであるが、いったいどうしたんだろう?とりあえず砂丘を登ってKanさんの所まで行ってみるとなんと砂丘は山になっているのではなく、反対側は崖のようになっていた。(コの字みたいにえぐれた感じになっていた)バイクはこの崖の途中にまっすぐにめり込んで止まっていたのでまだよかったが、下手したらこのまま下まで落ちていたかもしれない・・・。いやー、よかったよかった。(^^;;
 えいこさんとAさんもやってきて半分あきれていた・・・。(^^;; 前輪が完全にめり込んでいる上、かなりの急斜面のため引き上げるのは無理だろう。NTさんとKanさんで何とかタイヤを引き出し、下まで滑り落とすことにした。途中で勢いがつきすぎて転けてしまったが・・・。バイクは無事エンジンがかかり、一安心である。
 ここの砂丘には見事なほどきれいな砂紋できている。日本ではここまできれいな砂紋はなかなか見ることができないだろう・・・。砂丘には何本ものタイヤの跡が付いてしまっていて、最初に写真を撮っておけばよかったと後悔・・・。
 14時に砂丘を出発。砂漠の中を走って道路に出て南下を再開する。最初は道も狭く、砂が多くて走りにくかったが、途中から道の状態はとてもよくなる。ほとんど直線で、砂利も浅いため、かなりスピードを出すことができた。とはいっても所詮は砂利道なので65マイル/hが限度だったが・・・。かなりとばして走ってきたため、分かれ道(146マイル)で待っていてもなかなか後ろがやってこない。しばらくここで休憩して、みんなが追いついてきたところで出発する。分かれ道でサポートカーを待っていると、やはり車の調子が悪いため、近くのキャンプ場によって修理していくことになった。
 今度は先頭で草原の中を走っていくが、途中で写真を撮るため止まる。ここでみんなの写真を撮ろうと思ったが、カメラが間に合わなくてKanさんしか撮れなかった。何枚も写真を撮っていたため、一気に遅れてしまったが、道はまっすぐだったので間違いないだろう。途中から、バイクのタイヤ部分から変な音がし出してなんか怖い。(>_<) 大丈夫だろうか?ひたすら草原の中を走り、トフシィーンキャンプ場に到着した(169マイル)。
 地元の子供達が一杯寄ってきてバイクを見ている。日本製のバイクは珍しいのだろうか?乗りたそうにしていたのでシートの前に乗せて近くを走ってやることにした。途中から後輪からまた変な音がしてきてちょっと怖い。どっかあたっているんだろうか?Sさんが戻ってきたが、目的の車の部品がここにはなかったということで、今日の宿泊地に向かうことになった。
 出発して走っていくが、やはりタイヤ付近から変な音が聞こえる。急にロックとかしないでくれよ〜〜〜。(T^T) 草原から山道みたいな感じの道になって石がごろごろしていて怖い。気を抜くととがった石にタイヤを乗り上げてしまう。しばらく走って今日の宿泊地であるハンボクトゥキャンプ場に到着する。ここの入り口にある丘の上になぜか熊の像が建っている。いったいなんだろう?サポートカーがキャンプ場に入っていったので自分達も続いて入っていく(184マイル)。
 今日はこのキャンプ場にあるツーリングゲルに宿泊である。キャンプ場内には20個くらいのゲルが並んで建っている。日本で言うバンガローみたいな感覚なんだろう。キャンプ場の周りの丘には熊、犬、ヤギ、羊の像が建っている。いったい何なんだろう。自分のバイクはやはり調子が悪いためAさんに修理してもらうようにお願いした。そして早速荷物を持ってゲルに移動しやっとくつろぐことができた。
 昨日も風呂に入っていなかったので、そうそうに服を着替えてシャワーへと向かう。シャワーやトイレは思った以上にきれいなところだった。ただ水が貴重なのか、水の出が悪いのは仕方がない・・・。シャワーを浴びてさっぱりしたところでゲルに戻るがカギが閉まっていて中に入れない。カギは係りの人が持っているらしく、開けることができないようになっている。いろいろな人にカギは誰が持っているか尋ねていくが、英語も通じなくてむちゃくちゃ苦労する。15分くらいしてやっとカギを開けることができた。
 NTさんとえいこさんは近くの丘の上にある山羊の像の所に行っていていなかった。のども渇いていたのでKanさんとレストランにビールを飲みに行くことにした。せっかくだから地元のビールを飲みたかったが、置いていないためハイネケンを2ドルで購入する。(ここでは英語が通じたので楽だった)ビールを飲みながら外を歩いていると遠くでえいこさんが手を振っている。何故か地元の人と一緒にゲルに向かっているようである。呼んでいるみたいだったのでビールを飲み終えてからそちらに向かう。
 丘の上にある山羊の像の所で手を振っていたらやってきたらしい。この娘(7歳)が英語を少し話すことができるようで何とか話が通じたようである。ゲルの中には旦那さんとその両親、息子と娘の計5人がいた。自分たちも中に座っておもてなしを受けた。まずはチャイ(アルヒ)といわれる馬乳酒みたいなものをいただく。これは牛乳から作ったもので後味がまんまヨーグルトであるがアルコール分はほとんど感じない。後はウォッカ(アルヒを蒸留させたものでシミーン・アルヒ)や、チーズ(アーロール)などをいただいた。このチーズは堅くてなかなか食べることができず、ほとんどヨーグルトキャンディーみたいになめていくしかない。やはりみんな腹をこわすことだけが心配だったようである。結局、7時半くらいまでここで話をしたり写真を撮ったりしていた。最後にゲルの前でみんなと写真を撮ってキャンプ場に戻る。
 キャンプ場に戻ると屋外においてある卓球台で地元に人たちが盛り上がっていた。自分も一緒になって卓球をする。NTさんは子供達とバスケットをやっていた。しばらく楽しんだ後、8時頃に夕食を取るためレストランに向かう。
 ちゃんとした建物の中なので今日はゆっくりと夕食を取ることができる。メニューはキュウリとトマトのサラダ、水餃子のスープ、ハンバーグにキムチ(?)である。みんなと話をしながら食事をとり、レストランを出たのは9時を回っていた。
 10時頃に天体観測をするためNTさん、えいこさんと外に出る。ちなみにKanさんは馬乳酒か何かが悪かったのか、腹の調子が悪いようである。(T^T) さすがに明かりがほとんどない上、空気も澄んでいるので天の川までよく見える。しかし北極星の位置が高い。まあ、緯度が高いから当たり前であるが・・・。30分くらい星を眺めてからゲルに戻り、11時頃には就寝。
 01 ゲルの子供達と記念写真
 02 地平線に向かってまっしぐら(走行中に撮影)
 03 変な地形の所(もともとは沼?) えいこさんとNTさん
 04 昼食場所
 05 砂丘の崖に突き刺さったKanさんのバイク
 06 大草原の中で
 07 今日泊まるツーリストゲル Kanさん・NTさんと
 08 訪問したゲルの家族と一緒に
 09 みんなで卓球(提供NTさん)