中国・四国ツーリング

その1 まずは明治維新の舞台萩へ


07月27日 197km  自宅→山口県 阿武町
 仕事で土曜日に出勤しないといけなくなった為、出発が一日遅れて日曜日からの出発となる。(T^T) 朝早く起きて行くつもりだったが、寝坊したのと準備に時間がかかってしまったせいで遅くなってしまった。(6時半)天気予報では快晴となっているが、今のところ若干薄雲がかかっており、晴れているとはちょっと言い難い天気だ。
 出発してからいつものように引野インターから都市高速へ。途中で今回の荷物の事を考えていると、サングラスを忘れてしまった事に気がつく。しかしもう結構走ってきているので取りに戻る気は起きず、あきらめる。ルートを考えると午前中が眩しくなりそうだ。春日インターまで走ってから下道を抜けて関門トンネルへ。(7時15分・38km)トンネルを抜けたところで川棚方面に進路を取り下関市内へ。ここから県道を抜けて国道191号線へと入って海岸線を進む。
 今回は細かく観光地を回っていくつもりだが、さすがに最近行った角島大橋、油谷町などは素通りしていく。長門市内に金子みすずという童謡詩人の記念館があるようだ。なんとなく聞いた事のある名前だが、はっきりとは思い出せない。まあ、記念館が出来るくらい何だから有名な人なんだろう。他には目を引くところもないし、ここに行ってみる事にしよう。(9時半・125km)
 この記念館は金子みすずの生誕100年を記念しての生まれ育った長門市仙崎実家跡に書店・金子文英堂を当時の雰囲気そのままに再建されたものである。早速入場券(350円)を購入して中に入る。金子文英堂の中は本人のことを知ってから後で見ようと思い、まずは奥にある記念館へ。団体客が丁度やってきているのか、思った以上に観光客がやってきている。
 まず最初に思ったのは「この人ってかなりの美人だったなあ・・・」と言う事だ。子供の頃からの写真が展示されているが、現在でも通用する顔立ちである。経歴を見ていくとかなり苦労した印象を受けるが、最後には服毒自殺とは。データベースの他にも壁などに彼女の作品が多く展示されているが、この中で「お魚」という詩が一番印象に残った。このあと記念館の中を見てからバイクの所に戻り出発。(10時15分)結局1時間近く見ていたようだ。
 国道に沿う裏道の県道を進み、県道64号線に入ろうと思っていたんだが、分かれ道が見つからないまま国道が見えてきた。「途中に分かれ道とか案内板とかあったか?(?_?)」と思って引き返し、分かれ道を探すが、かなり細い道しか見あたらない。
「もしかしてこの細い道が県道64号線なのか?」と思って進んでいくと県道の標識が・・・。こんなの分かるか!(-_-X このとき中学生くらいと思われる人達が自転車に乗って同方向に進んでいたが、うろうろしている自分を見て「変な奴がいる」と思った事だろう。(^_^;;
 しばらくは山の間を走る道だったが、突然視界が開けて日本海が見えた。「おお!なかなかいい景色!」とバイクを止めてしばし写真撮影。線路と交差しながら細い道を進んでいく為あまりペースは上がらないが、対向車もほとんどやってこないのでいい感じ。踏み切りも多いが電車もやってこない。途中には鉄道写真家が好みそうな風景が数多くあったが、電車がやってこないので写真はほとんど撮っていない。
 玉江駅付近から急に道が良くなって片側一車線の整備された道路となる。常磐大橋を渡るつもりだったが、案内板が出ていない。車の流れに沿って走っていくと橋を渡って萩市へと入る事が出来た。まずは萩城へ向かおうと思ったが、入り口が分からず、一方通行の出口の方から入ることになる。まあ、一方通行でも「二輪除く」と書かれているので大丈夫だろう。(11時半・157km)
 入場券は旧厚狭毛利家萩屋敷長屋との共通券になっており、210円とかなり安め。まあ天守閣とかがあるわけではないからこんなものかな?今まで何度か来た事はあるが、
昼間に中にはいるのは初めてのことである。(^_^;;(大学時代、近くでキャンプした時に何度か夜の萩城へ肝試しに行った事がある)
 まずは城内にある志都岐山神社という所に行ってみるが、これは明治になってから建てられたもので特に目を引く物はない。この先に詰丸跡に登る遊歩道あったので坂を上っていくが、思ったよりキツイ。さすがに暑くなってきたのでジャケットを脱ぐ。しばらく登っていくと途中から獣道のようになって
「ほんとにいけるのか?(?_?)」という不安が頭をかすめる。ということで、ここで断念して引き返す事に。(T^T)
 このあと天守閣の建っていた天守台へ行くが、特に何もない。ここは外から見た方がいい感じだ。ここから城壁に沿って歩いていき、城の外へ。橋を渡ったところにある碑の所で写真を撮ろうとするが、家族連れが何枚も何枚も写真を撮っていてうっと惜しい。(-_-X やっと開いたところで別の人に頼んで写真を撮ってもらう。
 せっかく共通券になっているんだから旧厚狭毛利家萩屋敷長屋と言うところにも行ってみよう。駐車場の方と言っていたので多分そんなに遠くはないだろう。途中に萩焼体験、萩焼資料館、萩史料館などがあってちょっと引かれるが、とりあえずはガマン。長屋は確かに駐車場の近くだったが、こっちから行くと駐車場の反対側ではないか。こんなことならバイクで来れば良かったと後悔するが時既に遅しである。(T^T)
 ここは厚狭毛利家の萩屋敷で屋敷内にあった主屋や庭園は明治維新後に解体され現在は長屋だけが残っているものである。歴史的には価値のあるものらしいが、ほんとに単なる長屋と言う感じで「すごいなあ」とか「綺麗だなあ」とかいう感想は出てこない。建物の中には入る事は出来ず、前から見るだけで、建物の中にはゆかりの品が色々展示されているがあまり興味を引くようなものはない。一通り展示物を見てから縁側に座ってしばらく休憩。ここは萩城とセットになっていなかったら誰も来ないんではないか?
 「せっかくここまで歩いてきたのになあ。」とちょっとガッカリしながら来た道を引き返す。途中にあった資料館は結局どこにも寄らずにバイクの所に戻る。次の目的地を松下村塾に決め、ルートを確認して出発。(12時半)
 さすがにおなかも減っていたのでこの途中にあったモスバーガーに寄っていく。ここでテリヤキバーガーセットとモスバーガーを食べる。おなかも満足したところで出発し、すぐ先にある松下村塾のある松陰神社の駐車場へ。(13時15分)駐車場はかなり広いので十分止めることはできるが、さすがに有名だけあって観光客が多い。
 まずは松陰神社の鳥居をくぐって歩いていくと前方に松下村塾が見えてくる。前回来た時から全く変わってない感じだ。吉田松陰が伊藤博文や高杉晋作らに教鞭をふるった事はあまりにも有名な話である。長い間塾を開いていたという印象はあるが、実際にここで教えを行っていたのは幽閉時代を含めても3年足らずで、この建物が使われたのはなんと1年だけなのである。しかしたったそれだけでもその後の歴史に大きく影響した事がこの建物を有名にしたのだろう。
 吉田松陰幽囚の旧宅、松陰神社、吉田松陰関係の資料が特別展示してある松陰遺墨展示館を順番に見ていく。吉田松陰歴史館というものがあるが、入場料はなんと650円と高い。ここは蝋人形を使って松陰の人生を説明をしているらしい。しかしなんか値段に対しての興味が湧かなかったので中には入る気が起きない。ここにあるものは一通り見たという事で出発。(14時)続いて東光寺へ。
 拝観券(300円)を買ってから境内へと進んでいく。境内には重要文化財に指定されている総門や三門(三つ門があるわけではない)などかなり大きな建物はあるが、門の上には登る事は出来ないし、建物の中にも入る事は出来ない。なんかこんな感じの建物って公開していないところが多いなあ・・・。寺の奥の毛利氏廟所に行く途中にある元治甲子殉難烈士墓所には多くの墓が建っているが、聞いた事のない人達の名前だけだった。
 毛利家の墓所へ行くと団体客もやってきていてガイドさんが説明をしている。その間に墓所に入って中を見学。一番奥に藩主とその婦人の墓が2つずつ10個並んでおり、それぞれの墓の前に行く通路が中央から5つに枝分かれして延びている。その途中には配下が献上したという石灯籠が並んでいてなかなか圧巻。これにすべて火が入るという送り火の時はかなりいい雰囲気になるんだろうなあ。先ほどの団体が入ってきたところで入れ替わりにここを後にする。
 来た道を戻っていると途中の通路で団体客がたむろっている。なんかうっと惜しいなあと思いながらまっすぐに門の方へ。ここからすぐ横の道を登って吉田松陰誕生地・墓所へ。(14時45分)
 出生地跡は現在土台と碑が建っているだけで建物は残っていない。なんか変なところに大きな石があるなあと思って見るとなんか文字が書いてある。読むと「松陰先生の出生せられし杉氏邸宅の址」となっているが、これは誰かのいたずら書きなのか?(?_?)
 続いてお墓の方に行って見るがこれは見るだけで特に何もない。説明書にあるように明治維新の有名所が寄進したという花生けなどにはそれぞれの名前が入っている。一通り見終わったところでバイクを萩の町を一望できるところに移動させて写真撮影してから出発。(15時10分)
 いったん道の駅「はぎしーまーと」というところに寄っていく。(15時15分・167km)建物の外でイカを焼いているのは反則だ。(^_^;; この匂いに吊られて買っている人多数。が、自分はガマン。中を一通り見て回ってから出発。(15時半)そのまままっすぐに萩を抜けようと思ったが、以前も行った事のある笠山へ寄ってみる事にしよう。
 途中にある明神池の周りには
がたくさん飛び回ってお入り、観光客がエサをやっていた。エサを投げ上げると上手く空中でキャッチするというのはなかなかすごい。(後で調べてみるとこの鳶のエサやりはそれなりに有名らしい)ここの観光は後にして、先に笠山に登ってみる事にしよう。ここは以前自転車旅行できた時に登ったように思うんだが、どうもその時の記憶と道が違う感じ。もっとしょぼい感じの道路だった気がするんだが、別の場所と勘違いしているのだろうか?(?_?) それとも途中まで登ってあきらめたのかな?
 駐車場にバイクを止めて公園の方へ歩いていくと火口への案内が出ている。
火口と言っても今はほとんど埋まってしまっていて火口というより単なる窪地と言った感じ。(^_^;; 火口へ降りる階段もきちんと整備されているが、火口にやってきている感じはしないのでなんとも微妙なところだ。(^_^;; 続いて近くに設置されている展望台へ。
 ここからは萩諸島を一望する事が出来て眺めがいいんだが、残念ながら雲が広がってきている。「晴れていればムチャクチャいい感じなのになあ・・・。」ということでせっかく一眼レフカメラはあるが写真を撮ったのは2枚だけ。しばらくここでくつろいでいると男性が一人やってきてこんな天気にもかかわらず写真を撮りまくっている。うーむ、よくわからん。展望台を出てから火口の周りの遊歩道を歩き、公園内を散策。他に見るべきものはないのでバイクの所に戻って出発。麓まで一気に降りてから明神池の道路脇にバイクを止める。
 この池は溶岩によって海から分離された池で、現在も海とつながっているらしく海水になっている。もともと魚はいなかったらしいが、昔放流された魚が育ち、今では数種類の魚が池の中を泳いでいる。そんなに深い池ではないので魚の泳いでいるのが上から丸見えでなかなか面白い。しばらく池の周りを歩いてからこの奥にある風穴と言うところへ。
 遊歩道を歩いていくと何やら店が見えてきた。「もしかして有料なのか?」と思ったが、ただの店みたいで別にお金を払う必要はないようだ。中に入っていくと空気が変わってかなり涼しくなってきた。(^o^) 風穴という所の前に行ってみるとさらに涼しくて気持ちがいい。しかし風穴と言うから大きな穴でも開いているのかと思っていたんだが、石が積まれている隙間から風が出ているだけで穴が開いているわけではないんだな。風穴と言うところから離れると一気に暑くなるのでしばらくここで涼む。
 この後はたんに走っていくだけだなとルートを確認してから出発。国道191号線に出てから海岸線を進み、道の駅「阿久」へ到着。(16時45分・183km)今日はここで温泉に入ってから近くでテントを張って寝るつもりだ。と言ってもまだ時間がかなり早いのでしばらく時間を潰さないといけない。ちょっと早いがする事もないのでここのレストラン「憩」で夕食をとる事にする。メニューを見てみるが、なんか一般的なものしかなくてちょっとガッカリ。しょうがないのでハンバーグ定食(750円)を注文。待っている間店内を見ていると「小次郎丼(海鮮丼)」と言うものがある事に気が付いたが、もう遅い。小次郎に引っ掛けて30cmくらいの長い箸が付いてくるようだ。
 しばらくして出てきたハンバーグ定食を食べるが、それほど美味しくない。しかもご飯の量が少なくてちょっとガッカリ。前来た時も同じ事を思ったんだったっけ?おなかも落ち着いたところでここにある温泉「テルメあく」へ。
 中に入ってみると入口にはかなりの数の靴が並んでいる。休憩室も一杯状態でちょっとためらわれる。受付に料金(300円)を払う時に「混んでますかねえ」と聞いてみると、中はそんなにいないですよとの返事。それなら大丈夫かなと中に入ってみると確かに中にいるのは湯船に一人と洗い場に4人(内二人は子供)だけ。しばらく湯船につかって十分くつろいでから休憩室へ。先ほどまで一杯だった休憩室もこの時にはもうガラガラになっていた。ここで18時までくつろいでから外に出る。荷物のパッキングをし直してから出発。
 今日の寝床を探しながら国道に沿って海岸線をひた走るが、いい感じのところがなかなか見つからない。先ほどまで曇っていた西の空の雲がだいぶん晴れてきて夕焼けが綺麗に見えてきたので途中で写真撮影。候補となるような場所はあるが、ちょっと中途半端でなかなか決まらない。しばらく走っていくと山の中に入ってきて、このまま走っていくと明日朝一で見ようと思っていたホルンフェンス大断層を通り過ぎてしまう。しょうがないので少し引き返して
道路脇にある小さなパーキングでキャンプする事にする。
 早速テントを設営して寝る準備は完了。夕焼けがますます赤みを帯びていい感じになってきたのでしばらく写真撮影。一段落したところでテントに潜り込んで早々に眠りにはいる。(19時)が、なんか
だんだん暑くなってきたような気がする。どうやら昼間に熱せられたアスファルトの熱でテント内の空気が暑くなってきているようだ。(T^T) 空気の通りを良くすれば大丈夫なんだが、自分のテントは片側しか開かないし、あまり開けっ放しで寝るのも抵抗があるのでガマンしてそのまま横になっていた。浅い眠りのままごろごろしているとやっと気温が下がってきた。よかったよかったと時計を見るともう0時を回っているではないか。早く寝よう。(-_-zzz
 01 県道に沿って走る線路の一場面
 02 萩城前にて
 03 吉田松陰の像の前で ここからの眺めはとてもいい(^o^)
 04 寒い!!!って夏にそんなことはありません。(^_^;;
 05 海岸線の夕焼け 地平線は残念ながら雲で覆われていました