韓国長期出張

韓国出張中に観光した内容です

2003年04月19日〜05月30日

全走行距離 ?km

05月08日 0km  釜山
 今日5月8日は韓国では仏陀誕生日と言う事で祝日になっている。会社の方も今日は休みなので久しぶりに一日休む事ができる。ってことで、今日は一緒にやってきているF氏と釜山まで観光に行く事にした。
 朝8時半にホテルを出発して近くのバスセンターへ。値段は何と3000won(300円)である。安いなあ・・・。とりあえず「釜山」(ハングルと漢字で書かれているのでわかりやすい)と書かれたバスに乗って出発時間を待つ。10分くらいして出発となったが乗客は自分たちを含めて5人だけ。うーむ、こんなんでやっていけるのだろうか?(^_^;;
 途中まで外の景色を眺めていたが、途中で眠りに入る。起きたときには出発してから1時間くらいたっていたが、全く町が近づいた感じはしない。「まだ到着までは時間がかかるのかなあ?」と思っているとバスの一杯止まった所が見えてきた。あそこがバスセンターか?と思われるが、周りにはほとんど町は見えず、とても釜山にやってきたようには見えない・・・。バスはその場所に入っていき、停車。乗客はみんな降りていく。一応確認してみるとやはりここが終点のようだ。釜山といってもかなり広いので、バスセンターは釜山の郊外にあるようだ。
 ここから地下鉄に乗って目的地である梵魚寺に行くつもりだ。他にもバスという手段もあったが、駅に寺の名前が付いているからその駅からそんなに遠くないだろうということで地下鉄乗り場へ。
 早速切符を買おうと思ったが、なんか買い方がよくわからない。(T^T) 発券機はあるんだが・・・。案内には700wonと800wonの二つしか料金は書かれていないが、一番近いので安い方で間違いないだろう。とりあえずお金を入れるが何故か返却されてしまう。どうやら先にボタンを押してからその料金を投入するシステムらしい。ボタンを押すと600wonと出てきたので最近になって料金の改定でもあったのだろうか?なんとか切符を購入してから改札(自動改札になっているが、形は遊園地とかの入り口にある回転式の改札)をくぐりホームへ。
 やってきた列車に乗るが、目的の梵魚寺は隣なのですぐに下りる事になる。持ってきたガイドブックと構内の案内を見ながら地上へ出ると「梵魚寺」という案内板がたっていた。ガイドブックを見てもここから坂を上っていくと寺へ向かうバスの発着場に着くらしい。せっかくだから歩いていこうかと思ったが、寺までの道がよくわからないので行きだけでもバスに乗っていくことに。90番のバスに乗ればいいという事だが、やってくるのは90番ばかりなので間違えようがない。(^_^;;
 ガイドブックでは1000wonとなっているが、ほんとにあっているのだろうか?(ガイドブックの料金はあまり当てにならない)周りを見てみるとだいたいの人が1000won札を持っているので大丈夫だろう。しかし、いざバスに乗ろうとすると料金は700wonとなっているではないか。(運転手が日本語で700wonですと言ってきた)小銭がないのでどうしようかと入り口で止まっていると、1000won札を料金箱に入れるように促される。「どうするんだろう」と思ったら、運転手の方で入れた料金を見ておつりを出してくれるようになっていた。なんだそうならそうと初めから言ってくれ!って言ってくれても理解できないけど・・・。(^_^;;
 バスに揺られて約20分、梵魚寺に到着する。もっと近いと思っていたが、思ったよりも時間がかかっていたのでバスに乗ってきて正解だったかも知れない。さすがに仏陀誕生日と言う事でかなりの人手である。通常は見学料1000won取られるが、この日は無料開放されているようだ。
 道に沿って店が並んでいるが、なかなか手を出す気が起きない。まあ、こんなところで腹をこわしてもしゃれにならないからなあ・・・。いい感じの渓流が参道に沿って流れているので、人が少ない時に来たらいいかも知れないが、さすがにここまで人が多いとねえ・・・。海外とかからの観光客と思われる人はいなくてほとんどが地元の人と言った感じである。
 しばらく坂道を上っていき、やっと門に到着する。さすがに日本と同じ仏教の流れをくんだ建物なので構造的には結構似通っている。最初の門をくぐると日本で言う仁王門があり、四天王像が奉られている。ただし、日本の四天王の顔とは違っていて、閻魔大王と言った感じの顔立ちである。ちなみに寺の創建は新羅時代らしいが、秀吉の文禄・慶長の役の時に焼失し、現在のものは1717年に再建されたものである。仏国寺と同じように、土台の石垣と石の三層石塔だけが当時のものらしい。
 3つ目の門を越えて境内にはいると境内一面に数多くの提灯が飾られていた。本堂などの仏像を見ながら境内を見て回り、来た道を引き返してバスを降りた付近まで戻る。なんか人が多すぎてどこに行けばいいのか逆に分からなくなってしまうなあ・・・。
 Kimさんがこの寺の裏にある金井山が見晴らしがよくていいと言っていたが、その山に行く登り口が結局よく分からなかった。近くにあった地図を見てみると途中から寺の左手に山を登る道があるような感じだ。このまま戻ってしまうとかなり早いので、せっかくだからともう一度行ってみる事にする。(10時半)途中でF氏が焼き栗を買っていたが、8個で2000won取られていた。後で聞いた所、
2倍くらいしていたようだ。英語で話しかけたからふっかけられたかな?
 途中まで先ほどと同じ道を通って、途中から脇道に入って進んで行くと、何やら案内板が出ている。意味はよく分からないが、標高801mと書かれているのできっとこれが目的の山なんだろう。山頂までの距離は約3kmとなっているので時間にして片道2時間といったところか?案内に従って歩いていくと途中から道なのか沢なのか分からないような所になってきた。ロープが張られているのと他にも歩いている人がいるのでまだいいが、そうでなければそっちに行こうとは思わない感じの所だ。(^_^;;
 しばらく登っていくと途中で分岐点があり、右に行くと寺か何かに行くようだ。ほとんどの人はそっちに行っていたが、山に行くには左だろうと左の道にはいる。ここからは更に道が荒れてきて、道というよりたんに沢と言った感じの所になる。足を滑らせないように注意しながら登っていくが、さすがにF氏のペースがおちてきたので先に行く事になる。
 道とは思えないような道をしばらく歩くと、急に整備された遊歩道になって歩くのが楽になる。そこから少し行くと正面に石の壁と門が見えてきた。(11時45分)ここは日本や中国の侵略に備える為に作られた山城の城壁と門であるが、いったんは放棄され、最近になって復元されたものである。周りを一気に見渡す事の出来る場所で眺めがとてもいいが、曇り空というのが残念である。
 ここの説明板を読んでみるが、日本語の説明内容はハングルと英語で書かれている内容の半分もない。一通りの説明を読んで(勿論ハングルは読めないので英語と日本語だけ)待つ事10分。やっとF氏がやってきた。ここから山頂までは1kmくらいあるが、さすがに行く気は起きないようだ。まあ、天気もあまりよくないし、風もむちゃくちゃきついのでやめておいた方がいいかも知れない。
 ここで一段落してから来た道を引き返す。道は相変わらず歩きにくいとはいえ下りはやはり早い。しかし気を抜くと滑ってケガしてしまいそうである。
 バス乗り場に戻るとすでに13時になっていてさすがにおなかがすいてきた。このあたりにはまともな食事を出来る所が見あたらないのでいったんバスで麓まで下りなければならないだろう。バス代は行きは700wonだったが、帰りは600wonとなっている。
 出発してすぐに渋滞にはまってしまったが、途中からやっと道もすいてきた。道路脇に車を止めるのはある面しかたがないが、止めるならもっと端に寄せて止めろよなといいたくなるくらい適当に止めている車が多い。
このバスもこっちでは普通なんだろうが、そんなに広くないところでかなりの速度で走るのはやめて欲しいものだ。(^_^;; 途中の道は一方通行なので帰りのルートの走行距離はそんなに長くなかったようである。
 バス乗り場から地下鉄乗り場に向かって坂を下りながら、途中の店をチェック。ハッキリ言って表の看板を見ても何の店か分からないので結構冒険である。(?_?) 人が結構はいっていそうな店に入っていると、お客さんがうどんのようなものを食べていた。ってことで自分たちもこれを注文。(カルククス)しばらくして出てきたものは煮込みうどんのような感じで腰もあってなかなかおいしいものだった。F氏がキンパプ(海苔巻き)を食べた事がないというのでこれも一つ注文した。おなかも満足した所で地下鉄へ。ちなみに料金はカルククス3000won、キンパプ1500wonとかなりの安さである。(F氏がおごってくれた)
 地下鉄で釜山の中心街に行こうという事で切符を購入。(700won)
F氏は何も考えずに改札を通り抜けるとそこは反対方向のホームだった。(@_@)(こっちでは改札から上り下りが別れている)ちゃんと見てから入ってよね。(^_^;; さすがにこのまま出てしまうとせっかく買った券が無駄になってしまう。どうしようかと話をしていると、ちょうど駅の係員と思われる人(私服だったのでよく分からない)がやってきて、なんか特別な券みたいなものを通してくれて事なきを得たが・・・。ちなみにこのような事にならないようにとガイドブックにも書かれていた。(^_^;;
 しばらく待ってからやって来た電車に乗り込んで出発。ガイドブックを見てみるとだいたい30分くらいかかるようだ。しばらく何事もなく外の風景を見たりガイドブックを読んだりしていると、おもむろに大きな声で話し始める人が・・・。(@_@) 「変な人なんか?」と思ったが、どうやら商品を売っているようで、その商品の説明をしているようだ。到着までの30分くらいの間に3人がやってきたが、最初はラジオみたいなモノ(なんかよく分からない)、続いてバンドエイド(50個セット)、最後はCDセットだった。けっこう買っている人がいるので、こっちではほんとに普通の事なのかも知れない。
 30分以上かかって釜山タワーの近くの南浦洞(ナムポドン)駅に到着。地下にいると場所がよく分からないのでとりあえず地上へ。あたりを見てみるが、建物が邪魔をして釜山タワーが見えない。少し歩くと建物の隙間にタワーを見つけ方向を確認。しかしなんで有名な所なのに町中に案内が出ていないんだろう?
 タワーの前には秀吉の軍勢と戦った李将軍の銅像が建っている。まあ、日本からの侵略を防いだ英雄だからなあ・・・。韓国の方からの歴史を見ると日本で習う歴史と違っていてなかなか面白い。内容が自国びいきになっているのはどこの国にもある事だろう。ちなみに韓国ではこの時世界で始めて鉄鋼船を建造して戦ったとあるが、信長が作った鉄鋼船の方が早かったと思う。
 釜山タワーへの登頂券は3000wonとまあ普通の値段となっている。早速券を購入してエレベーターの方へ行くが、ちょうど団体が着いた所だったようでかなりの混雑ぶり。しばらく待つ羽目になる。さすがに蔚山と違って日本人の観光客の姿を見かける。蔚山では観光客自体がほとんどいない感じだからなあ・・・。(
 最上階の展望台は他のタワーと同じように周りがガラス張りになって360度見渡せるようになっている。それはいいんだが、観光客が多すぎ・・・。(T^T) ここから眼下に釜山の町並みを見下ろす事が出来る。晴れていれば対馬まで見える事もあるそうだが、さすがに曇っている今日の天気では見る事が出来ない。港には関釜フェリーが停泊しているのが見えた。しばらく展望を楽しんでから下りる。
 2階がおみやげ屋になっていていったんここで下りなければならない。土産屋の前を通るとやはり分かってしまうのか、日本語で声を掛けてくる。キーホルダーでも買おうかと思ったが、
「これ銀製のキーホルダー!ここでしか売っていない。5000wonで安い。」「うそつけ!」と言いたくなる内容を言ってくるので嫌気がさして買うのをやめる。銀製どころか銀メッキもしていないだろう!(-_-X(表面の光沢が銀ではない)こんなんでホントに信じる人がいるんだろうか?(^_^;;
 このあと近くにある国際市場でもうろついてみようという事になり、ガイドブックの地図を頼りにそちらに向かう。しかしなんか道が入り組んでいて、現在地が分からなくなってしまった。(T^T) (ガイドブックの地図はかなり縮尺の小さなものしかない)目印になるような建物はあるが、文字が読めないのでどれがその建物なのか分からない状態。いったん「こっちだろう」と途中まで歩いて「やはり違うんじゃないか」と引き返し反対側へ。ここでやっと今の場所が判明し、最初の方向でよかった事が分かる。よかったよかった。ということで来た道を引き返して歩いていくと国際市場の案内を発見する。
 かなり狭い通りの両側に店が並んでいるが、その狭い通りをバイクが通るので結構危ない。色々なものが売られているが、衣類関係の店が多い気がする。見た目おいしそうな食べ物が売られているが、どうもおなかの方が心配で手が出せなかった。パジョン(日本でチヂミと言われているが今では韓国では使わないらしい)やおでんみたいなものなどとてもおいしそう。そのまま青空食堂の方に抜けると通りの真ん中に屋台の食堂がずらりと並んでいる。しかしここでも何も食べなかった。後で聞いてみると生のものは危ないかも知れないけど、火を通しているものであれば大丈夫だったらしい。
 市場を抜けて大通りに出てから先ほどの地下鉄駅に戻って釜山駅前へ。駅に入って蔚山までの切符を購入。なんと1800won!出発は16時半となっているので30分くらい待たなければならなかった。
 時間になった所で改札をくぐるが、ここはまだ自動化されておらず、改札で切符にはさみを入れていく形式である。なんかとっても懐かしい・・・。(^_^;;
 ホームは日本と違ってかなり低く、列車に乗るには階段を上らないと行けない形だ。さすがに席はがらがらだったのでバラバラに座って出発を待つ。出発した所で各駅の到着時間の車内放送がかかる。さすがに韓国語なのでほとんど聞き取れないが、蔚山18時20分と言っているようだった。いくらなんでも2時間はかからんだろう?17時20分の聞き間違えだろう。
 なんか思ったよりも列車のスピードが遅い・・・。途中から人も増えてきて席は一杯になっていた。途中の駅は自分の持っているガイドブックには載っていないものが多く、現在地がよく分からない。1時間くらいたって「もうそろそろ蔚山が近づいてきているのかな?」と思って到着した駅は「海雲壺」という蔚山と釜山の中間ぐらいの駅だった。「まだ半分?」ってことは車内放送通り到着まであと1時間はかかるのだろう。なんでバスで1時間のところが列車で2時間もかかるのだろう?
 そこから更に1時間列車に揺られてやっと蔚山駅に到着する。さすがにここまで乗ってきている乗客は少なく、すでに半分を切っている感じ。駅を出た所でタクシーを捕まえて18時半にホテルに戻る。
 01 北門の前でF氏と
 02 釜山タワーからの眺め
05月17日 0km  慶州
 今日は客先のKimさんが慶州まで案内してくれるということで、7時半にホテルのロビーで待ち合わせをしてからKimさんの車に乗って出発。国道7号線を一気に北上。今日は慶州にある南山という山に連れて行ってくれるようだ。
 着いた所は南山の登山口になっており、近くに三稜という新羅時代の王族(第8代阿達羅王、第53代神徳王、第54代景明王)の古墳が3つ並んで作られている。こっちの古墳は円墳が多いようで、日本のように周りに堀が作られている訳でもない。相変わらず韓国語と英語の説明文は詳しく書かれているが、日本語の説明内容は半分もない。kimさんが水を買ってくるのを待ってから登山を開始する。(9時)
 この南山には昔100個以上の寺が点在していたらしいが、現在では跡が残っているだけである。このためか登山道の途中には石像などが数多く点在している。途中に道らしきものはあるが、まともに整備されていないので、沢なのか道なのかがよく分からない。所々に案内の表示は立っているが、もう少し目印が欲しいものだ。途中にリスなどの動物を見かけるが、こっちでは珍しいものではないようだ。
 途中で岩に描かれた仏像、頭のない仏像などを見ながら登っていくとお寺が見えてきた。今現在この山にある唯一の寺らしい。そこから少し登った所に磨崖釈迦如来像という岩山に掘られた仏像があった。頭の部分だけはちゃんと立体に掘られているが、体の部分は岩に描かれているだけである。ここから眼下に平野を見下ろす事が出来、Kimさんが気に入っている所らしい。(^_^) ここでしばらく展望を楽しんでから更に先へ。遊歩道に沿って歩いて山頂に到着。
 ここから来た道を戻るのかと思ったが、道は尾根に沿って一周できるようになっているらしい。ただこっち側の道はかなり急なので登って来るにはかなり大変なようだ。途中かなり危険な所もあったが、なんとかそこを過ぎて途中から先ほどの道と合流する。(11時半)
 さすがもうお昼という事でおなかも減ってきたので近くに店に行ってカルククスを食べることにする。前回食べたものとちょっと違っていて今回のはちょっと腰がない感じにものだった。日本でも地方でうどんが違うようにこっちも場所によって同じ名前でも違うんだろう。
 食事を終えてから街の中心の方にある国立慶州博物館へ。慶州市は紀元前57年頃朴赫居世(パクヒヨコセ)が都に定め、その後約1000年に渡り新羅の都として栄えた所である。文化財約400点を保有する巨大な遺跡都市になっており、1995年にユネスコにも登録されている。日本で言うと奈良や明日香地方のような感じである。現存する建物はほとんど残っていないが、純金製の装飾品など多くのものが発掘されている。入場料は400won(40円)とむちゃくちゃ安くなっているのは嬉しい所だ。
 まずは中にはいると正面に大きな鐘が見えてきた。これは聖徳大王神鐘と言われるもので、771年に作成されたものである。鐘の重さ18.9トンもあり、竜の彫刻などが施されている。鐘の音が聞こえていたので勝手に突く事が出来るのかと思ったが、残念ながら棒の部分は固定されていて突く事は出来ない。鐘の音は録音されたものを定期的に流しているだけのようだ。

聖徳大王神鐘
統一新羅時代の第35代景徳王(742〜765年)が先考である聖徳大王(702〜737)の功績をたたえる為に作ろうとしたが失敗に終わり、彼の子である彗恭王(765〜780年)が7年(771年)に完成した。
当初聖徳大王の願刹であった鳳徳寺に置かれていたが、この寺の廃寺の後、霊廟寺、慶州邑城、東部洞の旧博物館に移され、1975年に現博物館の西側庭園に移転された。鐘頂には韓国梵鐘の特徴である鐘を掛けた鐘紐と竜を形どった音筒がある。鐘身の左右には、この鐘の来歴である銘文が彫刻されている。前後には打鐘位置である鎮座が一つある。
30余年の歳月をかけ、銅12万斤を費やして造られたこの鐘は重さ18.9トンである。優雅な形態、華麗で精巧な装飾、雄壮で余韻が長く美しい鐘音などは、他の鐘ではみられない世界的な傑作である。この鐘はエミレーの梵鐘、または奉徳寺の鐘とも呼ばれる。これは鐘を鋳造する時に女の子を人柱として溶けた銅の中に投げ込み、完成後に鐘を突いたところ「エミレー(お母さん)」と聞こえたという悲しい伝説から付けられたものである。

 順路に沿って通路を歩いていくとそこら中に付近で発掘された石像が展示されている。歴史が古い事もあり、文献などが残っておらず由来不明というものが多い。展示館にはこれまた数多くの展示物があり、見るだけでもかなりの時間がかかってしまう。基本的に発掘されたものがほとんどなので書籍や絵画などではなく、石仏や装飾品、生活用品などがメインとなっている。古墳から発掘された純金製の金冠はなかなか見応えのあるものだった。一通り見終わった所で車の所に戻って出発。結局ここで1時間半くらい見学していた。
 このあと近くにある雁鴨池という674年に建築された庭園に行ったが、外から眺めただけで中には入らなかった。他にもいろいろ見る所はあるが、ほとんどが土台だけが残っているといったものである。ってことで慶州を後にする事にしたが、急にしゃれにならない眠気が襲ってきてフェードアウト。10分くらい眠ってしまっていたようだ。この後は国道7号線を南下し、14時半にホテルに戻る。
 03 頭の無くなった石仏
05月18日 80kmくらい  蔚山
 外の天気は曇り空とちょっと心配な天気だが、雨は降らないとの予報。せっかくこっちに来て自転車まで買ったのにどこにも観光(近くを数時間乗り回したりしたが・・・)に行かなかったではもったいないので蔚山の南にある西生浦倭城(ソセンポウェソン)という日本の城跡に行ってみる事にする。
 8時半にホテルを出発し、蔚山の観光案内地図を頼りに自転車を走らせる。細かい地図ではないのでメイン通りを走っていかないと訳が分からなくなってしまうだろう。ただ地図がかなりデフォルメされているものなのでメインの道路を通っていったとしても間違えるかも知れないと言う不安はあるが・・・。(T^T)
 まずは何回か走った道を通って産業タワーを目指す。あいかわらず自転車用の通路はあるが、まともに考えられていないようで、むちゃくちゃ走りにくい。しかも歩道に車を止めたりするのが普通になっているのも困ってしまう。基本的に車優先社会のようである。あと信号もよく分からなくて、日本だと車と一緒の方向が青の時は歩行者も青になるが、ここは車の信号を元に色々違うので迷ってしまう。(T^T)
 産業タワーを左折して国道14号線方面へ。しばらく緩い坂を上っていくと長い下りとなって一気にスピードが乗ってくる。しかし帰りの事を考えるとあまり嬉しくないようにも思う・・・。途中で歩道を塞いでいる車がいたので「相変わらず舐めてんなあ・・・」と思ったら、どうやら事故って動かないようだ。しかし何で歩道内側からガードレールに突っ込んでいるんだろう?
 メイン通りの歩道を更に進んでいき、途中から細い道へ。細い道は車の走っている数は少ないが、歩道などなく、後ろから車が来るとちょっと恐い。店の前を通った時に、せっかくホテルに置いてあるミネラルウォーターをもって来る事を忘れた事に気が付いた。途中で買っていく事にしよう。
 途中から国道14号線と合流し、また大きな道路になってしまった。しばらく走っているとなんか自動車専用道路みたいな所になったが、案内板もなかった(と思う)から気にしないで走っていこう。(^_^;; 地図を確認しながらひた走り、西生浦倭城の案内板を見つけて左折。
 ここから蔚山温泉の町中を抜けて走っていくと徐々に田舎の風景になってきた。その先で発見した案内に従って住宅地に入っていくが、道が入り組んでいるのに案内板もなく、どっちに行ったらいいのかよく分からない。おそらく山の方だろうと適当に走っていくとやっと案内板を発見。この上に見える山が目的の城跡らしい。
 案内板にはあと200mとなっているが・・・とてもではないが自転車に乗って登るのは無理だろうという程の急坂。(T^T) 素直に坂の下に自転車を置いていったほうが楽なんだが、取られても困るので自転車を降りて押していく。最初のうちはコンクリートできれいに整備されている道だったが、途中から石が転がるダートコースになる。途中まで自転車を押して登っていたが、さすがに階段を見た時にはあきらめてそこに自転車を置いていく。途中から石垣が見え始めたが、さすがに時間をかけて作る平和時代のものではない為、石垣はそんなにきれいではない。そこから少し登った所でやっと本丸跡に到着。(10時半)

西生浦倭城
壬申倭乱(文禄の役)の初期、1592年(宣祖25年)7月から 1593年(宣祖26年)にかけて倭軍の将軍・加藤清正が監督し、石で築いた16世紀末の典型的な日本の城である。標高200mの山頂に本丸、山の中腹に二の丸、山の麓に三の丸を築いた。城壁の高さは6m、傾斜は15度あり、城の全体の形は長方形である。本丸には将軍の居城である天守閣と将軍水があった。
1594年、僧侶・四溟(セミョン)が4回もこちらに来て平和交渉を行ったが失敗した。その後1598年、明の明貴将軍の援助で城を奪った。その1年後、和冦との戦争で戦死した53名の忠臣の為に蒼表堂を建てたが、日本帝国時代に壊され、現在は跡形もない。
現在韓国に残る倭城(日本式城郭)の中では一番保存状態が良い。

 本丸後には何も建物は残って折らず、半分壊れかけた石垣が残っているだけ。案内板を読んでから石垣の跡を見ながら近くを散策。確かに感じは日本の城であるが、何カ所か後から手を加えているんじゃないかというようなところがある。石垣もかなり荒れていて、全く整備も入っていない状態。天気が良ければここからの眺めはかなりいいんだろうが、もやがかかっていて遠くの方は白くなっているのが残念だ。(T^T)
 ここにテントが張ってあったので何かと思ったら、観光案内の受付のようだ。といってもお金を取られる訳ではない。もちろん係の人は日本語や英語などは出来ないが、日本語のパンフレットをいただく。ここで記帳をしてから来た道を引き返す。書かれているのはやはり韓国人ばかりのようだ。
 自転車の所に戻って出発するが、あまりにがたがたの道なので速度は出せない。コンクリートの道になった所で一気に坂を下って大通りへ。この途中で車の中から子供に声をかけられたが、何と言っているか解るわけもない。(^_^;; もう戻ろうかと思ったが、せっかくなのでもう少し先へ行ってみよう。さすがに喉が渇いてきたのでその先の店で水を購入、喉の渇きをいやす。
 近くに鎮下海水浴場という海岸があるようなので行ってみるが、もやがかかっているせいであまり眺めがいい訳ではない。おなかも空いてきたので何か食べたい所だが、あまり変なものはおなかが心配。このあたりは刺身が有名らしく、海岸線に沿ってそれらの店が軒を並べている。
しかし刺身なんかもっと危ないので手を出すのはちょっと・・・。(^_^;; っていうことで結局何も食べないままここを後にする事になった。
 同じ道を通ってもあまり面白くないので橋を渡って対岸へ。河川敷の道はかなり荒れたダートだったので走行は断念。その先にあった道が国道14号線に抜けれそうだったのでその道に入ってのどかな田園風景を横目に自転車を走らせる。
 国道14号線にでたところであとは来た道を引き返すだけとなるが、さすがに体力的にきつくなってきた。やはり何も食べていないのもまずいのかも知れない。
エネルギーがいきなりゼロ状態に陥ってしまった・・・。(T^T) 途中で何回か休憩をとりながらひた走り、産業タワーが見えてきた時にはほっとする。(^_^) ここから一気に走ってホテルに到着。(14時半)時間的に考えて今日の走行距離は80km位だが、さすがにいきなり自転車で走るとへろへろになってしまう・・・。(T^T)
 04 城の本丸跡にて
 05 海岸線をバックに
05月24日 40kmくらい  蔚山
 ホテルに置いてあったガイドブックを見て蔚山に射撃が出来る場所があるというのをチェックしていた。やはり一度は銃を撃ってみたいと思って、昨日ホテルのフロントにその場所について確認して貰ったが、10発につき5000円、そこまでのタクシー代が片道2000円くらいと聞かされていた。「送迎有りと書いてあったんだが、無理なのかなあ?」と思ったが、確認は取らなかった。
 自分が持っているガイドブックにはその射撃場の場所は載っていない。しかし地名を考えるとある程度の場所までは検討が付けられる。「車で20分くらいと書いてあるので、自転車でも行けるかも知れない距離かも知れないなあ・・・」と言う事で、観光をかねて自転車で行ってみる事にする。しかし、朝からどうも天気が悪くて出かけるかどうか悩んでしまう。天気予報では一応雨が降らないようだが、途中で振られたら最悪だからなあ。しかしこのまま部屋でくつろいでいてもさすがにもったいないってことで、意を決してホテルを出発する。(10時半)
 先ずは産業タワーまで走り、そこから右折。一気に坂を下って新福ロータリーへ。このロータリーから川沿いの道にはいるのだが、その道がどれなのかよく分からない。危うく自動車専用道路に入ってしまう所だった。(^_^;; 途中で気が付いて引き返し、目的の道と思われる道路に入ったが、どうもおかしい。徐々に道幅が狭くなっていき、最後はT字路になっていた・・・。(T^T) やはりもう一本先の道路だったか。
 そこから大きな通りに出るとちょうどそこに道路案内があったので現在地を確認。だいたいの位置をつかんでからその先の橋を渡る。このまま道路に沿っていけば最初の目的地である立岩にたどり着けるはずである。
 そう思って進んでいくが、なんかどんどん道が狭くなって行くような・・・。(?_?) なんか変だなあと思いながらも方向はあっているはずだと走り続けると・・・行き止まりやん!ってことで小学校の門のところでどん詰まりになっていたので引き返すしかない。「先ほどの分かれ道でもう一方に行かないといけないんか?」と思ったが、どう考えても方向が逆になっている。
「おれは一体今どこに居るんだ〜〜〜!」と叫びたくなってしまう。
 ちょうどバス停でバスを待っていた人がいたので聞いてみる事に。さすがに言葉が分からないので、「今どこか、立石はどっちに行けばいいか」とジェスチャーで伝えようとするが、なんか急に電話して「英語が話せる人に変わるから」という感じで電話を渡された。確かに親切は嬉しいんだが、自分がどこにいるのかも説明できないのに電話で道を尋ねようがない。(^_^;; 今のだいたいの位置と方向さえ教えてくれればいいのになあ。さすがに電話での確認はあきらめてお礼を言って来た道を引き返す。(T^T)
 いったん先ほど渡った橋まで戻ってみたが、どう考えてもこっちであっている筈なんだが・・・。その付近をウロウロしていると、何やら続いていそうな別の道を発見する。「もしかして?」とそっちの道に行ってみるとそっちの道はちゃんと川に沿ってつながっているようだ。自分の持っている地図では絶対に解らない、というか知らないと気が付かないぞ・・・。そこの道を走っていくと、目的の道路に出る事は出来たが、先ほどの道を聞いた所からまっすぐ進んでいれば団地の中を通っていく事になるが、ここに抜ける事が出来たかもしれない。
 ここから川沿いの道を走っていくが、歩道も何もないので結構危ない。途中の河原には日本と同じようにバーベキューなどをしている人達の姿を見かける。しばらく走って橋を越え、ひたすら走っていくが、立岩というものは見えてこない。いい加減に山の中に入ってきて坂もきつくなってきた上、目的の建物も全くありそうにない。自分の位置がまた分からなくなってしまって、途中の交差点で地図とにらめっこ。しかしどう見ても場所が判断できない。(どうやら地図が古くて道が新しくできていたようだ)
 まあ適当に「こっちくらいかなあ?」と右の道にはいるがかなりの急坂で途中でイヤになり引き返す事にした。先ほど登ってきたので帰りはかなり楽で一気に坂を下っていく事が出来る。引き返していると先ほど橋を渡った所にやって来て、ここが立岩の近くにある橋だったのかと再確認。もっと早く気が付いていれば・・・。(T^T)
 その先にある休憩所みたいな所に行ったが、タダの公園で立岩というものは見あたらない。一体どこにあるんだろうと近くをうろついてみると砂利道を進んだ所から対岸に立岩と思われるものが見えていた。川の向こうに柱のようになっている岩が・・・。「なんだこれのことか・・・。と、ちょっとガッカリ。ってことで写真だけ撮って引き返す。
 さすがにもうへろへろになってしまった事もあり、天気もなんかやばい感じになってきたのでまっすぐホテルに帰る事にする。途中少し雨が降りかけたが、なんとか雨が降ることなくホテルに到着。(13時半)
 01 
05月25日 0km  蔚山
 朝からずっと雨でなんか嫌な感じ。さすがにこんな天気では自転車に乗る事は出来ない。やはりせっかくここまで来ているんだから一度くらいは射撃をやっておこうと思い、お金はかかるが行ってみる事にする。フロントに行ってタクシーを呼んで貰って射撃場の「斗東一信ランド(DOODONG ILSHIN LAND)」まで行って貰うようにタクシーの運転手に説明して貰って出発。
 少しは雨が弱くなってきたと思っていたんだが、しばらく走っていると雨は更にひどくなってきた。場所は昨日自分が自転車で走っていた道であっていたようで、「そのまま走っていたら着いていたかもしれないなあ・・・。・」と思ったが、自分が行った所からさらに
1時間は走らないといけないくらい遠かった。これは自転車で行くのはちょっと無理だな・・・。(^_^;;
 やっと到着したが(18000won)、なんかひっそりとしていて開いていない感じ。タクシーの運転手に確認に行って貰うとその建物ではなく、隣の建物のようだ。そっちにタクシーを付けて貰うと建物から係の人が傘を持って出迎えてくれた。これで開いてなかったらホントにタクシー代の無駄遣いになってしまうからなあ。(^_^;;
 建物の中に入って先ずは説明を受ける。日本語は無理だろうなと覚悟していたら、かなり流暢な日本語で説明されてしまった。なんだ、これだけしゃべれるんだったら自分で電話しても問題なかったなあ・・・。
 料金は聞いていたよりも少し安く、一番高いので10発5000円、安いのは10発3000円となっている。普通の射撃とクレー射撃があるが、クレー射撃は屋外でやる為さすがにこの天気ではちょっと無理だろう。4種の銃を撃てるコースも準備されており、コースだと10発分くらい安くなる感じである。ってことで、9mmWALTHER P-38、9mmBERETTA、357S&W MAGNUM、45HKを10発ずつ撃つ「ルパンコース」というのをオーダー。説明が日本語を中心に書かれている事を考えると日本人の客が一番多いんだろう。
ルパンコースとかルパン三世(わるさーぴーさんじゅうはち〜、この手の中に〜い〜)を知らないと意味が分からないからなあ。
 まずは簡単に銃の持ち方から打ち方の説明を受ける。的までの距離は15mで照準などはゲーセンなどでやっているので解るが・・・。早速9mmBERETTAに実弾を込めて先ずは一発目・・・「ガン!!!」思ったより反動がある。ちょっとびっくりである。照準は合っていたようで、いきなり9点となった。手に力が入る。汗が出てくる。このあと反動を恐れてしまったのか手首に力が入りすぎたようで中心に当たらなくなってしまった。
 続いて9mmWALTHER P-38、ルパン三世が愛用している拳銃である。反動などは先ほどのベレッタと似た感じ。照準が震えてなかなかあわせることができない。うーむ、緊張する。
 次に撃ったのはリボルバー式の357S&W MAGNUMである。自分としてはこれの方が銃という感じでなかなか気に入っている。この銃のトリガーはかなり軽くて良かったが、相変わらず手が震えてなかなか上手く当たらない。
 最後に45H・K。肩と腕に力が入りすぎているといわれ、頑張って(?)力を抜いて撃ってみる。どうも反動を抑えようとして撃つ為手首が下がってしまうようだ。最初に撃ったときの反動が頭に残ってしまっているんだろう。今度は反動を腕を上げる事によって和らげて今までで一番いい感じで撃てた感じ。
 結局、点数は以下のようになり、平均点は68でした。
 9mmBERETTA
  10点=1、9点=2、8点=2、7点=2、6点=1、5点=2、的外=0、紙外=1の計=69点
 9mmWALTHER P-38
  10点=1、9点=3、8点=1、7点=1、6点=1、5点=0、的外=2、紙外=0の計=58点
 357S&W MAGNUM
  10点=1、9点=1、8点=4、7点=1、6点=0、5点=2、的外=0、紙外=1の計=68点
 45H・K
  10点=2、9点=2、8点=3、7点=1、6点=1、5点=0、的外=0、紙外=1の計=75点
 30分くらいで射撃は終了。話をするとホテルまでの送迎はいつでもやっているようで、連絡さえすれば来てくれるそうだ。初めから解っていればタクシー代の4000円分が浮いていたんだがなあ。(T^T) 今度天気がいい時があればまた来よう。ってことで見送られてホテルに戻る。(13時半)
















 06 9mmBERETTA
 07 9mmWALTHER P-38
 08 357S&W MAGNUM
 09 45H・K