あっこちゃんを励ます会

もとぴー物語の完成・・・

参加者はもとぴー、やっぴー、かんちゃん、鴨吉、Y水、乾博士、エミリィ、王将男、あっこちゃん、1号、新田先生、ともみちゃんの12名でした。

著者:王将男・鴨吉・エミリィ

全走行距離 ?km

05月18日   バイク移動距離 0km   大阪府 梅田
あれは新入社員がそろそろ会社が嫌になる、ゴールデンウィークを過ぎた5月18日に起こった。その日は「あっこちゃんを励ます会」でらいらっくの皆は集まり、私はらいらっくの皆と久しぶりに会うので楽しみにしていました。そして何事もなく始まった会でありましたが、もとぴーは乾博士の横に座っていました。
最初はごく普通に過ぎていたんですが、もとぴーと乾博士は日本酒を飲み始めたのです。それからというものもとぴーは異常なほどのハイ状態に陥ってしまいました。後で聞いてみると乾博士は昨夜に一人で居酒屋で飲んでおり、その話を聞いたもとぴーが
「これなら勝てる」と勘違いをしてしまい乾博士と飲み比べたそうです。そんな事もありいつもよりアルコールの入ったもとぴーは上機嫌となってしまいました。しかし時間になり追い出されるように下に降りた私達の前には乾博士の姿は無かったのです。
そしてもとぴーの方はといえば、次の日のエミリィのことを心配し、私に「明日は俺とエミリィは朝が早いから二次会はおこう」と言ったので私と鴨吉は納得したんですが、エミリィが事故の事情聴取等に慣れておらずにいたんで私がアドバイス的な事を話する形で4人(王将男・鴨吉・エミリィ・もとぴー)でエミリィの家に行く事が決まったのに、もとぴーは茶店でも行こうということを言い出して行く事になったが、皆がバラバラになって集まりが悪い時にもとぴーというと、次の日に淡路島に行くのにあっこちゃんを連れて行こうと口説いていたが、その内容というのは、あっこちゃんが保険会社に勤めているだけで強引に連れて行こうとしていた。しかもあっこちゃんは断っているにもかかわらずもとぴーはそれでも連れて行く気持ちだけであった。
やっと皆も集まり田園に向かって歩いていったわけですが、その間のもとぴーと言えば千鳥足でエミリィに寄り掛かるように歩いていました。そして田園に着くと一人で上に上がっていくもとぴーを私は追いかけて行きました。田園の前には誰かを待っているような女性が二人いたんですが、もとぴーは何を血迷い、何を考えていたのか判りませんが、
その内の近い方の一人に抱きついていったんです。その時に私はもとぴーが完全に出来上がっていると確認したんです。
しかしもとぴーは田園が開いているかどうか確認したので、私は「もしかしてもとぴーは素面でその辺の女性に抱きついたのか?」と思いましたが、もとぴーが店の人に言われて上の階に行く時に、
「あの女ら、ナンパしたら絶対に引っ掛かるで」ともとぴーは言ってきたので私の確信はあっていたのでした。
皆も来てエスカレーターを昇って行き、一番上に来たと同時に他の人が喧嘩を始めてしまい、もとぴーは
その喧嘩の中にも入って行こうとしていたので私はそのままほったらかしにしていましたが、他のらいらっくの誰かがもとぴーを止めていたように思います。その喧嘩もあり気分を害した私達は下に降りたんですが、運悪く田園の前にはポルノ映画館があり、何処に行こうか悩んでた私達の前でもとぴーはあっこちゃんをポルノ映画館の中に連れて行こうとしていました。
そして行き場の無くなった私達は取り合えず知っている茶店に行こうということで御堂筋の方に歩いていきました。
その間ももとぴーはあっこちゃんやエミリィにも抱きついていましたし、反対側に行こうとしている女の子にも抱きつきそうになったりしていました。その人には連れもいて私はその人に睨まれたりし情けない思いもしました。そして何と言っても御堂筋の交差点で信号待ちをしている時にももとぴーはあっこちゃんに抱きついたが、抵抗したあっこちゃんに押されたもとぴーは酔っぱらっているせいもあり、力の無い女性に押された勢いでもよろけてしまい何かに寄り掛かろうとしたもとぴーは、交差点とかで最近良く見るようになったゴミ箱に抱きついて倒れそうになるのをこらえてたが、私はその状態で笑っているもとぴーを見ると何も考えたくなくなっていました。
しばらくして信号が青になって皆が渡って行きましたが、私・鴨吉・エミリィ・やっぴーとそのお連れの5人は先々行く皆から遅れるように歩いていました。その信号を渡っている時に私はやっぴーに「もとぴーがあ〜ゆう風になったん見たことあるんか?」と聞いてみると「いや、あ〜ゆう風になったん見たんは初めてや」と言ったんで、そうなると私達がああいったもとぴーを見た事がある訳ないので、対処できなくても仕方がないと言い訳している自分が少し嫌になっていた。先に行っているあっこちゃん達を心配しつつも足が前に進もうとしないのが自分でも判っていた。そして周りの人も自分と同じペースで歩いていたので、別に前に追いつかなくてもいいんだなと思いこのままのペースで歩いていました。
しかしまたもや閉まっていたのか何かで行けなくて行き場のない私達は途中で止まってしまいました。そこでももとぴーはあっこちゃんにしつこく付きまとい、明日の事をまたも持ち出して一緒に連れて行こうとしていました。仕方が無くなった私達はここで解散という事で話がまとまったんですが、その時のもとぴーといえば
よく喋ったり笑ったりしている姿が目に付いていました。酔っぱらっている為に大きな声で喋ったり騒いだり、見知らぬ女性に抱きついたり話しかけたり、酔っぱらい同士の喧嘩している所にも加わろうとしたり、エミリィや特にあっこちゃんに抱きついたりし、挙げ句の果てにあっこちゃんとポルノ映画に入ろうとしたり、断っているのに淡路島にまで連れて行こうとしている。
そして私達が行く所が無くなったので話している最中にももとぴーは店の前に置いてある自転車を蹴って倒そうとしていたので、その自転車を支えていたのが、エミリィであった。私はこの前の日に考えていたことがあったが・・・まあ仕方がないだろう。
そんな事があり皆それぞれに解散する事になったが、もとぴー・かも・エミリィ・私のいつもの4人にかんちゃんが加わってエミリィの家に行く事になったが、なんとかんちゃんが他の人と飲みに行ったんです。酔っぱらっているもとぴーをそのままにして面倒な事を鴨吉に任せて来なかったのです。いまさらそんな事を言っても仕方がないので止めましょう。
そして、心配ではあったが私はバイクで来ていた為に御堂筋の交差点で別れる事となってしまうので鴨吉にもとぴーとエミリィの事を頼んで、私はFZへと向かう為に変わろうとする信号を皆と別れて渡っていきました。
しかしここまでの出来事はほんの始まりでしかなかったのです。この先どんな事が鴨吉とエミリィに待ち受けているのか、それはこれから始まる一つ一つの事が皆さんにも感じて貰えるでしょう。
王将男にあっこちゃんとエミリィを任された私は、とりあえずもとぴーも連れて駅の方に歩いていった。駅の手前でもとぴーがあっこちゃんにまた絡んでいったので、先にあっこちゃんを帰らし、やっぴー達も帰らした。
しかし、それからが大変だった。もとぴーは女の子を見るたびに
「絶対ナンパしたらいけるぞ」とか「ひおぴーおったら完璧やのになー」などと喚きつつ女の方に駆け寄ろうとする。私はそれを止め、地下鉄の改札まで行った。それから電車に乗ったが、そこでも「あの女かわいい。鴨吉、電話番号聞いてこい」とか「みんなぶっさいのー、エミリィがこん中でいっちゃんかわいい」と叫んだりして、私とエミリィはとても恥ずかしかった。
天王寺に着いてからJRの切符を買おうとした時、「あの姉ちゃんに買わせ」と姉ちゃんに絡んでいきそうになった。まあ、それも何とか食い止めて電車に乗った。もとぴー、私、エミリィの順に椅子に座った。もとぴーはすぐに寝てしまったのでエミリィと二人で喋っていた。鳳を過ぎた頃にはもとぴーは完全に熟睡したようで私に寄り掛かって寝ていた。
そのとき、突然もとぴーの目が覚めた。私は何じゃこいつ、と思って見ているといきなり椅子の縁に両手をかけて横を向いた。エミリィと見ていると、いきなりの「ゲロッ」・・・電車の中で吐くなんて、私は思わずエミリィと二人で他人のふりをしてしまった。後でエミリィに聞いた話によると、このときもとぴーは私の方に向いて吐きそうになっていたという。
東岸和田の駅についてトイレに行った。そこでもとぴーは小便の便器にゲロを吐いていたのをしっかり見てしまった私であった。駅を出るとすでに王将男は来ており、エミリィをけつに乗せ車を取りに行った。私はもとぴーのお守りである。しかし、私が気付いた時、すでに彼は花壇の上でみんなの鞄を枕に眠りについていた。仕方がないのでその横に座っていた。通り過ぎていく人の10人に7人くらいはなんじゃこいつ、といった目で通り過ぎていった。私が途方に暮れているとFZの音が・・・。
「助かった」と思ったのもつかの間、王将男はこっちを見ながら通り過ぎていった。その後に続いてきたエミリィも同じように通り過ぎてしまった。私の立場は?と思っていると少し先で止まってくれたのでもとぴーを起こして車に乗せた。
最悪の電車の中からやっと降りた私たち3人は、私は車を取りにパチンコ屋の駐車場へ。もとぴーと鴨吉はゲロを吐きにトイレへと、それぞれの役割分担についた。
私は王将男のバイクの後ろに乗って、駐車場へと向かったが、彼はノーヘルだったのでポリに見つかってはヤバイと思い、途中でバイクから降りた。しかし私はもとぴーのことが心配で少しでも早く迎えに行きたかったので、足の小指骨折も忘れて思わず50m程ダッシュしてしまい、王将男に怒られるはめになる。
車を取ってきて、駅に戻ってきた私と王将男は、その駅を通り越してしまう。というのももとぴーが汚い花壇の上で寝ているのだ。そう、まるで、浮浪者のように・・・先ほどの優しい心はどこへいったのか。苦しそうにしているもとぴーの意志を無視して
「早く車に乗らんかい!」と叫んでしまう。
もとぴーを助手席に、鴨吉を後部席に乗せ、エポは出発した。少し走るとバイクを運転しながら王将男が「窓を開けろ」と言っている。それもそうだ。酔っぱをのしているんだから、窓を開けた方が気持ちもよかろう。そこで私はパワーウインドーのボタンをさがしたが、エポは手動である事に気が付き、左手を伸ばしてノブをまわそうとするのだが、なかなかうまいこといかない。エポも少し蛇行する。それを一部始終見ていた王将男が「鴨吉、お前がやれ!!」と怒鳴る。しかしもとぴーは自分で窓を開けた。一吐き、一眠りしたのでだいぶん回復したのだろうと、私は心の中でひとまず胸をなでおろす。
あとは家に帰るだけだと思って走っていると、もとぴーが外に顔を出している。なるほど、ほてった顔を冷やしているんだなと思ったその時、
♪♪ ゲロ、ゲ〜ロ、ゲゲロロ、ゲロゲロゲ〜ロゲロッピッピ〜 ♪♪
と言うリズムに乗ってゲロこきまくりand吐きまくり。

もとぴーに吐かれたゲロ達は、元気よく風に身を任せ飛び立つ。それだけならまだしも、エポの側面の扉やガラスにまでひっついてき、離れようとしない。もっともそのことが分かったのは、途中でローソンに寄ったその駐車場での事。王将男がやたらゲロ達を眺めていたが、さすがに恥ずかしかったのか、しきりに見るな見るなと言っていた。勇気を出して私も見たが、それはまるで流れ星のようにいくつもいくつも付いていた。もし、道行く人がいたのなら、「なんて綺麗なデザインなんだろう」と振り返っていたかも知れない。
そんなこんながあって、やっとの思いで家に着いた。夜中で辺り一面真っ暗である。そこでまたもとぴーはご丁寧にも芸をしてくれる。
クモの巣に獲物がかかるように、有刺鉄線にもとぴーがかかった。これで少しは目も覚めたであろう。「ワァ、痛そう」と思ったが、彼の顔は微笑んでいた。
部屋についてすぐもとぴーはベッドでバタンキュウだ。そんなもとぴーをほっといて私たち3人はカラオケに行く。もちろん例の車でだ。でも私は歌を歌いながらも心配事があった。「もとぴー、今頃冷たい水や氷を欲しがってしるんとちゃうかな。気分が悪く、うなってるんとちゃうかな」などと気になった。というのは建前で本音は、「今頃私の部屋、そこらじゅうゲロでべちょべちょちゃうん!!」というところだ。
次の日私は淡路に行くことになっていた。事故の事でだ。もとぴーもついてきてくれることになっていたが、ゲロ調2拍子のあのリズムに乗られると困るし、だいたい寝たのが4時ぐらいだったのでまあ無理だろう。ふけまで王将男に送ってもらう。
夕方、家に帰ってきてビックリした。私の部屋がボロボロなのだ。ベッドの上には2枚の布団がゴミのように積まれていて、弁当のカスがほりっぱなし。部屋は臭い。その日は掃除する気にはなれなかった。