九州シンフォニー
ツーリングレポート

機関誌 Vol.11 45〜49ページ

<セロー 225W やっぴー>


 5月中旬、突然もとぴーから「お、やっぴーか。GWは九州にいくぞ。ほなまたな!」と、いつものように短い電話がかかってきた。まあ、もとぴーと二人で走るのも久しぶりやし、GWは他に予定も入っていないし、彼女もいないし、ヒマなので行くことにする。衝動買いしたセローもぎりぎり納車が間に合いそうだし、ニューマシンで阿蘇や椎原林道を走ってみるか。
セロー発進

4月26日(金) 曇りのち雨
 最近気付いたが、どうも僕は雨男らしい。ぴかぴかのセローにまたがり南港北を目指すのだが、いきなり小雨が降ってきた。フェリーターミナルで30分くらい待ってたらもとぴーがやってきた。もちろん、セローのことは内緒にしていたので、「なんや、おまえ、セロー買うたんか。」といってたけど、もとぴーはオフに興味がないようで、そのひとことだけだった。
 次は、誰に見せびらかそうかなあー、中野二号かな、たかちゃんかな、とか思っていたら、どういうわけか偶然(ほんまに偶然)Kちゃんに会ってしまった。オレは、あいつとは変な縁があるのだろうか。「やっぴー、セローいつ買うてん?」と甲高い声で聞いてきたので、「昨日。」と一言だけいってその場を去った。あー、冷たい二人!
 中野二号の情報によると、このフェリーにはどうやらたかちゃんも乗るらしい。出航ぎりぎりになってスパーダがトコトコやってきた。「やあ、たかちゃん、偶然やなあ。」とかいってこっちは喜んでいたが、たかちゃんは、せっかくひとり旅を楽しもうとおもってたのにー、って感じだった。悪いことしたかな。ま。僕たちにとっては、ヤローふたりではおもしろくないので、たかちゃんがいてくれてにぎやがで本当によかった。
 フェリーでは、ハウス食品でカレーの品質管理をしている奈良のえみちゃんと知り合いになり、盛り上がった。えみちゃんはれーこちゃんに良く似ていて、よく笑うかわいい子。福岡の24時間駅伝に参加するらしい。なんで、荷物持ってずーっとここに座っているのかなと思って聞いてみたら、「寝るところがなくてー、雀卓で一晩明かそうと思っているんですよー。はははっ。」と笑っていた。すると、そういうところはマメなもとぴーは自分の場所をあけて、「ここで寝たらええで。」といっていた。えらいなあ、と思っていたら、「やっぴー、行くぞー。」と連れ出された。「え、なんでー!おれも!?」でも、外は明るくて眠れるはずもなく、もう一度えみちゃんとたかちゃんのところに戻ってきて、「こんなけ隙間があったら寝れるわ。」とちゃっかりえみちゃんの隣に寝るもとぴー。俺は狭い靴置き場に寝るはめに・・・。おまえは、たかちゃんとえみちゃんの間で、オレは靴置き場か!ほんま、こいつは調子ええわ。
九州も雨だった

4月27日(土) 雨
 新門司に着くと、中野二号、うっちゃんが迎えにきてくれていた。雨が降らないうちに、えみちゃんを駅まで送って行ったあと、とりあえず中野二号のウチに行くことになった。中野二号のウチの前には、公園があってキャンプもできるので晴れた日にはここでみんなでバーベキューってのもいいかもしれない。
 この日は、中野二号の車で快適に雨の中をドライブに連れて行ってもらい、平尾台、関門大橋、関門トンネルの人道を歩いて渡ったりして、それなりに楽しんだ。フェリーで眠れなかったせいもあって、車の中では爆睡どかーん。なぜか、ダイエー、バンドールで買い物したりして、明日はバイクに乗るぞー。
今日も雨だった

4月28日(日) 曇りのち雨
 今日は阿蘇の近くまで行きたいので、黒川温泉に行くことにした。天気がよくないので、中野二号とたかちゃんがバンガローを予約しておいてくれた。うっちゃんは山陰に旅立ったので、もとぴー、中野二号、たかちゃんの4人でのツーリングだ。耶馬渓で素堀りのトンネルを通り、ガケに登ったあと、やまなみを目指す。もとぴーは天気が悪いのであまり元気がない。
 僕の九州のイメージは阿蘇のあたりのイメージが大きいので、やまなみを走れるのはすごく楽しみにしていた。しかし、天気は悪くなる一方で、ついに雨が降ってきて、ついでに霧で前が見えない状態。無線では「わーっ、前が見えん」とかいって中野二号が叫んでいる。途中、瀬の本で休憩し、ようやく白川温泉キャンプ場にたどり着いた。
 バンガローは、キッチン、トイレ、テレビ、ビデオ、ファミコン、扇風機、コタツ付きで、露天の温泉もあって、いいところ。窓際にロープを張って、扇風機でレインウェアや荷物を乾かす。今までカウルつきのオンロードだったので、オフのバイクで走るとこんなにずぶ濡れになってしまうのか、と驚いた。
 しかし、ここは快適だ。とてもライダーがキャンプツーリングをしているようには見えない。夕食は、お好み焼きを作り、ビールで乾杯!
 もとぴーと僕がハメを外しすぎたので、たかちゃんの中野二号に対する評価があがる。捨て身で盛り上げようとする関西人は哀れだ・・・。しかし、それは相対的評価であって、中野二号はそんなにおれらと変わらんぞ!だまされるな、たかちゃん、ともみちゃん、花ちゃん!
今日は雷雨だった

4月29日(月) 一日中大雨
 午前中、ちょっと晴れ間が見えたので、たかちゃん、中野二号は高千穂に向かうらしい。でも、天気予報では雨といっているので、軟弱ライダーのもとぴーと僕はバンガローに連泊することにした。まあ、それにしても暇なので、雨の阿蘇周辺をみんなと走ることにしたが、きれいな景色はどこにもなく、大観望は絶望的だし、阿蘇観光牧場は雷雨にあって3時間足止めをくらうし、最悪だった。とりあえず、オウムで有名な波野村まで行ったが、あまりにも雨がひどいので、そこで二人と別れてバンガローに戻ることにした。後は、Dr.Kがくるはずなので、夕食の準備をし、もとぴーと二人っきりぼーっと待つ。雨ばっかりでほんとに疲れる。
 9時ごろ、青のシビックでDr.Kがたどりつき、にぎやかになった。昨日の材料の残りでまたお好み焼きを作ったり、かよわい女の子にむりやりエロビデオを見せたり、添い寝したり、3人で温泉にいって、のぞきあいをしたり、垣根を越えて、男湯に入ってこようとしたりする女の子がいたりして、さっきまでの死にかけていた二人はどこにいったんだろう、と思うくらい元気なやつらがいた。あー、ここは本当にいいところだ!今度、九州支部、関西支部合同ツーリングのときは、また、ここでゆっくりしたいなあ!
ハローセロー早春スペシャル2

4月30日(火) 曇りのち晴れ
 九州に来て四日目。今日は今までよりはいい天気になりそうだ。もとぴーは今日のフェリーで帰るので、Dr.Kと一緒に北九州に戻るらしい。(もとぴー、おまえなー、彼女のことも大事かもしれんけど、たまの連休くらい、自由にさしてもらえよ。そんなんやったら、この先、もたへんで。)
 今日からは、ソロツーリングだ。ソロは寂しくてほんとはいやだけど、セローならひとりでも楽しく走っていけそうな気がする。やまなみ、阿蘇を通り、九州で絶対行ってみたかったところの一つ、通潤橋に行くことにする。久しぶりに晴れたので気持ちいい。
 セローも乗りやすくて、コーナーはFZより速いような気がするし、あっ、今いいところがあったなあと思ったら、すぐにUターンできるし、軽いし、音も今まで4気筒の音しか聞いてなかったので、シングルの音は新鮮だし、色はきれいだし(紫色。ちなみに今までのセローで一番きれいなカラーリングだと思う。)、ゆっくり走っても楽しいし、ほんまにいいバイクやなー。せっかくタイチのバーゲンで買ったバーパットが付けられてないのがちょっと残念だったけど。ディグリーとセローで悩んで(TTR、レイドは考えなかった)、はじめはディグリーにしようと思ってたんだけど、ホンダは誰かが好きなのでやっぱりやめよう、ということで、ヤマハ党の僕はセローにしたのだった。れいこちゃん、みゃーこ、ゆーみん、きみちゃん、らんちゃん、まくら、はなちゃん(予定)と
「おそろいおそろい!」
通潤橋は放水しなくて残念だったけど、これを見て、今回の九州ツーリングの目的の一つは果たせた。もう一つは明日にとっておこう。蘇陽町でキャンプ(ひとりのキャンプは初めて!)をし、椎葉林道でエンジンを壊したセローのライダーと、僕とお揃いのパチもんテントを持っていたKLXのライダーと語り明かした。
久しぶりに見た太陽

5月1日(水) 快晴
 九州のもう一つの目的は天岩戸だ。以前、NHKの旅の番組で高千穂の天岩戸の特集をやっていて。「おっ、よく話で聞く天岩戸ってどんなんかな。」と、楽しみに見ていた。しかし、肝心の岩戸のところにきたとき、そこの神社の神主さんが、「御神体なので、撮影はしないでください。」といって、テレビには映らず、イラストでしか見れなくて残念に思ったことがあったのだ。カメラで撮影できないのなら実際にこの目で見るしかないのだ。
 神社ではたまたまお祭りをやっていて、たくさんの人がいた。神主さんに天岩戸を案内してもらう。ついに、念願の天岩戸が見れるのか!とわくわくする。
「あれがそうです」
 ・・・ん!?どこ?あのへんのことかなー。木の葉が生い茂っていて、岩なんてどこにも見えないのだ。冬だったら見えるかもしれないけど、今は何も見えない。ま、でも、一応どんなものかはわかったしいいとしよう。とりあえず満足して、たこ焼きを食べて帰る。
 今日は洗濯がしたいので、瀬の本YHに泊まることにする。ここははなちゃんもよく行くところらしい。阿蘇有料道路を通り、阿蘇山の火口を見て、草千里、米塚を通り、ミルクロードに向かう。あ、そうそう、二輪ツーリングマップルの阿蘇のあたりに「道端で手を振るかわいい女の子」とかいてあるが、本当におねーちゃんが手を振っていたのでびっくり。
 今日はGWに入って初めてのいい天気だ。ほんとに快晴。ライダーも多くて、久々にピースサインもする。一人で走っていてもすごく楽しい。もとぴーがいってたように、ミルクロードはいい道だ。ハーレーがやたら多くてびびったけど(瀬の本で集会があったらしい。)、やまなみよりはいいな。大観望では周りの景色がぜーんぶ見渡せた。阿蘇の外輪山の大きさに驚き、昔はどんなに大きな山だったんだろう。と思った。
王将男、Y水と合流

5月2日(木) 曇り
 おととい。キャンプ場でセローの男に黒川温泉の手形を400円で譲ってもらったので、神明館というところにいくことにした。ここを選んだのは、混浴だからというわけではないけれど、ヤローばっかりでおもしろくなかった。でも、あちこちに雰囲気のいい旅館がたくさんあるし、今度はこの前キミがいってたおすすめの旅館にいってみたいな。それから、温泉巡りをして、ゲタをもらってね!約束したしねー。
 やまなみの出口あたりで道に迷い、長者原を4階通ったりして、1時間半くらいうろうろする。4日前、通ったときは大雨だったし、中野二号のうしろをついて走っていただけだったので、よく、道を覚えていなかったのだ。
 途中、抜け道を行ったつもりが陶器市の大渋滞に巻き込まれながらも、すり抜けをして、夕方、やっと中野二号のウチにたどり着いた。
 ここで、王将男、Y水と合流。このあと、四国に渡ってがんちゃんと4人で、2・3日は一緒に走るつもりだったが、僕は雨の中のツーリングでけっこう疲れていたので、「四国はやめて、もう帰る。」といったら、二人とも「ほんなら、オレも帰るわ。」ということで、翌日3人とも帰ることにした。四国には、みかどやみかどの彼女(当時)や、らんちゃんが来ているので行きたかったんだけど、まあ、またの機会にしよう。
 夜はまた、ダイエー、バンドールで買い物をして、モスバーガーを買って(モスバーガーが異様に気に入ったやっぴー)、4人で語り明かす。
王将男「テレビ見てもオウムばっかりやなあ。おもんなー。」
中野2「BGMがわりに、これでも見るか。」「・・・・・・・・・・。」
以下、王将男の話。
「二郎さんに会うたんは、確か4年前の忘年会やったかな。九州からきたってゆうとって、せやけど、この九州ツーリングでゆっくり話ししとったらいろんなことがわかったわ。パードル(東京パフォーマンスドール)好きやし、一見まじめで硬派に見えんねんけど、ほんまはちっちゃくてまるい女の子が好きらしいし。なんや、また、二郎さん女の子に手を出しとんのか。かなわんなー。みんなにゆうで!」
中野2「王将男、あいつ、めちゃくちゃいいよんなー。」
最高にいい天気!〜それも最終日に〜

5月3日(金) 快晴
 天気がいいので、あんまりフェリーターミナルから離れていないところで、どっかいいところにいきたい、といったら、また、平尾台に行くことになった。天気はいいし、まっいっか!いやー、でも、セローは乗りやすい!特にタイトコーナーがね。途中の峠で遅いシャドウのY水をあおる!FZではできなかったことだ!
 平尾台は、初日にきたときとは違って、青空と緑と石灰石の白のコントラストがきれいだ。こんなに、きれいなのに、ヤローばっかり。やっぱり、きれいな景色のところでは、かわいい女の子の写真を撮るにかぎるなー。
 門司港駅にいったあと、フェリーターミナルへ。フェリーターミナルには、山口のロバ山本が見送りに来てくれた、ちょっとしか話せなかったけど、こういうのんてうれしいねえ。オレも見送りって好きやけどねー。
後記
 今回の九州ツーリングでわかったことは、意外に九州って行きやすいなー、ということ。たしかに、九州のみどころ(阿蘇、えびのとか)には新門司からは不便だけど、中野二号、うっちゃん、Dr.K、そしてもとぴーが帰りのフェリーで知り合ったはなちゃんのところには近い!いつも九州支部の人たちが関西に来てくれていたけど、九州支部で何かキャンプやパーティーとかを企画してくれたら、オレたち関西支部はいつでも行くぞ!北九州でボウリング大会でもやろうぜ!そのときは、僕にもお弁当つくってね!