94'北海道冬

「上野発の夜行列車ストで動かない〜」

機関誌 Vol.10 85〜87ページ

<かんちゃん>


性懲りもなく、冬の北海道に行ってきました。小さな旅の博物館に3泊と夕張の嶋のおっちゃん家に1泊という滞在型(宴会型?)の旅行です。
〜大阪発の臨時急行に乗って〜
12月29日

仕事納め。寮に帰ってからゆっくり準備をしすぎてしまった。大阪駅に着いたのが20時43分。青森行き臨時夜行寝台急行「あおもり」は45分発だ。中央ロビーをぜーぜー言ってホームまで行き電車に飛び込んだら30秒くらいして発車した。さすがに臨時寝台、客車三段の寝台である。王将男はまず入れない狭い寝台だ。まだ一段目だからましである。おまけに電話もなく自販機もショボイのしかない。0時45分に敦賀で15分ほど停車したのでやっぴーに電話を入れて線路の音を枕に寝る事にした。朝8時に秋田で20分ほど停車するのでそれまでおやすみ。

12月30日

能代あたりで目が覚めた。予定時刻に秋田に到着。さっそく駅弁を買って鉄ちゃんと化す。L特急たざわも止まっていたので写真を撮った。秋田を過ぎて八郎潟くらいで寝台がベンチシートになる。隣の青森のおばちゃん達といろいろ喋っているうちに青森到着。ここでL特急はつかりに乗り換えるのだが、もちろん自由席なので降りると同時にダッシュする。青森駅名物「あおもりダッシュ」である。しかも私は函館からの周遊券しか持ってないのではつかりには無賃乗車、ということになるが、幸いなことに電車はダダ混みだったので改札はこなかった。ラッキー!函館駅で今度は特急北斗に乗るため又々ダッシュ。なんとか座れる。さすがに北海道、今年は雪が少ないとはいえやっぱり寒い。大沼あたりからぼちぼち雪が見えるようになってきた。洞爺湖辺りで日が暮れてなんともさみしい。
札幌駅に着いたのは6時半。ここかあ銭函行きの電車に乗り換える。雪の銭函駅で思わず敬礼してしまったが、もちろん高倉健はいなかった。小さな旅の博物館に半年ぶりの宿泊だ。本日の旅人は3人。主部隊は31日に到着だそうだ。もちろん常連ばかりだそうだが、唯一初めての旅人が今日一緒の兄ちゃん、通称チキバン氏である。今日は静かに過ごす事にする・・・訳がなかった。
〜小旅で年は暮れてゆく〜
12月31日

遅い昼食を食べてチキバンと近くのオーンズスキー場にいく。彼ははっきりいってタダ者ではなく、いろいろコーチしてもらった。やっぱり北海道の雪はさらさらで滑りやすい。人もいないのでいやになるほど滑って、2時からもちつきなので帰る事にした。戻ると変な人が更に増えている。ヘルパーも増えている。ダイコンさんをみるとほっとするのはなぜでしょう。さっそく雑煮を頂いたが、これが闇雑煮で、餅の中にいろいろヘンなものが入っているのには参った。早めの夕食をすませ、6時くらいからすでに宴会体制に突入する。しかし酒の無くなるのが早い事。正月は赤字だとワンワンさんも言ってたっけ。年越しのコンサートも盛り上がってそのまま新年を迎えた。AM1時を回った頃に電話が入った。「今年は来ないんですか〜?」そう、ここの名物仮装初詣を銭函町民が首を長くして待っていたのだ。去年はびっくりしたおっさんが駅前のローソンで車ごと電柱にかちこんだそうだ。私は4人で鯉のぼりの中に入って走り回る事にした。夜中はさすがに寒かったが町の人が通りで待っているのには感激した。お酒までいただいたし。ちなみにワンワンさんはウルトラマン、タマさんはお立ち台ギャル、AVさんは怪しげな外人、その他もろもろヘンな集団であった。
 宿に帰ると4時前だった。明日、いや今日なのだがみんなでスキーに行く事にして仮眠をとることにする。
〜そして新年・オーンズの会とは?〜
1994年1月1日

あけましておめでとうございます。さっそくみんなでスキーに行く。かんちゃん、チキバン、こまわり、ちゃっかり、レーガン、ブルセラ、ハチさん、ケバ子ちゃん、雅子先生でオーンズへ。ゲレンデは3本しかないローカルスキー場だけど、クアッドでてっぺんまで登ると眼下は海。そう、海に向かって滑るのさっ!
でもさすがにみんな冬の小旅の常連だけあってスキーのうまいのってなんの。ゲレンデをお立ち台にかえる奴、地元の女子中学生にチェック入れる奴、後方宙返りを決める奴、まあ宿のノリそのまんまですね。リフト券が6時間で2500円と格安なのもローカルゲレンデの魅力です。リフト待ちがまったくないので4時間も滑ればもうへとへと。小旅に帰って温泉に入りに行く事にする。朝里の旅館の内湯だが綺麗な露天風呂で雪景色の中で入る露店はおつなものです。疲れを癒して1月1日恒例のゲーム大会に突入。私はマンガのしりとりで見事にともよちゃん、じゃない、ウナギイヌのキーホルダーをゲットしました。チキバンは壁にかかっていたビッグなうちわをゲットしたため、背負って帰る事になりました。明日はクイズダービーだそうで、楽しみだが私は夕張へ移動なので飲むのも今晩が最後である。ケバ子ちゃんとサシでポン酒を飲んでいるうちに寝てしまった。

1月2日

夕方出発なので今日は雪の小樽運河を見に行くことになった。まだ寝ている連中が起きるまで海岸へ写真を撮りにいく。モデルはケバ子ちゃんと雅子先生です。フィルムにインプレッサ50をおごったかいがあったというもんです。みんなが起きてきたところで車3台に別れて小樽運河へ。雪は少なかったけど風情があります、冬の北海道。しかし2日だというのにぼちぼち人がいます。ほとんど観光客でしょうけど。ちょうど今日から北一ガラスの初売りだったのでさっそくお土産を買うことにする。とりあえずみんなでお揃いのビアグラスを買った。店内をぶらっと見ていると10個入りのリキュールグラスセットがあった。1万2千円。この瞬間、小旅オーンズ独身の会が結成され、誓いのグラスとして買うことにした。私はブロンズ色のグラスを頂きました。ハッピーになった人は次に譲るという取り決めです。小旅に置いてますので使ってもらって結構です。買い物が終わると遅い昼ご飯。番屋という居酒屋ですが、これが旨いの南野陽子。魚はいうにおよばず、ガレージ、いやシャコやぼたんえびのおいしい事といったら、ああまた食べに行こう。なんやかんやで宿に帰ったのが3時過ぎ。4時の電車で私は札幌に向かうのだが、みんなも夜の札幌に繰り出すというので一緒にいくことになった。銭函駅で残る連中に見送られてお約束の敬礼。そして札幌駅で残りの連中にも見送られてとうとう一人。夕張行きのバスに乗り込んだ。このころから雪が舞い始め、山手にさしかかるころには吹雪いてきた。まさに演歌の北国の風景そのままである。夕張商店街でバスを降りるとちょうど社光行きのバスが来たので飛び乗った。もちろん客は私一人。バスは嶋商店前で停車する。もちろん降りるのも私一人。路地は人一人通れるだけの雪をはねていて、1mは雪の壁があろうか。ホーキンスをぺたぺた言わせながらなつかしいおっちゃんとおばちゃんと再会。いつものお寿司とカニを準備して待ってくれていました。
〜そして夕張、ありがとう〜
1月3日

朝からご馳走をいただいてさっそくレースイスキーリゾートに殴り込みをかけることにした。おっちゃん家のバス停から直行バスで5分。そこには白銀の世界。札幌からも近く3日ということもあり家族連れがかなりいてリフト待ちが1分くらいあったかな。全リフト高速ペアでもうガンガン滑れました。が、昼過ぎから吹雪いてきてもう寒いのなんのって。またすぐ晴れたけど相変わらず寒い。もう顔もバリバリになってきたので2時半には上がることにした。ゲレンデ下がJR夕張駅なのでバスに乗って石炭の歴史村前で下車。雪道を歩いて5分ばかりでおっちゃん家に戻った。バスの時間までまだいくらかあるので散歩がてら雪景色をカメラに納める。もう日も暮れてまたまた早めの晩ご飯をいただき、お弁当までもらって嶋のおっちゃん家を後にした。
札幌までは直通バスがないので夕張バスターミナルで乗り換えになる。で、ターミナルでバスを待っていたのだが、定刻になってもバスが来ない。15分も過ぎているのでキップ売り場で聞くと、「あれ?もういっちゃったよ」だとすごいね、客ほったらかしてバスが行くとはこりゃやられた。あわてて職員の人が夕張バスとペイントされたランクルで追っかけてくれることになった。私を含めて4人はほっと肩をなでおろしたのだった。
予定通り札幌に到着し、地下鉄を乗り継いで札幌駅へ。大通公園はイルミネーションがすごく綺麗で、次は誰かと来たいもんだ。さあ、帰りますか。と駅の改札までいくと「かんちゃーん」の声。小旅で一緒だったブルセラこと小島氏だった。みんな札幌まで飲みにきて先に帰ったとのことだった。意外なところで会うものです。22時発の青森行き寝台急行はまなすに乗り込んで冬の北海道に別れを告げた。また来年も来るぞ、と誓いながら。