やっぴーの限定解除講座 A to Z

機関誌 Vol.05 38〜41ページ

<やっぴー>


              序章

どうも、昨年3月15日に京都で見事限定解除を果たしたやっぴーです。最近ではこの試験も結構簡単になってきたと言われていますが、それでも数回、多い人は23回(知ってる人で)という人もおり、やはり難しい試験です。しかし、必ず合格はします。この論文では、オートバイ雑誌の「限定解除講座」や「攻略法」といったものではなく、少し違った見方、つまり技術面だけでなく、精神面も含めた合格法を述べてみる事にします。尚、京都がどれだけ難しいかは1号に聞いて下さい。


           第1章 動機付け

みなさんはどういった動機で限定解除をしようと思いましたか?友人が限定解除したから・憧れのCBに乗りたかったから・どうせ乗り換えるならステップアップして大きいのに乗りたいから・見栄だけでカッコいいから限定解除したいetc・・・
と、いろんな理由があるでしょう。ホントにくだらない理由の人もいますが、でもそれは重要な事です。僕の場合、友人のK氏が6回目に不合格し、次の7回目に合格してやり、あざ笑ってやろう、と思って受けたのです。もちろんVFRから何かに乗り換えたいという気持ちもありましたが。どんな動機であってもいいのです。しかし、逃げ道を考えてはだめです。400ccでパワーは充分だ、とか、大きすぎて取り回しが大変とか、そんな事はいっさい考えない事です。ナナハン以上のバイクなんかパワーはありすぎて、でかすぎて取り回しが大変なのは誰もが知っています。それでもみんな見栄だけで乗りたいと思っているのです。だから、何か一つ限定解除する為の理由を考えてみて下さい。


            第2章 予約

それではすぐに試験場に予約に行きましょう。なるべく思い立ったらすぐに行くのがベストです。しばらくするとめんどくさくなり、申し込みが遅れてだんだんどうでもよくなってくるからです。今日は寒いから明日にしよう、というのはもう合格から遠ざかっています。京都は毎週火曜日と金曜日が事前審査の日ですが、たいてい2、3週間は待たされるのでやはり申し込むのは早い方がいいでしょう。2回目以降は毎日でも受けられます。


           第3章 試験当日

当日は8時半から受付ですが、1番の人は7時過ぎに来て大型二輪の受付の前に受験票を置いてコースを歩いています。1番に受付したのが中型だったら、試験は中型から始まるので大型の人は早く受付を済ませましょう。
8時半までは待合室で寝るなり、テトリスをするなりコースの下見をするなり何でもしてていいですが、8時半にベルが鳴り、受付が始まりますので少なくとも5分前までには集合し、出した順番に並んで先輩の方が受験票を配るのを待ちましょう。9時になると試験官が来て説明が始まり、事前審査の人は別の所に行き、その他の人は車両使用券が回収され、その後、試験が始まります。


          第4章 待っている時

待合室で他人の走りを見て研究するのもいいですが、何よりもまず、友達を作りましょう。みんな一人で来ている事が多いのですぐに親しくなれます。「何回目ですか?」とか、「昨日は何人合格しましたか?」とか、適当に話しかけたらいいでしょう。受験回数が10回以上の長老の人や、合格して遊びに来ている人と友達になるのはもっとベストです。女の子と友達になれれば更にグッドですよ。あ、ちなみに言っておくと女の子の場合、事前審査が通ればかなりの割合で合格します(回数はわからないが)ので、とりあえず、バイクを起こし、センタースタンド掛けをする事に力を入れて下さい。その後はほぼ男と一緒です。私の場合もK氏の場合も足ツンツンでしたが、ふらつきでとられた事はありませんでした。話を元に戻しますが、結構偉そうな事を言っている人がいても、ほぼその人が言っている事は正しいので素直に聞いた方がいいです。特に京都のデルタテクニカルで練習してる奴がいますが、そういう奴と友達になるといろんな事を教えてもらえるので勉強になりますよ。又、昼食は混み合うので、朝のうちにサンドイッチ、おにぎりなどを買っておきましょう。


           第5章 実践=演技

試験はFZXか、GSX750E4のどちらかが出てきますが、1コース・2コースありますので合計4通りの組み合わせがあります。2日続いて同じ条件の日は絶対ありません。それぞれの特徴を挙げると・・・

FZX750
やはり最新の機種なのでエンスト・ギア抜けなど全くなく、ブレーキもよく効きます。ただ、レプリカに慣れている人はフロントが軽すぎるのでクランクで少しふらつくかもしれません。また、ランプ類がタンク上にあるので見にくい(ジェットヘルにすればいいか)

GSX750E4
古いので結構サスがいかれていて、またがるとキュッキュッキュッキュッと音がする。ブレーキもFZXに比べるとかなり落ちるが、それでも止まれるので安心して下さい。個人的にはE4の方がギアが何速に入っているのか、どちらのウインカーが付いているか、などが一目で分かるので乗りやすかった。取り回しもレプリカにより近いので楽。

又、1コースはスピードを出すところと落とすところのメリハリをつけやすいので乗りこなしているように見えやすいが、2コースはそうでないので1コースだったら喜んでください。あまりリラックスしすぎて、ぼーっと走るのもダメです。適度な緊張感は必要です。コースに出てからはどんな短い距離でもアクセルを思い切りあけ、カーブ手前では止まる寸前までスピードを落とすという少しオーバーすぎるのではないか、と思うくらいメリハリを付けて下さい。見通しの悪い交差点では覗き込むよう
なカッコを必ずするように。法規走行は試験官が観客である演劇をしているようなものです。自分が乗りこなしているところを印象付けたら勝ちです。課題走行に問題あるのはそれ以前の事なのでここでは取り上げていません。それではここで私の実際の限定解除ドキュメントをお送りします。

事前審査


3月9日(金) 1回目



3月12日(月) 2回目




3月13日(火) 3回目



3月14日(水) 4回目




3月15日(木) 5回目

少しセンタースタンドに手間取ったが、クリアで合格。
CB750Fだった。

1回目にして波状路まで行き、なかなか上出来、と思ったが、「足を着く時に右足でばかり着いている。左折大回り。でも結構乗れているから練習しておくように。」

緊張をほぐそうと努力し、リラックスしたがリラックスしすぎて、ぼーっとしてしまう。「ウィンカーを途中で消したり早く消しすぎたりしている。確認が甘い。」
でも完走。

この日は雨だったが、気合いで試験場へ。「乗れているけど、確認がまだ甘い。一本橋が8秒だからもう少し頑張るように」
ちなみにこの時は55点だった。でも完走。もう少しだ!

この日初めてGSX750E4にあたる。ウインカーもギアもよく把握出来るので走りやすかった。ところがクランクを抜けた後ギア抜けしてしまい、足を着いてしまう。「低速でふらついてどうすんねん。練習してんのか!」、と言われかなりショックを受ける。

この日は気合いを入れ直す為、ジェットヘルにした。そしてなるべく友達とも話さず、適度に緊張感を保っていた。サークルの後輩が5回だったのでちょっとプレッシャーがかかる。4番だったが、前の3人は不合格。よーし、やったるで、という今までとは違った意気込みで試験に挑む。コースに出る。確認、合図、左折大回り、メリハリ、演技。それぞれに気を付ける。波状路が終わり、出発点に戻ってくる。
「よし、これでどうや!」と思ったのは覚えている。
そして試験官の所へ階段を上がっていく。
「4番、やっぴーです!」
「やっぴーさん、あんな左折大回りしたらあかんやろな!」
ええっ!ポンポンとはんこを押す音。ああ、また落ちたと思ってると、
「合格や。免許証見せてみ。」
「えっ!?あ、はい、今取ってきます。」
と、そのまま下の待合室へ。あまりの嬉しさに階段は4段飛ばしぐらいで降りてゆく!
「やったぞ!」「おめでとー」の拍手。「やりい、コーヒー奢ってもらえるぞー」と友人!「コーヒーぐらいなんぼでもやるぞ。ほな、免許証見せてくるわ。」と、上へ。
その後、免許の手続きの仕方を聞き、また、待合室へ。「やっぴー、受かったんか?」とRZ350の矢部ちゃん。「おう、やっぱりジェットヘルやで!しんたろう!ジュース買いに行くぞ。ついて来い!」京都では合格者はその運と実力を分け合うという事で他の人にジュースを奢る事になっている。この日、約20名いたのでカバンを持っていき、自販機の缶コーヒー20本、買いに行くのでありました。

        終章 気合いと根性と演技と友人


はっきり言って帰りの車の中では涙が出ました。大学合格より、いや私の人生で一番嬉しかったですね。たった5日だったけど、その間に知り合った友人とはもうかなり前からの知り合いのように思えたし、いろいろ教えてもらった。RZ350の矢部さん、GPZRの師匠藤原、SRXの長老井上さん、CRMのしんたろう、GPZRのデビル吉見には特にお世話になった。彼らがいなければつらい毎日だっただろうし、合格もありえなかったかもしれない。最後に限定解除に必要なものを言っておきます。練習は当然だが、それ以上に気合いと根性、演技、そして友人が一番必要だというのを実感した。という訳でみなさん、参考になったかどうかわかりませんが、もしもっと聞きたい事があればやっぴーまで連絡して下さい。 
Good Luck!
                         1991年6月25日 AM2:10 自宅にて やっぴー

〜風の噂〜
  ○受験番号の4の倍数は合格しやすい。
  ○待合室の扉を一発で開けられるようになったら合格する。
  ○一本橋、クランクで失敗する人はコース下見の時、線香を供えるとよい。
  ○一本橋幽霊、クランク幽霊、波状路幽霊が足を引っ張る。
  ○試験官で的場さんはラク、行待さんはキビシー!
  ○受付の時、受験票を配る人は長くかかる(長い人だから配ってんだけどね)
  ○ジェットヘルは合格する。ブーツは関係ない。
  ○8回を越えると長引く。
  ○毎日通えば必ず合格する。
  ○限定解除に来る子は可愛くてスタイルのいい子が多い。

〜みなさんから祝電をいただきました!〜
  峠の先輩 乾博士から
   「ヤルジャン スゴイワ」
  簡単愛媛のかんちゃんから
   「エヒメハ モット ムズカシイケン」
  大先輩王将男から
   「ホンマハカンチャン ヘタナントチャウカ コケテバッカリヤシ」
  エミリィより
   「ウワサハ ホントウダッタンダネ」
  もとぴーから
   「ヤッピー ブイマックス カエ」
  T世ちゃんから
   「アタシヨ アタシ ワ カ ル?」
  ひおぴーから
   「ライラ ライラ ライラ ライラ ライ」