再 会(TWICE)

機関誌 Vol.02 20ページ

<ひじり>


いつもの時間に目が覚め、慌ただしい朝を迎える。俺は通勤に愛車で通っている。一台はFZ750で、三年前の四月に出会いもうすぐ30000kmになろうとしているが、こいつのパワフルなトルクにはほれぼれしている。対照的なもう一台はDT125Rで、FZよりも8ヶ月程遅くに出会い、20000kmになろうとしているが、その乗りやすさと扱いやすさで街中ではリッターバイクもカモれる事もあるぐらい、バランス的にできている。
普段はDTなのだが、月曜からの三日間はFZで通っていたため、久しぶりにDTで行く事にした。いつもの道であるR163、旧R1、内環、豊里大橋、淀川添いの道を走り、会社に着く。何事もなく仕事を終え、帰路につこうとしていた。いつもは会社を出てすぐに右に曲がるのだが、その日は古川橋に行く用事があったんで反対の左に曲がり、いつもと違う道にアクセルを少し控えめにし、鳥飼大橋を一路目指して走った。流れの悪い鳥飼を越え、一つ目の高架道路を登り、下っているときに左下の道路からFZ750が走っていて思わず自分と同種のバイクだったので、ふと見とれていると見覚えのあるヘルメットでGRVガードナーレプリカにKADOYAのNEW CONCEPTERのジャケットが目に入った。頭の中は何が何やら訳がわからなくなったが、気を取り直してFZの横に付けてシールド越しの顔を見てやろうとし、左手でクラッチを切ると同時に左足はギアを一つ落とし、右手はアクセルを全開にしていた。横に付けた俺はシールドの中の顔を見た瞬間に感動に体の震えさえも感じた。まぎれもなくメガネをかけているやっぴーであった。胸の中には熱いものが込み上げてきて、俺はやっぴーの名前を声が張り裂けんばかりに叫んでいた。しかしこちらには全く気が付いていなくて、俺は焦りを感じていた。もう一度呼んでみると、自分が呼ばれている事がわかったやっぴーは俺が走っている反対側を見回していた。またもあせりが俺にあらわれ、大声で叫んでしまったが、やっとこちらに気が付いたが、俺がDTに乗っている事をすっかり忘れていたやっぴーはこのDTを新年会の時に布施で一度だけ見ていたが、一瞬わからなかったようだ。やっとわかったやっぴーは俺のバイクの横に付けてきた。俺はこの再開を体全体で受け止めたのだろう、嬉しさのあまりまたも体が震えていた。今度は小刻みに震えているといった方がいいだろう。
その後、やっぴーのFZを買ったバイク屋に行き、俺の用事でもあった古川橋に行き二人で俺の家目指して走っていき、俺の家に飾ってある写真を見つけ二人で北海道での事を思い出し語り合った。時間の経つのは早いもので、やっぴーは家へ帰っていった。またの再会を楽しみにして。

      写真の日付は89’8.7 宗谷岬にて

            ライダー5人とそこで知り合った女の子二人と

      一枚の写真の思いを込めて

                       Forever Friends